先日、Kindleの大型本セールで『戦刻ナイトブラッド 光盟 公式ビジュアルファンブック』が半額の2640円になっていたのを見かけたので軽い気持ちで購入。
戦刻ナイトブラッドこと戦ブラは、2017年から2019年までの2年間、オトメイト×KADOKAWA×マーベラスの3社共同開発として配信していたアプリゲーム。
私は『幕末Rock』の流れから入って、多少ゲームも触っていたぐらい。
なのであまり本編のストーリーやキャラクターは熱心に追ってなかったタイプのファンなんですね。
なので「戦ブラ、結構前にサ終したよな~。でも起用していたイラストレーターって、薄葉カゲロー、花邑まい、四季咲組、miko、黒裄、悌太とかめちゃめちゃ豪華だったよな。この6人の絵がまとめて見れるなら安い買い物か」と買ったら。
ボリュームがマジで半端なかった!!
という訳で、以下ネタバレ画像&感想注意。
まずChapter1のキャラクター紹介が見開き2P×33人
(顔差分4点+立ち絵4点+ちびキャラ2体+覚醒絵4枚=14点)×33人=524点
Chapter2のゲーム本編スチル絵が82枚
Chapter3&4&5のガチャ&イベントイラストが319点
Chapter6のカードギャラリーが768点
300P超えの超特大ボリュームで出てきててびっくり!
自分でもちゃんと数えたんですが、この1冊の中に1693点ものイラストが収録されています。
正直、既存絵使い回しのやる気なさそうな表紙から、これだけの熱と物量がぶつけられるとは思っていなかった。
特にChapter1の右端に記載されている33人分のスペシャルインタビューのクオリティが圧巻。
ゲームがサ終した今、アニメやコミカライズでメインを張らなかったキャラ達の事が分かるのは、このコーナーにある文章だけなんだよね。
それが33人分きっちりと、制作陣からの愛に溢れた文章で語られている。
全総力を注ぎ込んで、この本を送り出したことが伝わってきます。
いやはや、すごいよ!めちゃめちゃすごかった!
ビジュアルファンブックを読んだ時点での推しは上杉軍の人狼、甘粕景持。
けもみみと長髪とCV.緑川光による色気がすごいし、単純に顔がすごくタイプ。
というのに加えて、この肩掛け!
肩掛けジャケットのシルエットが!
私を狂わせるんだよ!!!!!
声もいい、顔もいい、でもそれ以上に彼の肩で翻るジャケットがいい。
もう本当に私のツボ、この世にここまで美しいシルエットの布があるか?
で、画集を読みきった後に、テルジヨシザワ×松根マサト監督×KIZAWA studioという制作陣で作られたゲームOPを久しぶりに見返しました。
いつ見ても完璧な映像と音楽なんですが、今回はそれ以上に
あ~~~!どれが誰なのか、ちゃんと分かる!!となった。
画集に目を通したことで、映像への解釈とその解像度がぐっと上がって、改めてこのOPの格好良さに惚れ直しました。
何も知らない状態でも大好きだったOPが、まだこんなにも深く好きになれる事が嬉しい。
Kindleでコミカライズ漫画全3巻も購入。
豊臣軍派として話が進み、恋の相手も豊臣秀吉なんだけど、
ま~~~~絵が上手い!特に見開き!!
正統派少女漫画としてこれ以上ないだろってくらいの上手さだし、それ以上によくこの人数をあんな面倒くさい衣装で描いてもらえたな……という感謝の気持ちがすごい。
2巻の後書きで「気付いたら朝!」と書かれていたけど、こんなに作画カロリーを必要とする漫画を月1で1年半も連載していたとか狂気の沙汰に近いよ。
ストーリー自体は後述するアニメ版に添いつつ、細かなところではちょいちょい違ったり。
私はこっちのコミカライズ版のほうが、アニメ版よりよほど主人公がしっかりしていて好きです。
アニメ本編はAmazon Primeのdアニメチャンネルで全12話完走。
見終わった印象としては、このアニメはまともな感性をした人と、そうではない人が一緒に作っていて、その比率が各話で変わるという感じです。
まともな場面はごく普通にまともなんだけど、おかしい場面はかなりおかしい。
そして1話と最終話の一番大事なところではことごとく外すという、なかなかすごいアニメでした。
視聴中は何だか全てが面白くて、大笑いしながら楽しませてもらっていたんですが、人に薦めるかと言われたら薦めないし、もし薦めるとしたら私と似たりよったりの感性をした女オタクのみです。
以下は全12話各話感想。
まず各話のタイトルが本編には一切出てこず、配信サイトの表記で知るしかないのが第一のお笑いポイントです。
第1話:神牙スプレマシー
まず第1話アバン開始15秒間を、秀吉と信長の瞳カット7往復で乗り切ろうとするところがすごい。
15秒の間に14回同じ瞳カットが映るのに笑わないでいられる方がおかしいでしょ!
