2023年5月にハマっていた8曲の感想文で、アーティストの五十音順にすると以下の通り。
・ゴールデンボンバー『今夜も眠れない(病的な意味で)』
・STEAKA feat.初音ミク『ツイッターランド』
・SixTONES『こっから』
・Snow Man『Gotcha!』
・SLAVE.V-V-R feat.結月ゆかり『貴様の喉に牙を向け、我が賛嘆を呉れてやる。』
・DURDN『WARUNORI -With ensemble』
・FictionJunction feat.カオリ,KEIKO,Yuriko kaida&Joelle『ことのほかやわらかい』
・未来古代楽団 feat.安次嶺希和子『止まり木の歌』
ゴールデンウィークということで気が大きくなり、AirPods pro (第2世代)を買っちゃいました。
今はsteam deckというsteamがプレイ出来るポータブルPCが欲しくて欲しくてたまらないです。
眠らせて眠らせて
今日の失敗を思い出さないで
ゴールデンボンバーというか鬼龍院翔が作る音楽らしい、超ハイテンションな現代的病みソング。
彼の歌うネガティブはギャグだけどリアリティがあって、あるあるかつ切実なんだよね。
「眠らせて眠らせて 今日の失敗を思い出さないで」とか分かりますよ、ええ……。
Bメロ「生きていてもいいの…?」で急に賛美歌になるところがヴィジュアル系っぽくて笑えるんだけど、「日が昇り人が動き出し 僕の目覚まし時計も仕事を始める」「やっぱり効かなかった眠り薬 先生だから言ったじゃない!」は全然笑い事じゃないのが何とも。
自分の脳の感じ方なんて心の持ちようで何とかなるものでもないのに、世間はいとも簡単にそれをしろというよね。
根本が外向的でないゆえに社会に適応しにくい人間に、ゴールデンボンバーの曲はよく効くなあと今曲を聞くたびに思います。
この呼吸を褒めて
世の中にはTwitterというSNSをここまで難解な言葉で的確に表現する人がいることに驚くものがあります。
アーティスト名がSTEAKA=捨て垢なことを見ると、この方の中でTwitterが特別なものであろうことも窺える。
良くも悪くもTwitterの出現は、多くの人間の人生を変えたよね。
個人的には「この呼吸を褒めて」というワードにTwitterユーザーとしてめちゃくちゃ共感するものがあります。
誰だってここで生きていることを、自分ではない誰かに褒められたいよね。
24時間365日、生きている間中、ずっと。
ちなみに「読み込んでね!」と言わんばかりに表示されるQRコードを読み込むと、グーグルドライブに繋がって、曲の音源や利用規約をDLすることが出来ます。
このMVにQRコードを載せる配布方法私は初めて見たし、オタク心をくすぐる面白い仕掛けだよね。
こっから、こっから始まんだ
King & Princeの髙橋海人とSixTONESの森本慎太郎がW主演を務めるドラマ『だが、情熱はある』の主題歌。
オードリーの若林と南海キャンディーズの山ちゃんの若かりし頃を描く一風変わったドラマで、今曲も夢を追う芸人達の焦りとひねくれ、それでも「こっから始まんだ」と強がりでも前を向く姿勢を押し出していて痺れます。
今曲の歌詞全てが私にとってのキラーワードと言っていいぐらい、好きなフレーズがたくさんある。
「夢と相思相愛になれるはずなんだ」とか「どうしようもないままが 自分なんだ こっから始まんだ」とか「俺も頑張ってるからお前も頑張ろうぜ!」と強く背中を叩いてもらえてる気分になる。
「1,2,3,4 順番通り 行ってないだけで予定通り」も良い!
私は順番通りに行かなかったらすぐ気に病む性格なので、今曲を生きる指針にしたいくらいだよ。
森本慎太郎の
「これだけじゃやれねぇってわかってる
でもこれしかねぇからこれにかかってる
間違ってる未来でも俺には光ってる」
っていうパートも、彼がドラマ内で南海キャンディーズの山ちゃんを演じてるからこそグッとくるものがあります。
芸人って本当にいつも不安と隣り合わせの職業なのに、それでも張る意地が超格好良い!
作詞家の韻の踏み方もマジで天才的ですごいんだよね。
出だしの「Hey, boy 平凡に Born in the ニッポン」から度肝を抜かれたし「一人になりたくても人だらけ さらけ出すにも一苦労なわけ」は若林と山ちゃんらしい心境。
CDもまだ発売されていないし概要欄にも記載が無いけど、作詞は佐伯youthKらしく。
彼の名前、ジャニーズオタクとアニソンオタクなら知っている人も多いし、さすがとしか言い様が無いです。
ガチャガチャガチャtonight!!
阿部ちゃんと康二が可愛いすぎるよ~~!
公式からは「レトロポップディスコファンク」と紹介されている阿部ちゃん&康二のユニット曲。
フルMVを観るには新作アルバム『i DO ME』の初回限定盤B、音源を手に入れるには通常版のアルバムを買わないといけないんだけど、そうするだけの価値はある曲で大満足です。
まあ私は初回A&B、通常版で3枚買ったからいいんだけどね?
