制作:まなべさんの『COOK BREAKFAST』というブラウザフリーゲームをプレイしました。
プレイ時間は10分でED数は3。
「ねことの共同生活のある朝を体験する短編ノベルゲーム」とのことで、とにかくこの黒ねこが可愛い!
冒頭の第一声から一瞬で心を鷲掴みにされました。
ぐっもーにんゴシュジン
今日は早おきですねかおはもう洗ったか
【うん】
すばらしい
誇りなさい
この言葉遣い最高や……。
飼い主を「ゴシュジン」と呼ぶ飼い猫っぽさもありながら、上から目線の言葉遣いがとんでもなく可愛い。
フリーゲームだし声は付いていないのに脳内ボイス再生が余裕。
それぐらいキャラクターが立ってるねこなんですよ。
ねこの台詞、全文引用したいところだけど特に好きなのはこの辺。
いつも9時をすぎてからおきてくるゴシュジンが
今日は7時30分に起きてきたこれはすごくえらいことだと言える
だから朝食のメニューを決めるケンリをさしあげる
おこめかパン、えらびなさい
こんな風に朝ご飯の面倒見てもらえるゴシュジンが羨ましすぎるな。
また朝食の温め具合を聞かれて「ちょっぴり」と答えると、了承したあとにこんな雑学も聞かせてくれる。
イヌもあついものが苦手
ネコもイヌもヒトとくらしてきた
それでもねこじたにはネコの名前がついたねこは誇らしい
これはテレビでおぼえたこと
ねこはとてもかしこい
一般的な猫は”ネコ”、自分のことは”ねこ”とちゃんと区別して言えてるの偉くて賢くて可愛い!
そんなねこが作ってくれる朝ご飯は洋食か和食かで2つ選べるのも嬉しいところ。
どっちもすごく美味しそうなのがいい!
コーヒーの泡立ちやベーコンと鮭の端の焦げ、味噌汁の具の描き分けとか見るに、ちゃんと画力と観察力がある人が描いてるんだと思う。
ねこがデフォルメされてるので分かりづらいけど、でも背景の部屋のインテリアとか、その部屋に差す光の描き方も上手いよねえ。
また絵だけじゃなく、雀の囀りやホーッホホーと鳴くキジバト、通学通勤してる人達のざわめきといった複数の朝の音を混ぜてBGMにしてるのも好印象。
それによってねこがしゃべるファンタジー空間を生活感のある日常に出来ているはず。
以下、3つあるEDのうちの2EDについて書いてるのでネタバレ注意。
「後味のいいENDが一つしかない」とゲームのあらすじに書かれているけど、私は後味の悪いほうの2ED が好きです!
ネタバレ感想
まずは一番好きなED3、ゴシュジンが朝食を食べる暇なく出かけてしまう「ひとりぼっちのダイニング」ED。
ゴシュジンにあさはやくからよていがあること
ねこはきいてないねこはあさごはんをつくるけど
ゴシュジンは食べないということ?ねこは今日ひとりぼっちでごはんをたべるということ?
……そう
そして最後、ひとりぼっちで椅子に座るねこの後ろ姿を見るとちょっと本気で泣きそうになる。
……早おきしてくれて
うれしかったのに
この「してくれて」に、ゴシュジンが起きてきた時のねこのうきうきと、それが裏切られた時の落胆が詰まってる。
ねこにこんな顔させるなよ、ゴシュジン!と思うと同時に、ころころ変わる表情やしょぼんとした後ろ姿もまたたまらないです。
もう一方の後味悪いED2、温め具合を聞かれて「黒コゲ」と答えると、せっかくの朝食が炭になる「おふざけはほどほどに」ED。
ゴシュジンおのぞみのくろこげ
いっちょうあがり
この時の嫌がらせっぽいジト目が可愛いんだよね。
悪いのはふざけたゴシュジンなんだけど、その悪ノリに付き合ってあげるねこにも飼い猫らしい忠誠心があって微笑ましいです。