自分でもすごく混乱しながら、先日(2022年1月28日)リリースされたアプリ『BAROQUE ~ふと目を覚ますと異形になっていた~』をやっています。
異形となり神経塔へ行け……
未曾有の災害「大熱波」により世界は崩壊した。
この歪んだ世界で、人は人としての形を保てなくなっていた。気が付くと異形“グルー”になっていたあなたは
歪み、変化し続ける「神経塔」をあてもなく彷徨うのであった。
『BAROQUE』っていうのは株式会社STINGが1998年にセガサターンで発売したローグライクゲーム。
その特異で歪んだ世界観からPS2やwii、switchにまで移植されるほど根強い人気を誇る作品で、私もそのファンの一人ではあるんだけど……。
今作のリリースは完全に初耳。
BAROQUEの番外編ミニゲームが出るなんて、これまで一言も言ってないよね?
公式Twitterを見ても『ナイツ・イン・ザ・ナイトメア』リメイクするよ、頑張ってるよー、お正月絵はユグドラとミラノだよー、今年もよろしくーみたいな事しか書いてない。
なぜ今、なぜゼロ告知リリース!?そんなにswitch版が売れたんだろうか。
ゲーム内容としては、本編の超雑魚敵グルーとなり、神経塔というダンジョンを進んでいく道路渡り系、いわゆるクロッシーロード系ゲームなんですけど。
本当に一切、何の説明もありません。
グルーっていうのが何なのか、なんであんなに気持ち悪い緑の片車輪みたいなやつから吐き出されるのか、そういう物語の背景以前に、操作の説明すらないです。
タップすると前に進む、左右にフリックするとその方向へ行くぐらいならまだしも、タップ長押しで4列前に飛ぶ大ジャンプになるぐらいは説明して欲しい。
私が大ジャンプ&中ジャンプ(中途半端な長押しで2列先へ飛べる)&後ろにフリックすれば一歩戻れることに気付いたの、50回ぐらい死んだ後だったんですが……。
けれど大ジャンプを知ってさえいれば、記録はぐっと伸びるしぐっと面白くなってハマります。
大きく飛んだ後、いかに普通のジャンプと組み合わせて距離を稼いでいくか。
絶え間ない判断を重ね、意識的に無意識になっていく気持ちよさは、クロッシーロードゲームとしてちゃんとしていました。
……いや、ちゃんとしたゲームは操作説明ぐらい最初にするから!
こんなに何一つ説明せずに突き放すゲームはBAROQUEぐらいのものだから!
私は『バロックワールドガイダンス』なる解説読本を持っているから、異形の名前がグルーだの何だの知っているけど、あの本やBAROQUEレポートを読んでない人は、例えプレイヤーですら異形の名前なんて一つも言えないはず。
はっきり言って、こんなものはファンの信者力に頼り切ってる単なるミニゲームですよ。
公式の出したゲーム内容に一切文句を言わず賛美するようなファンがいるから、こういう説明を放棄した内輪向けのミニゲームが出るんだよ。
今作をプレイしてBAROQUEの世界観に興味を持つ人が新たに出るなんて、思っていること自体が狂気。
でも擁護してしまうよ、ファンだからさあ……!
神経塔とクロッシーロード
ゲーム開始当初は「なぜ道路渡り系!?」って思ったんですが、理由は説明文にちゃんと書いてありますね。
気が付くと異形“グルー”になっていたあなたは
歪み、変化し続ける「神経塔」をあてもなく彷徨うのであった。
この「神経塔」をあてもなく彷徨うのであったという一文が、今作がBAROQUEの外伝であり、クロッシーロードという形式を取った理由なんですよね。
本編の主人公は、自分が神経塔のどこに向かえばいいのかをちゃんと知っていました。
創造維持神が幽閉されている場、神へ経る塔の最下層まで降りていけばいいのだと。
でも今作の主人公、グルーには地下を目指す理由もなければ手段もありません。
異形のまま最下層に辿り着いたとしても、天使銃がなければどうにもならない。
だからただひたすら神経塔の奥へ奥へと、果てのない一本道を死にながら彷徨っていく。
今作がクロッシーロード系というシステムを採ったのは必然なのかもしれません。
それはそれとしてキモいグルー
アプリゲームの中でも最底辺を争うほど回したくないコトーガチャから吐き出されるグルーも、当然ながらキモい。
バロック本編にはなかった、原色に近くケバいカラフルさがあるのがきつい。
百歩譲ってまだカエルやら猫やらの動物コスチュームがキモいのはなんとか許せるけど
流石にマルクト教団服柄水着はおかしいだろ!
この水着グルーが轢死して潰れた乳房のようになった瞬間、久々に心の奥底から「キッッッッッショ」っていう声が出ました。
不快過ぎてスクショすら載せたくない。
あんなものを見せられて「素敵!このゲームの本編やってみたい!」なんて思う訳がないでしょ……。
でも結局皆に会えて嬉しい
本編のキャラ達の巨像をすり抜けていく時は、いつでも嬉しかったです。
あ、箱の男さんだ。ちーっす。
でも私はやっぱり、呪葬天使に会いたい……!
ダンジョン内で唯一の味方になってくれるキャラだし、ワールドガイダンスでの解説コメント&心読みのおばあちゃんのセリフを見てから大好きになりました。
【呪葬天使】
異形たちと異なるのはマルクト教団の一員としての記憶と理性を残したままでいること。
かつて人間の姿だったころに受けた、主人公に対して協力せよという命令を今でもほとんど無意識的ではあるが実行し続けている。
鍛冶屋だったという過去には、主人公に装備を提供したりするという形での協力を行っていたに違いない。
心読みの者
「呪葬天使が、ぬしの腰の傷をいやせなくて くやんでおった。
そうとうな傷のようだな、そいつは。」
主人公にとって腰の傷っていうのは、結合双生児であった兄を切り捨てて自分が生き残った罪の象徴でもあり、創造維持神と融合するに至った全ての元凶でもある。
そんな大きなものを呪葬天使は癒そうとしてくれて、出来なかったことを悔やむくらいには主人公の事を心配していて。
呪いを葬る天使、その名前に相応しいキャラクターだと思います。
今後のアップデートで呪葬天使グルーが実装されたら、630円までなら課金するから(現実的)どうか彼と一緒に神経塔を彷徨わせてください。