これを見た誰しもが「このアニメって時間か人手どちらかが、あるいはどちらもが圧倒的に足りてないのでは……」と不安を覚える始まり。
話の前半で織田軍の柴田勝家が戦を切り上げる時も、声は「お前ら、全員撤退だー!」とごく普通に叫ぶ。
そしたら兵士達がものすごく普通に歩いて帰っていってさあ……!
この後2次会でも行くんですか?というぐらい普通に帰っていくし、豊臣軍もそれを棒立ちで見送ってるシュールな時間は、並大抵のアニメで見れることではないと思います。
冒頭からかまされる謎場面達に笑い転げた後「私、このアニメ全話見れるわ……」と確信しました。
背景とキャラの縮尺すら微妙に合ってないのにも笑える。
何か皆ちっちゃくない!??
元々ある遠景の背景に、後からキャラを合わせた感じがひしひしとする。
豊臣軍会議の机なんてここにいる6人全員が横並びに寝てもまだ余裕あるぐらいには広いし、次のカットではいい感じに縮んでるし!
あと現在進行系のキャラ同士の会話なのに、片方にだけ過去編みたいな彩度の低いフィルターかけるのもやめた方がいいと思う。
死んだ幽霊と会話してるみたいじゃん……!?
ただ演出がこんなに変なのは、この1話だけなんですよね。
第2話ではかなりまともなアニメ演出になっているし、第3話からはこっちの感覚が麻痺してくるから気にならない。
冒頭の戦闘シーンでは誰か分からないけど、めちゃくちゃ頑張ってくれたアニメーターが1人いるのも分かるんですよ。
ここだけクオリティが段違いなんだけど、その短さから、たぶん誰か1人で担当してくれているんだろうなと思う。
でもやっぱりこの第1話は難があるし、一番問題なのは出てくる登場人物達が多すぎる上、その名前が9割分からないこと。
軽くゲームを触って画集も漫画も読んだ私ですら全然分からなかったのに、初見の人達が分かるはずがない。
登場したキャラの名前を下に表示していれば、そこまで問題ではなかったはずなんだけど、でもそれがない。
この第1話だけない。
これが第2話のカットで、3話以降もちゃんと下に名前は出るんだけど、どう考えてもその名前字幕は第1話には必ず入れるべきだって分かるよね!?
最終話にも言える事なんですが、このアニメは第1話と最終話、一番大事な回で一番重要なところをことごとく外してくるのがすごいなと思います。
逆に外してないわと思うぐらい的確に。
2話:豊臣アタック
アニメ『戦刻ナイトブラッド』における、最初の神回。
まず最初に映る豊臣軍城下町の風景が、今作内でも一番、断トツですごい。
こんな長屋だけ密集した町があるか!??
見渡す限り、長屋長屋長屋長屋。
地の果てまで長屋が続いていて、ホラーの領域に片足突っ込んでる。
縦と横、2種類のスタンプを押しまくって作られた町の異常さが尋常じゃない、
真ん中の長屋とか一体どこからどうやって入るの?
でも次に映る城下町は至ってまともなんですよね。
城下町が異常とまともを反復横飛びしているのに対し、人物の顔面作画はべらぼうに良い。
特に前田利家への恩恵がすごい事になってる。
原画に花邑まい入った?
というぐらいこのカット、頬の輪郭と口の形が彼女の絵に激似。
その後もひたすら顔のいいカットが続き、もし私が前田利家推しだったらときめきすぎて死んでるレベル。
わ!!!!顔が良い!!!!!
ぎゃーーーーーー!!!可愛い!!!可愛すぎる!!!
とても8分前に異常長屋密集町が映っていたとは思えない作画の良さ。
第1話より演出もかなりまともになっているし、一般的な女性向けアニメの平均点は超えていた回でした。
あと「元いた世界が恋しい?」と秀吉に聞かれて、真正面から「はい」と答えた主人公も良かったよ。
後述する総括では「ラグビーボールみたいな主人公」と言うんだけど、この回の彼女だけは例外。
はっきり「帰りたい」と言い切った事にぐっときたし、こういう時に意思の強い釘宮理恵ボイスって映えるんですよね。
3話:武田バンケット
武田軍メイン回。
割と低いところで安定していたので、特筆すべきところがあんまりない。
主人公が蜂の巣を踏んで襲われた時「なんだこの間抜けな時間」と脱力していたんですが、その後、武田信玄の薬にはちみつを混ぜて苦味を抑えるという流れになっていて少し感動。
伏線回収のような形で話が綺麗に収束するの、何だか初めてのような気がして……。
4話:真田ファミリア
真田軍回は全体的に作画が良い方向に戻ってて、ひたすら目が幸せだった。
けもみみ男子の笑顔、超可愛い~~~~!!
