好きな商業漫画にファンレターとして感想のお手紙を送ることが多いです。
私はファンレターを編集部宛、雑誌掲載権への投票用紙だと思っているので、まず編集部に届いた時点の第一印象を良くしたいんですね。
好意的でさえあれば中の文章なんて別に何だっていいと思ってますし、第一優先は届いた時と開封した時の見栄え。
という訳で、私が今まで使ってきた推しレターセット12セットをご紹介。
全部ネットの通販で買えます。
まず、この2つに出会わなければ、私はここまでレターセットにこだわりを持ってなかったと思います。
一つ目は東京カートグラフィック社のレターセットサンド!
基本的には地図を作っている会社が、地図グッズのブランドとして打ち出した「.carto」の一つ。
私をレターセット好きに突き落とした最高のレターセットです。
まず、五枚の封筒が全部別柄!
日本や南アメリカといった地図が封筒一枚一枚に全部違う地域で印刷されているし、それに呼応するシールも全部別柄かつ別色。
便箋の裏側も単なる白じゃなくてちゃんと地図の柄が印刷されているのも嬉しい。
風合いも砂漠をイメージしただけあって大人びているし、便箋のワンポイントマークも地球儀で洒落ている。
何より便箋の罫線が、地図の経線になってるの!
どこをとっても完璧だし、こんなレターセットに出会ってしまったら、ごく普通の白便箋と茶封筒なんかじゃ満足できなくなるのは当たり前。
封筒は全部別柄、シールも別柄、便箋の裏には柄が印刷されいて、罫線にすら凝ったデザインが施されている。
これに出会ってしまったから、私がレターセットに求める”普通”の基準値もこれなんです。
どう見たってハードルが高すぎる!でも下げられない!
あまりに感激しすぎて、東京カートグラフィック社にこのレターセットでお手紙を送り、お返しにミニメッセージカードを貰いました。やったね。
2つめは包むのクルールクレール、グリーンガーデン!
レターセット 植物 ナチュラル グリーンガーデン - TSUTSUMU ONLINE SHOP
このダイカット加工とエンボス加工な~~~!
ダイカット加工は紙を型抜きで打ち抜くことで、エンボス加工は紙の一部を浮き出させること。
その2つの技術が存分に使われいて、触ると分かるんです、このレターセットは特別だと。
打ち抜かれた便箋の縁はまるでレースの様だし、絵に合わせて一つ一つ浮き上がっている植物の緑も鮮やか。
ぱっと見、空白に見える便箋の角や封筒にも、エンボス加工で植物が描かれているんですよ!
そして罫線までもエンボス加工なのがね~~!
罫線が浮き出しの線だから、ちょっと下手な文字を書いても全体の雰囲気が上品でまとまる。
裏側にも、罫線と植物の跡がうっすらと刻まれているのがまた美しくて!
もし私が結婚式の招待状でも作るのなら、絶対にこのレターセットを選ぶ。
それぐらいに可憐で繊細で特別なんですよ!触れば分かるから!
紙質も文字が書きやすくてベストなものだし、これで便箋10枚、封筒4枚で税込み440円って嘘でしょ?どういう仕組み?
これと同系列のブルーミングガーデンという柄もまたお気に入り。
レターセット 花 ナチュラル ブルーミングガーデンN - TSUTSUMU ONLINE SHOP
大振りなアネモネと蒼い葉による、華やかだけど少し哀しげな雰囲気が使い勝手いいんですよね。
フレッシュさがあまりそぐわない作品にファンレターを出す時とかよく使ってました。
グリーンガーデン.verとはまたエンボス加工の柄が違って、こっちは小花の集合体。
そこもまた大人びていて良いんですよね~。
上記の2つを知ってしまった私は、このレベルのレターセットを求めて、文房具売り場やネットサイトを徘徊するようになりました。
紙ものの老舗である「包む」はやっぱり強くて、個人的にはグリタリングレモンと桜柄のやつが大好き!
レターセット レモン イエロー グリタリングレモン - TSUTSUMU ONLINE SHOP
このレターセットの何が良いかって、レモンイエローの封筒ですよ!!
他の郵便物を押しのけて、真っ先に目がいくこの鮮やかさ!
