個人的お気に入り度 3.7 / 5
アニソンを聞くのだから、少しぐらいは本編も把握しておいたほうが良かろうとWikiのコンレボページを眺めたのだが、さっぱり分からん。
主人公は、超人(ヒーロー)達が跋扈する戦後20年の世界(1960年代?)で、超人達の管理をする「超人課」所属。
……それ以降がさっぱり分からない。何か過去に事件が起こって、それを解明していくストーリーなのだろうか。
設定が練りに練られている作品だというのは分かった、がコンセプトは何なんだ、時系列並列SFものなの?
アニソン界ではかなり有名なZAQの曲を聞くのもこれが初めて。
彼女一人で歌唱・作詞・作曲・編曲を行っている。
……えっ、すごいな!?
今曲で特に気に入っているのは編曲なのだが、これも彼女一人でやったのか…。天は二物、三物与え過ぎでは。
1.割レル慟哭
揺れる視界薙ぎ払い 愛すべき“正義”を探して 語られない明日のために生きた
電子音たっぷりのガキガキとしたエレクトリック・ロック。
本当、無条件に格好いい。
特筆すべきは、AメロからBメロへ移行するときの開放感。
空間がぱあーーーっと広がっていくような声の伸びが素晴らしい。素晴らしすぎる。
サビ前のフリで、めちゃくちゃに遊んでいるアレンジが「Change the world!!」で一つにまとまるところも熱いな。
クールなデジタル音で、ここまで熱量を放つサウンドを作れること自体が凄い。
作編曲でもこれだけ素晴らしいのに、歌詞も私のツボを突いてくるフレーズてんこもり。
一番はやっぱり「君が許さなかった世界はこんなにも綺麗だ」かな。
あの期待を感じさせる銃声のイントロに流れ込んできたこのワンフレーズに、もうやられた!!って思ったもの。
他には「消える時代が痛すぎて 抗えなくて抗った」あたりがコンレボという作品のポイントなのかな〜とも感じたり。
2.星空を歩く音
星空ほど遠くて わたしにしか聴こえない 煌めく心の歌
全体的には明るく爽やかな雰囲気の楽曲。
が、出だしに「わたしのいる世界は雑音だらけだ 鳴り止まない暴力の 中心にいる」というフレーズを持ってくるセンスに痺れた。
歌詞は自叙伝風というか、自身の歌うことについてのスタンスを表した内容。
「上手に泣けなくて」「伝えようにも言葉が出なくて だから歌った」みたいな。
個人的にはあまりツボではないメロディーながらも、ラストの「ほら 自由になれ」の絶唱には視界が滲んだ。
あれはズルいでしょ、あの歌声はそりゃ泣けるって。
泣けた=好きという訳でもないのだけど、それでも心を動かされたのは事実で、その才能の方にグッときた。
3.Page
あなたの傷を癒やすような出会いがあって あなたの優しさで癒せる世界がある
びっくりするぐらい、クオリティの高いR&B調のJ-pop。
この曲だけ聞いたら、ランティス所属だというのが信じられない。
エイベックス所属だと言われても普通に納得するレベルでJ-POP。
ウィスパーボイスで英語パートを入れたりするとこなんか、すごくそれっぽいぞ。
ゆったりしている、優しいリズムがたまらん。
歌詞もゆるふわほわほわとした前向きなもので、私は結構好きだな。
基本的に過去を肯定してくれる内容は嫌いになれない節がある。
私にとって、これがZAQの初めて聞くシングルで良かった、というのが率直な感想。
彼女の、アニソンにも一般曲にも通用する才能をいかんなく発揮している3曲だった。
特に編曲と作詞が気に入ったので、たぶんこれからアーティスト追いをすることになるかな。
奇しくもちょうど2016年7月13日に2ndアルバムが発売されるようなので、楽しみに待っている。