2016年に発売されたvita『明治東亰恋伽 Full Moon』が2024年に家庭用ゲーム機に移植決定だそうで。
個人的に「嬉しい~!」っていう気持ちと、「ハヰカラデヱトは!?Full Moonは今でもアプリで出来るんだから別にいいんだよ、サ終したハヰカラデヱトと現状PSP環境でしか出来ないトワヰライト・キスの方をどうにかしてほしいんだけど!?」という面倒くさいファン心理が半々。
家庭用ゲーム機という言い方も気になるし……これはswitchの後継機が出るということ?
本編+FD+ハヰカラデヱトのフルパックならまた違うタイトル付けるだろうし、本当にただただフルムーンの移植のみかも……でも続報でハヰカラデヱトのアーカイブス化がくるかも!?という期待と不安で情緒がジェットコースター。
でも分かってるんです、私。
新規OPが来たら買うしかないってことぐらいは!
めいこいのOP&主題歌の雰囲気って本当に私のツボど真ん中なんですよね。
ガラケー、PSP、vita、アプリ版ゲームに加え、アニメOPと実写ドラマ版主題歌まで当てきったのは流石にすごい。
10年前から何一つ変わらないKENNの声とMIKOTO&小川智之タッグで紡がれる楽曲はいつも懐かしくて華やかで、どこか寂しい。
このあたたかさと切なさが織り成す影が、私が『明治東亰恋伽』という作品に感じている魅力そのものです。
という訳で以下、個人的に特に好きな主題歌5曲についての感想文。
全曲1枚に入ったベストアルバムがサブスク配信されてるのも嬉しいところ。
ガラケー&vita版ゲームOP『東亰浪漫譚』
ちょっと今でも好き過ぎるな……。
今曲は絶対にフルを聞いてほしい!
もちろんゲームOP.verでも十分格好いいのは伝わるよ?
でもやっぱりあれだけ素晴らしいサビのメロディーは2回繰り返さないと勿体ないって!
イントロだけで56秒もあるの、長いっちゃ長いんだけどその演劇的表現はユニークだし、37秒からストリングスが入ってきた時の空間の広がりようがあまりに雄大で、美しくて、涙が出る。
あそこで鳴った弦の音そのものを、私はめいこいだと認識しているのかもしれないです。
あと1番Bメロ「君がほら 救いし心 恋という灯を燈してみよう」の歌声もやばい!
喉の奥でかすれるようなKENNのあの声、本当に二次元女オタクにはたまらないです。
めいこいのあの、明治の世界へ行きたいと心の奥底から望ませてくれる超名曲だよね。
……いや、まあ2番Bのメロ「愛という サデイステイックならば痛いほどに捧げているだろう」ではいつも笑っちゃうんだけどね。そんな作品じゃ絶対にないだろ!
PSP版OP『紅ノ夜ノ唄』
乙女ゲーム史上一番好きだよ~!
何度観てもこの1分43秒には唸らされます。
前述したガラケー版OPと同じスチルを用いながらも、光の演出で一気に格上感を出した松根マサト監督のセンスに脱帽。
ゲームプレイ済であればあるほど味のする映像なんですよ。
未プレイ者だったら25秒の間奏のカットなんて流し見するだけかもしれないんだけど、あそこが一番本編の話してるからね!?
対角線上に映し出される5体の物の怪達は、それぞれ鴎外、春草、音次郎、鏡花、八雲√の話の軸となってる。
そしてその物の怪達が藤田のサーベルに反射し光る意味は、藤田√をやったプレイヤーなら全員分かるはず。あの瞬間こそが、藤田の話のメインだよねえ。
この映像の全シーン、全カットがめいこいを構成する要素で出来ていて本当にすごいなと思います。
タイムスリップも入れて物の怪も入れて、7人の自己紹介と恋愛シーンまで見せて、かつ「恋伽の君」で主人公の顔グラまで写して、最後は全員集合カットで締める。
主人公の顔がなぜ鹿鳴館の夜に浮かんでいるのかさえ全部説明が付くんだもん、精巧すぎて怖いくらいだよ。
『東亰浪漫譚』ではバイオリンメインのレトロ優美だった雰囲気が、今曲ではサックス&ドラムメインのジャズ的な響きになっており、そこもまた文明開化より更に先の「未来」を匂わせる流れで上手。
アプリ版OP『御伽噺parallaxe』
私の男、格好良すぎ……!?