可愛くてアイドルっぽい感じのけもみみと笑みが超どツボ。最高。
ただ1話からずっと思っていたけど、このアニメの撮影ってやたら人物に影を付けたがるような気がする。
今までの大半のカットでキャラの顔半分に影がかかってるし、かかってない所を探すほうが難しい。
私はこの傾向、画面がリッチに見えるから大好きなんだけど、真昼の畑のど真ん中でその暗さは不自然だって!
良い方に解釈すれば、例え真昼でもタイトルの「ナイトブラッド」を打ち出そうとしているのかもしれません(多分違う)
でも顔はみんな良い!特に大将の真田幸村!
ギャーーーーーー!!!可愛い~~~~~!!
表情の雰囲気から、たぶん2話の前田利家描いた人と同じ人が描いてると思うんだけど、こういうときめき顔が本当に好き。可愛い!
目と目の間の距離に、どことなく黒裄の絵の再現が感じられるのも更に良し!
急にVRになった場面は笑っちゃったけど、でも良い回でした。
何気に豊臣軍竹中半兵衛への恩恵もデカい。
流し目とかジト目とか、目のバリエーションが豊富なのが可愛い。
特に顔アップとかじゃないのに、めちゃめちゃ美人さんなのが伝わってくるし。
5話:暴走フィーリング
アニメ『戦刻ナイトブラッド』における第2の神回。
まずOP完成おめでとうございます!
1人だけ薄葉カゲロー作画だ!ずる!
でもそのリップシンクはださいと思う!
口パクで歌をなぞらせるの、格好良いか間抜けかの両極端になりがちだと思うんだけど、センスある方はOP出だしのサビだけにしてない?
『ギルティクラウン』とか『BLEACH』OP(Aqua Timez / ALONES )とか。
逆にその範囲を超えて、Aメロ丸々歌い切ると間抜け寄りの気がする。
『ワールドトリガー』OP(AAA / アシタノヒカリ )とかね。
このOP兼アニメ監督である菊池カツヤ監督のセンスはかなり好きなんだけど、次話のED映像含め、どうしてそんなにリップシンクをやりたがるのかは謎……でもセンスはすごく好きです。
閑話休題。
織田軍vs豊臣軍の合戦回とだけあり、気合がすんごい入っていて、入りすぎて作画まで変わってる!
ジャンル:少年漫画になっている場面もあり、女性向けアニメらしいときめくシーンもあり、神回と呼ぶに相応しい出来だったと思います。
個人的には、ここの竹中半兵衛のシーンがすごく良かった。
本当は君を連れて、どこか遠くへ行きたかった。
秀吉様も、戦も、何も関係ないところへ……
あれだけ豊臣軍の皆が好きで、黒田官兵衛と共に参謀として力を尽くしていても、彼の本心はこれなんだなあと思うとすごく萌える。
全てを投げ出して逃げる選択肢だってあっただろうに、でもそうはしなかった。
「投げ出さない」ということを選んで、ここにいる彼のことを、私は格好いいなと思います。
戦闘シーンの作画もすごい良かった!
動きが良いのに加えて、顔もいい!
でも今回、一番良かったのは音楽!
秀吉と信長の因縁シーンで流れるBGM、織田軍「クロソマレ」(アレンジ.ver)がめちゃめちゃ良くて、Moraで単曲購入したぐらいには気に入っている。
制作陣もそう感じていたのか、次の回にある豊臣軍の重要な会議シーンでもこの曲が流れます。
豊臣軍の感動的な場面なのに敵軍のテーマを流していいのか?
6話:上杉ディスコード
上杉軍回。
ストーリーとしてはごく平凡だけど、撮影の仕方がとても綺麗で印象的だった。
なんか急にアニメ版『薄桜鬼』みたいな雰囲気に!
この光の処理で、鳥海浩輔の声が流れていたら、もうそれは『薄桜鬼』なんよ……!