改めて『i DO ME』の初週ミリオンおめでとうございます!
とにかく私は2人の声質が好みなので、今回のユニット曲は嬉しかったなあ。
阿部ちゃんの「君を離さない」は「語尾に♪でも付いてる?」ってぐらい可愛らしいく、そこに続く康二の「もう止まらない」がめちゃくちゃ甘くてアダルティで大好き。
ちょっとマイナー調かつ「Oh,get bounce」といった掛け声が多くてノリやすいのもいいし、2人が「ライブでファンが楽しんでくれるよう作った」って言ってるのも頷ける。
ファンをちゃんと彼女扱いしてくれて、楽しませようと頑張ってくれる2人が好きだよ。大好き!
許せ。
我が賛嘆はその喉を落とす先に在る。
SLAVE.V-V-Rは『んっあっあっ。』で有名なボカロPなんだけど、その息にこだわる感じは今曲のサビ前「噫。」にも存分に表れていると思う。
正直AメロBメロの歌詞は「何か文学的で格好良い~~~!」以上のことは何一つ言えないくらい理解出来てないけど、サビの哀愁を凝縮したようなメロディーが好きで好きでたまらない。
こういうエレジーな雰囲気が本当に私のツボ過ぎるんだよね……。
歌詞もサビでは「分からないけど分かる」レベルに調整してくれている感じが好きです。
結月ゆかりの名を「結う明光は牙だ。」というフレーズに落とし込んでるのも、単なる音声ソフトでしかないVOCALOIDへの愛情を感じさせてグッとくる。
「すごくいいぎたーそろ」は確かにすごくいいギターソロで、ちゃんと有言実行してるのも格好良い!
仕事終わりに好きなもん持って集合ね
毎日更新を待ち遠しにしているチャンネル、With ensembleがこれまた素晴らしい選曲と編曲を見せてくれて感激。
若干の不穏さを纏う出だしのバイオリンからして好きだなあ。
間奏で映されるピアノソロの速弾きもすごすぎるし!
空気を膜で包んだように響くボーカルの声とその歌い方も個性的。
サビで「とび交う言葉を躱して あせるな おちまで待ってろ」と子音を強く強調するところがこの曲の良いフックになってる。
かと思えば、その前の「Uh Uh Uh」は口笛を思わせる爽やかさだし、ころころと変わるテンションがそのままタイトル通りの”悪ノリ”みたい。
MVの撮影場所も(実際は違うだろうけど)ガラス全面の開放的なロビーが音楽大学っぽいんだよね。
今曲の神経質にも見える繊細さは、その音大生っぽさからもきていると思います。
社会の荒波や労働と切り離され、ただ芸術にこだわれる学生時代の環境もまた『WARUNORI』の世界観をよく表してる。
何気にラストサビで入るクラップ音もアクセントとして素晴らしいよね。
計8回、2小節分しか鳴らないんだけど、実際に人の肌が打たれる生々しさがある。
最後まで響くストリングスの音も「弦のスタッカートってこんな秒針みたいな音するんだ……」と意外な発見でした。
振り向かずに歩いて行って
美しい背中を見せて
梶浦由記が作詞作編曲するこういうノンタイアップのアルバム曲、好きなんですよね~。
弦楽器とエレキがギュインギュイン唸る風の中を、美しく重なる女性達の声が渡る。
彼女だけが作り出せるこの独特な空気また新たな新曲に感じる時、see-saw時代からずっと梶浦由記のファンをしていてよかったなと思います。
特に「声を上げて貴方が笑う 優しい世界を寿ぐ」のところが好き!
ふっと他の全ての音が静まった瞬間、張り上げられる人間の声がひどく美しくて。
「寿ぐ」という単語も良いんですよね。
THE ジャパニーズという感じの晴れ晴れとした単語が「駱駝に乗って旅立とう」と歌う異国の地できらめく。
たった一言の印象で和洋折衷にぐっと持ち込む、その力技めいた言葉の力に痺れるよ。
もう一度言えるかな ただいまの言葉
NHKでドラマ化された『超人間要塞ヒロシ戦記』という作品の挿入歌で、未来古代楽団がTVドラマの音楽を担当するというだけも割と驚きでした。
そして私が彼らを知ったスクエニのソシャゲ、『グリムノーツ』や『グリムエコーズ』で見せた彼ら独特のファンタジーの雰囲気から一切ブレていないことにも。
造語コーラスの奥で巫女鈴の音が鳴ると未来古代楽団の音という感じしますね。
サビで鳴るシンフォニックチャイムズやドラムマーチ、ばんばん鳴るシンバルは海の向こう、西洋の空気を感じさせるんだけど、そこに神道の巫女鈴の音合わさると、日本でもない西洋でもない、未来古代楽団だけが入っていける神聖な世界が見えて感動します。