私はノベライズ→ゲーム本編と入った口なんだけど、ノベライズの時点から今までずっと小泉八雲が一番大好き。
なので今作の紹介シーンで「君が朧気に 選ぶ夢」の「選ぶ夢」が割り当てられていたことが嬉しくて嬉しくて。
いや、本当に今までプレイした商業乙女ゲーの中でも一番好きな攻略対象者だと断言していいレベルに好きなんですよね。
すごい外向的でハイテンション物の怪オタクでありつつ、でも根のところでは割と閉鎖的な関係を好むところとか。
好きだよ、ずっと大好き。
もちろんアプリでの彼もめちゃくちゃ格好良くて可愛かったんだけど、いかんせんサ終しちゃったから中身は影も形も残ってないのがね~。
OP映像のラストで「もうひとつの未来」「介入と可能性」という単語が表示されたり、歌詞にも「魔法じかけの夜が 僕の瞳に映すのは何度目の世界?」や「閉ざされたあの日のストーリー 巻き戻す奇術」とあるので、ループものがやりたかった気配はあるんだけど。
そもそもタイトルの「parallaxe」も”視差”という意味だし……うーん、やっぱりハヰカラデヱトのアーカイブス化欲しいな。
アニメ版OP『月灯りの狂詩曲』
OP映像自体は公式から上がってないんだけど、アニメ1話の冒頭1秒からOPは見れるので、そっちのリンクを貼っておきます。
いや~、もう最高じゃないですか?
どこを取ってもめいこい!って感じのする曲だし、KENNの歌声も小川智之の曲調もゲーム版OPから何も変わってない。
しかも編曲は久下真音!
ピタゴラスプロダクション(というRejetの音楽プロジェクトがあるんです)のオタクなら足を向けて寝られない人ですよ。
今曲で特に好きなのはラスサビ「彼はあの日 恋をしていた」のところ。
歌声自体の切なさも素晴らしいし、これを菱田春草の声優であるKENNが歌うのがまたたまらない。
全部過去形で追憶の形を取ってるのにもまたときめくんですよ。
彼はあの日恋をしていた、してくれていたんだなあ……みんな……。
映像で好きなのはもちろんサビのラインダンス!
私の男、可愛すぎ……!?
「アニメのめいこいはこういう方向でいくぞ!」という方向性が一瞬で見て取れてお気に入りのカットです。
実写ドラマ版『一夜ノ夜ノ永遠にニ君思フ』
アニメ化&アプリ化と同時に発表された実写ドラマ化&実写版映画化。
この報せを聞いた時は「MAGES.は一体めいこいのどこにそんな商機を見ているんだろうか……」と思ったものの、ファン的には一曲でも主題歌が増えるなら大歓迎。
現にドラマ版主題歌、めちゃくちゃ良かったしね!
ゲーム版OP主題歌の制作陣とはまた違うんだけど(作詞:雨野どんぐり、作曲:深澤祐貴、編曲:大沢圭一)でもめいこいの雰囲気を維持したまま、また新しいめいこいの主題歌像を見せてくれた事がすごく嬉しかったです。
2番のサビの歌詞なんて全フレーズ最高の一言。
永遠の一夜果てるとき
彼方 翔び立てる君は
どうして笑顔が寂しく揺れる約束の月満ちたら
君は行ってしまうだろうか綾を忘れて
僕を忘れて
最高です、本当に。
これこそがめいこいの、特に別離EDの真髄だと思いました。
未来から来てまた未来に戻れる主人公は、攻略対象者達から見れば「彼方 翔び立てる君」だし、「約束の月満ちたら 君は行ってしまうだろうか」はタイムスリップものの醍醐味だよねえ。
藤田さんの別離EDの台詞に
もう、行け。俺はおまえの手を引いてやることはできん。
だがおまえは、帰り道がわかるのだろう?
というのがあるんだけど、例えるなら今曲はそこの輝きを結晶化したようなものだと思います。
どれだけ別れを惜しんでも、最後はちゃんと送り出してくれるのがめいこいの男達の本当に良いところ。
「綾を忘れて 僕を忘れて」も、主人公のデフォルト名が綾月芽衣なところから来てるんだと思う。
主人公の名前から一文字取って歌詞に入れ込んでくれるの、乙女ゲー好きとしてはめちゃくちゃ嬉しい。
私は2016年にFull Moonの感想を書いていて、そこのチャーリー√の感想に、すごい生意気な文章だけど(若気の至りってことで見逃してください)こう書いてるんですよ。
別離エンド「君ガ僕ヲ忘レテモ」というトロフィー名と、Afterの牛丼店話が好きです。明治で過ごした日々を忘れて、生きる。それはまんま、プレイヤーとこのゲームの関係に対しても言えることなんじゃないかな。
20年後「明治東亰恋伽」の存在を覚えているかと言われたら怪しい。「あ〜、フルコンしたけどあんまり覚えてないや」と私が感じる通り、主人公も「あ〜、明治に行った事あるけどあんまり覚えてないや」となるのかもしれなくて。
でもきっと、それでいいんですね。薄れてゆくから、美化されていくものってあると思うので。
いや、全然覚えてるけど!?
過去の私は何を根拠に存在を覚えているか怪しいなんて言ったんだろう、8年経ってもめちゃくちゃ覚えてる。
8年間忘れなかったものは、この先12年くらいは余裕で覚えてるでしょ。
そのまま一生、ずっと好きでいさせてください。