ただ絵柄としては、四季咲組もといカズキヨネというより、アニメ版のキャラデザ担当:中嶋敦子の絵に近い気がする。
アクセント強めに入ってる瞳のハイライトと、バシバシ睫毛(褒めてる)がそう感じさせるのかも知れません。
また軍服けもみみ大正ロマンアレンジという、的確に女オタクのツボを抑えてくるED映像もすっっごく良かった。
そんなにリップシンクが好きか、この監督!?と思わなくもないんですが、でも本当にみんな可愛くて可愛くてたまらない。
本当に可愛いんです、ありがとうございます、菊池カツヤ監督……。
7話:伊達ダブルフェイス
伊達軍回。
作画は悪くなかったけど、内容は全然面白くなかった。
でも伊達成実のカットはかなり良かったよ!
限りなく悌太の絵に近い瞳をしていると思う。
もしかしてこのアニメは、5人のイラストレーターの絵柄を描き分けてアニメ化するという、すごいことに挑戦している作品なのかもしれません……。
8話:織田プランダー
織田軍回。
ここにきて女性向けアニメらしい、良い感じのギャグ回が来てびっくり。
どの軍より仲良しだし、どの武将より織田信長がユーモアあるし!
「トマトときゅうりのさっぱり茶漬けです」と言われて出された食べ物に
「うん…美味い。トマトの酸味が意外と茶に合うな。野菜が気軽に取れるのが良い」と評価してくれるなんて、めちゃめちゃいい上司では!?
『ヒルナンデス!』にでも出たいんか?というぐらい的確なグルメコメントしてくれるし、昼夜の食事や料理の作画にも力入ってる。
織田軍にいれば、毎日掃除や馬の世話をして働いて、美味しいご飯を食べて、健康的に暮らしていけるんだと思うと、もう主人公はこのままここにいた方がいいよ。
9話:厄魔コリドー
作画は省エネだし、ストーリーも面白くはない回。
でも主人公への精神的ケアが手厚くて良かった。
誤解されがちな主君とそれをフォローする家臣のバランスが好き。
やっぱり主人公、織田軍にこのままいた方がいいと思うよ。
あと4話あたりで顕著だった影の付け方の癖が、この辺ではほとんど消えているのが惜しい。
私は結構、あの影によって上乗せされる画面のリッチさが好きだったので。
10話:確執ターミナス
織田軍と豊臣軍の手打ち回。
まず最初に秀吉と主人公がすれ違うシーンの秀吉のガン無視っぷりに笑うんだよね。
「そろそろ俺の嫁を返してもらおうと思ってね」と言って来たんだから、主人公の前をアイコンタクト一つせずに、残像までつけて素通りするなって!
そこで戸惑っている主人公に「行きましょう、結月さん。今、庭の花がとても綺麗に咲いているんですよ。さぁ」って気を逸らそうとしてくれる蘭丸くん、めちゃめちゃいい子だと思う。
(完全に織田軍派になっている)
面白背景も完全復活。
秀吉領の異常長屋密集城下町を反省したのか、信長の城下町はかなりリアルに近い造りになっている。
………リアル過ぎない?
どう見ても、どこかの民俗博物館にあるジオラマ撮影写真に、アニメ調加工フィルター1枚かけただけなんよ。
確かにこの回は「写真そのまま合成してるんだろうな」と思うカットが多かったよ。
庭の花とか。
今までずっと夜空&シルエットでしか映らなかった織田軍城の全貌も、ここで初めて明らかになるんだけど。
……絶対に何か元ネタがあるな?と思わせる写実的な背景で、検索かけたら即ルーマニアにある『Peleș Castle(ペレシュキャッスル)』という城が出てきた。
んで『Peleș Castle』はない真ん中の塔が、安土城天守閣?
安土城なんて既に焼失した幻の城だとばかり思っていたけど、復元プロジェクトが行われており、城の全貌も複数の考察案が出ているとのことで。
――ルイス・フロイス『日本史』――
中心には、彼らがテンシュと呼ぶ一種の塔があり、私たちの塔より気品があり壮大な建築である。
この塔は七重からなり、内外共に建築の妙技を尽くして造営された。
事実、内部にあっては、四方に色彩豊かに描かれた肖像たちが壁全面を覆い尽くしている。
ある階層は紅く、またある階層は青く、最上階は全て金色である。このテンシュは、その他の邸宅と同様に我らの知る限りの最も華美な瓦で覆われている。引用(安土城 - Wikipedia)
た、確かに織田軍城背景には青の階と金の階があった!