梶井基次郎『檸檬』という小説に
いったい私はあの檸檬が好きだ。
レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。その檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。
っていう名文があるけど、まさしくそのレモンエロウ色!
封筒や便箋の随所に、ワンポイントとして金箔押しが施されているのもたまらない。
レモンの香り漂う華やかな空気が煌めいてる。
そして桜柄は、花の縁取りから罫線に至るまで全部金の箔押し!
レターセット 桜 ピンク 花 - TSUTSUMU ONLINE SHOP
桜は季節も相まって、一番多く使われている柄だろうけど、これ以上のレターセットは中々ないです。マジでないよ。
上質な紙にこだわりました!みたいな和紙の便箋と封筒はよく見かけるけど、そういうのは大体罫線なしで使いにくいし、水性ボールペンのインクが乗りにくかったりするし、便箋と封筒別売りで揃えると1000円近くかかったりするし。
比較的手頃な価格で、こんなにも華やかな桜の便箋と封筒が手に入るなんてコスパ良すぎ!
お洒落な封筒を求めるなら、クレールのレターセットも良かったな~。
トレーシングペーパーの封筒に柄が印刷されていて、この透け感がすごい良いんです。
CLAIR LETTER SET - 有限会社エル・コミューン EL COMMUN
便箋も罫線ありで花のワンポイントが入っていて使いやすかった!
表と裏で紙の質感が違うのにもこだわりが感じられて良き良き。
で、ここまでが市販の文房具コーナーにも置いてあるやつなんだけど、個人制作のレターセットを漁り出すとこれがまあやばいんですよ。沼。
私が今ハマってるのは、今井有美さんというイラストレーターの方が個人でやっている「ポンチセ(ポンチセ STORES店)」というブランド。
ミモザのレターセットを探していた時にたまたま見つけて、即購入しました。
LS509 レターセット(A5)ミモザ | ポンチセ STORES店
裏面一面に印刷された水彩画が、ま~~~~良くって!
同タイプのラベンダーにも一目惚れして一緒に購入。
LS510 レターセット(A5)ラベンダー | ポンチセ STORES店
黄色と紫の組み合わせが個人的に大好きなので、便箋の1枚目はミモザ、2枚目はラベンダーと交互に使い分けていこうかなと思ってます。
ついでにシールもこのサイトで買っちゃいました。
市販のものだと、こうも大胆に一枚絵を使ったレターセットって中々無いので、そこが個人制作レターセットのいいところだなと思います。
あと、ゲーム好きのキャラが出てくる作品宛には、クラブニンテンドーポイント交換品のおいでよどうぶつの森 レターセットを使ったことがあります。
非売品とはあるけど、普通にメルカリで500円で出品されていたのを購入。
あつまれ どうぶつの森 が爆発的大ヒットを記録したので、特にゲーマーという人でなくても、ゲームのグッズだって認識してもらえるかなと思って。
ゲーム中の便箋をそのまま商品化してるの、最っっっ高のセンスだと思います。
レターセットの名前に一目惚れして買ったのが、九ポ堂『飛行船ホテルレターパッド』+『飛行船郵便封筒』
文房具売場で見かけた瞬間、「こんなのクラフト・エヴィング商會好きに刺さらない訳ないだろ!」と叫んでレジに持っていきました。
クラフト・エヴィング商會を知っている人には、一発で伝わる架空世界文房具ですよ。
(知らない人は今すぐ『クラウド・コレクター―雲をつかむような話』と『注文の多い注文書』と『どこかにいってしまったものたち』と『ないもの、あります』と『らくだこぶ書房21世紀古書目録』を読んでください)
もう「いいよね……」「いい……」で通じてほしい。すごくいい。
こういう夢から持ち帰ってきたようなアイテムで、ここではないどこかの社会に参加するのが好きなんです。皆も、私も。
ホラー小説や陰鬱一辺倒な作品に送る用に買ったのが『黒い原稿用紙』
これも九ポ堂のレターセットを見付けた文房具売場で一緒に売ってて、速攻レジに走りました。
普通の原稿用紙が真っ黒ってだけで100点なのに、シルバーブルーの罫線で上品に仕上げてきたからもう100億点!
