iOSにて『ふしぎの森でコーヒーを』という放置系ADVをプレイしました。

ストーリーとエンディングがあるタイプの放置ゲーで、クリアまでのプレイ時間は2時間。
ストーリーとしては、人生にちょっとお疲れ気味でコーヒー好きのOL:サチが不思議な森に迷い込み、現実世界に帰るためにコーヒーの実と豆を貯めまくるというもの。

背後にある土のスポットに生豆を植えてコーヒーの木を育て、赤い実を収穫していくのが主な集め方。
ただこの作業には体力がいるため、収穫した豆を焚き火の上で焙煎し、ミルで挽いてコーヒーにして飲むことによって適宜体力回復をしていく。
正直、それだけのゲームなのでエキサイティングなゲーム体験とまでは言えないんだけど、でも2時間ぶっ通しでプレイし、クリアまで辿り着ける魅力が今作にはありました。
コーヒーを淹れる、ということに真面目なところが今作の一番の魅力かな。
例えば実の収穫までのステップを発芽→成長→開花→結実→成熟の5段階、9枚のアニメーションで丁寧に描いている。

そういえばコーヒーの花って白いんだったなあ、緑の実が熟成して赤になるんだなあという知識としては知っていたことが、目の前で実際にアニメとして動いているのを見ると嬉しくなります。
知識の繋がりによる快感みたいなものが感じられて。
木の生育同様、コーヒーの焙煎→抽出→飲むまでのアニメも細かくて素敵。

この温かみのある色合いと、パステル画みたいなタッチがいいね。
またBGMも焚き火の音とコオロギの鳴き声、たまにフクロウの声も入ってくるという、風情たっぷりな夜の森の音で癒やされます。
静かで豊かで、ずっとこの空気の中に浸っていたいと思わせてくれる音。
ちなみにメインストーリーを進める中で、へんてこなキャラの手助けをするサブストーリーもあり、個人的にはグルメねこの「最高のフィッシュバーガー」を作るために奔走するお話がお気に入り。

「この光をすくえばいいのね。」
川面に映った星をすくうらしい。「魚もレタスもタルタルソースも、すでに良いものが手に入ったにゃ。
あとは星屑のパン粉だけにゃ。」サチは蛍のように光る玉を、目の細かな網ですくっていく。
パン粉をつかまえることが人生の中であるなんて、思わなかった。
こういう童話みたいなクッキング・ストーリーが大好き。
以下、メインストーリーの結末に触れているので、ネタバレ注意で。
ネタバレ感想
課された分のコーヒーの実を納品した後、サチは現実に戻り自室にて目覚める。

アパートの自室で目が覚める。
また夜更かしをして、眠ってしまったのかもしれない。
コタツの上には、かわいらしい小物たちが無造作に置かれている。
これは仕事でちょっとしたハロウィンの催しがあったとき、最後に廃棄されそうだったのを、密かに気に入っていたサチがお願いして貰ってきたものだった。(そういえば、これをどこに飾ろうか考えていたんだっけ。)
いつも通り公園に行こうと思っていたけれど、なんだか今日はこの部屋の住人たちを愛でながら、家でゆっくりコーヒーを飲みたい気分だ。
ええ話や……。
ふしぎの森で出会った魔女や花トロル、グルメねこはみんな主人公の部屋に置いてある置物で、きっと彼女を癒そうとして不思議な夢を見せてくれたんですよね。
その置物同士の結託とささやかな恩返しに胸があたたかくなります。
外で飲むコーヒーもまた格別だけど、今はただゆっくりと、家で過ごしなね。