吸血鬼の住まう洋風城に(元ネタはドラキュラ伝説で有名なブラン城のはず)安土城天守閣を合体させて、『戦刻ナイトブラッド』における織田信長の居住地とした発想が本当にすごい。
今作で一番感動したポイントはここだと言い切っていいぐらいに感動した。
きちんと史実に基づいて織田軍城が描かれているなんて、第1話では想像もしていなかったな。
あとは、秀吉が連れて行ってくれなくて寂しくしてる、猿のとうきちくんがやたらめったら可愛い。
出会い頭にあれだけ無視してきた秀吉も「待たせたね、結月。帰るよ」と言った声が素晴らし過ぎたので全部許せる。
CV.花江夏樹ボイスは本当に強くて、キャラに命を吹き込ませる技術がやっぱり飛び抜けていると思いますね。
11話:動乱マーチ
織田軍vs厄魔回。
一体この話はどこへ向かうんだろう……絵面なんてもうプリキュアだし。
2話の異常長屋密集町が夕暮れ.verで出てきたところはある意味良かったかな。
時間不足でぎりぎりああなったとかじゃなくて、本当にこれが正規のカットだったんだ……。
12話:戦刻ナイトブラッド
厄魔vs全軍回。
まずアバンと伊達軍の戦闘作画、ぬるぬるですごかったね!
エフェクトの出し方から見るに、第5話で戦闘作画担当してた人と同じなのかな。
ぐるぐる周りながら敵切るシーンとか一瞬、制作:ufotableかと思った。
ただ前半5分で万策尽きた感じがするので、やっぱり1人のアニメーターがすごい頑張って戦闘作画をしてくれていたんだろうな。
何というか……本当にお疲れ様でした。
次はもっとちゃんとしたアニメでキャリア積まれてください……。
ちゃんとしたアニメとは最終回、熱い音楽に合わせて、盛り上がりが最高潮の場面で、主役の作画がこんなことにはならないアニメのことです。
これがぬるぬる作画の中割だったら私も気にしないけど、そうじゃなくてこのクオリティのまま動くからおかしいんだよ!
織田信長が斬りかかった後に秀吉が続く、一番大事な見せ場で!!
どうしてこのアニメは一番重要な回の一番重要な場面で、こうもことごとく外していくんでしょうか。
もう私には分からないです、本当に何で?
ラスボスを倒した時の場面も、マジでエヴァだし!
サードインパクトでも起こったんか?
ここのエネルギーの放出表現が完全に劇場版『新世紀エヴァンゲリオン』。
赤い雲と月もそうだし、余韻で最後、光の残像がふわっと掻き消える描写とか、エヴァ以外に考えられないくらいエヴァです。
全12話見た総括として、アニメ『戦刻ナイトブラッド』を☆5段階で評価するなら☆2.7。
ストーリーだけで評価するなら、本気で☆1。
各話を貫く話の芯というものが全く見えない。
途中から「なんかラグビーの試合見てるみたいだな……」とすら思った。
主人公は単なるボールで、男キャラはそれを取り合う選手達。
スポーツ選手がボールを追いかけるのも奪い合うのも当たり前で、主人公に向けられる好意もそれとほぼ大差ない。
脚本家は各軍に彼女をたらい回しにさせ、させただけで話が終わった。
どれだけスポーツ選手の顔が良くても、声が良くても、肝心の試合がつまらなければ観戦券は売れないと思うよ。
私がコミカライズ版の主人公の方が好きなのは、豊臣秀吉に対して自分からはっきり告白したからです。
頑張って勇気を出して、自分から一歩踏み出す女の子の方が私は好きです。
……とは言うものの。
最終話のEDでゲーム版OP『月牙ノ刻』を流してくれただけで、このアニメは100点です!!!
イントロが流れた瞬間に「うわ、やばい、私このアニメの事大好きだ!!!」と大声で叫んだから、それで全部オールオッケー。
今曲の何が一番好きかと言ったら、サビの「風をとらえ 刹那を 何色に染めよう」というフレーズなんですよね。
この言葉こそが『戦刻ナイトブラッド』という作品の本質だと私は思います。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵におなじ。
なんていう平家物語の冒頭を引用せずとも皆、天下統一の儚さぐらい全部分かってるんですよね。
時代の上に吹く風を、自分の色に染められる時間なんて、ほんの僅かだということぐらい全員分かってる。
だとしても、あの6人はその一時を願ってしまう、焦がれてしまう。
渇望こそが戦国武将の性であるのなら、その激しさと脆さに私は惹かれているんだと思います。
なので、アニメ版の最後を「風をとらえ 刹那を 何色に染めよう」という言葉で締めくくってくれたこと、本当に嬉しかったです!
作詞&作曲:テルジヨシザワ+編曲:大西省吾(agehasprings)はいつも神!
開発中止になったswitch版も、いつか何かの奇跡で日の目を見る時が来ますように!