原稿用紙独特のカサカサした手触りも面白いし、なにより30枚入なのが超助かる!
いくらでも書き損じていいっていうのが、手紙を書くハードルをぐっと低くしてくれる。
それに1枚400字っていう文字数が決まってるのも、枚数の予測が立てやすくていい。
私の普段書く分量が大体1200〜1500字なので、一通につき約3枚程度。
これが書く部分の少ない便箋だと5枚ぐらいになるので、省スペースという点からもいいかも。
マス目を無視すれば+50字ぐらいは余裕だし。
小学校で使ってた原稿用紙って、やたら大きくて扱いにくいサイズのイメージがあるけど、こちらはB5なので合う封筒も探しやすいのが嬉しい。
ちなみに書くペンは、後述するユニボールシグノ太字の白がおすすめです。
唯一無二の特別な仕上がりになるから……なんだけど、「なんかちょっとお洒落すぎない!?そんな大層な事書いてないよ!??」という葛藤を乗り越える必要はあります。
まあレターセットなんてイキってなんぼの世界だから!大丈夫!
ちょっと毛色が違うけど「竹画廊レターブック」というものも、便箋一枚に収まりそうな時にはよく使ってます。
竹というイラストレーターの方が、星海社のweb上で定期的に掲載しているイラストをまとめたペーパーブックなんですけど、もう唯一無二の圧巻の凄まじい出来なんですよ。
とにかくこちらのジュンク堂書店が作成した動画を見て欲しい。
「竹画廊レターブック」(星海社)がすごい!全ページ違うイラスト、違うデザイン。紙も4種類あって、それぞれ違う雰囲気に刷り上がっててとにかく素敵!
— ジュンク堂書店池袋本店 コミックフロア (@junkuik_comic) 2018年10月29日
……、うん、2冊、買おうぜ!(む pic.twitter.com/fjGCR4qj2A
全ページフルデザイン×リバーシブル印刷で、4種類の手触りが違う紙を使ってて、定価2500円って採算取れる!?大丈夫!??と心配になる程。
ページの一部を切り取ってこの便箋を使うときは、とにかくイラスト部分を見せたいので、トレーシングペーパーの封筒を使う事が多いかな。
ファンレターを送る上で一番嬉しい事は、その掲載誌でまた先生の新作が読めることです。
読者からの手紙というのは、必ず編集部が先に開封して、中身を確認してから先生にお渡しするものなので、その第一印象を良くするための推しファンレター探しは、これからも続けていきたいところです。
おすすめペン
大体はSARASAビンテージの5本セットでほぼ書いています。
植物柄のレターセットをよく使うので、特に深緑と濃紺、焦げ茶色のインクが使い勝手良いんですよね。
黒ほど重くならず、また相手にも失礼にはならない程度の色が出るので、かなり気に入ってます。
黒紙の便箋を使用する場合だったら、断トツでユニボールシグノ 太字の白・金・銀3本セットがおすすめ。
逆にこれ以外選択肢ある!??ってぐらい圧倒的に色が乗る。
その代わりインクの減りはかなり早いし、一度使ったあとしばらく経つと中のインクが乾くか詰まるかして、全く使えなくなることが多々ありました。
というか毎回そう。
なので、私はほぼ使い捨てぐらいの気持ちで買ってます。150円だしね。
そんなコスパの悪さを補って余りあるぐらい、魅力的な白ペンなので。
収納について
出せっ……!そのOPP袋…からっ……!!
レターセットを開けて数枚使って、その透明のOPP袋に入れたまま保管するのはやめた方がいいです。
剥がした後のテープが他の袋にくっついてくしゃっとなったりする可能性が高いし、次取り出す際に中の便箋まで汚したりするので。
あとOPP袋に入れたままだと、そのまま使わず死蔵する確率が跳ね上がるし。
なので私は買ったらすぐ開封して、便箋と封筒の2つのボックスに分けて他のレターセットとひとまとめにしてます。
そっちの方が他のレタセと比較出来るし、消費スピードも若干早くなるような?
OPP袋に入れたまま丁寧に管理・保存出来るのは、もはや才能の領域なので、凡人はもったいないとか思っていないで、さっさと袋から出して整理整頓するのをおすすめします。