1.
君がいた物語 Dream Field ver. (
OVA「
.hack//Liminality」第3話OP)
3. LOVE
7. 月ひとつ
8. 夏の手紙
11. Jumping Fish
13. Indio
「近所の中古CD屋が閉店セールやってたの、全品50%OFFだったの」
「はあ」
「140円だったの!!
see-sawの名盤『Dream Field』が140円だったの!!」
「いいの!!!欲しかったの!!改めて聞くとやっぱり名盤なの!!」
「1枚のアルバムの中で3箇所盛り上がるとこがあれば、個人的名盤で。
上記のグラフを見て。1曲目、5曲目、10〜12曲目で盛り上がってるじゃん?
これ、個人的にすっっごく好きな流れ。
ヒートアップしてクールダウンして、フィナーレは派手に終わる感じ」
「各曲素晴らしく、通して聞いても楽しい、みたいな」
「そんなアルバムの中で、特に好きな曲は6曲」
「上の表で、お気に入り度8以上のやつね」
「共通しているのが、別離の哀切を歌っているところなのね、6曲全部。
人と人が交わり、そしてまた離れていく切なさを的確に表した言葉が詰まっている」
「以下、その6曲のついてちょっとだけ語る。
1. 君がいた物語 Dream Field ver.
イントロからして最高だよね!!
音階が下がり上がるエレキに、風のように響く謎言語コーラス。
ドラムと共に、視界がパーッと開いていくような感覚は、まさに『Dream Field ver.』
アレンジ自体は激しいロック調、歌詞と歌声は切なさそのものなのがsee-sawらしい。
「傷ついて俯いた時に出会ったから 切なさが失くなれば離れて行くようで
汚れた水の上だから 月の影が綺麗で」
ここ
からして別れ、それが必然的であるのが示唆されているのにグッとくるんだけど
一番好きなのは「恋と呼ぶことにまだためらっている」というフレーズ。
最初と最後のサビで、
「凍てついた夜に近くなる星は 君がいる夢をいつまで見せてくれるだろう」から
「凍てついた夜に近くなる星に 君がいる夢をまだ見つめていたいだけで」と
現状は変わっているのに、「恋と呼ぶことにまだためらっている」心情だけが変わらない。
「このまま二人で 凍てついた空の 彼方へ行けると どうか信じていて」と言った二人はもういないのに。
2. 黄昏の海
梶浦由記曰く*1「エスニック演歌」「趣味の赴くままに作ったパワーヴォーカル曲」の通り
ボーカルオンリーだったら「いや、たぶん貴女は一人でも生きていけますよね……」って
言っちゃうくらい男勝りだけど、重なるコーラスに、少女が夢見ているようなあどけなさがある。
そこが癖になるんだよね。
海を越えてく荒々しさと、黄昏のノスタルジックな童心が
石川千亜紀の声で重なり、ガンガン鳴り響いている。
今曲の歌詞については、「寂しい眼差しを重ねて 眠った夜も消えて」が全てだと思う。
関係が絶たれるということは、こういうことなんだと歌う、その重さ。
5.
あんなに一緒だったのに
最近は、ReTracksの方ばっか聞いてたけど、やっぱり原曲も原曲で味わい深い。
ピコピコ電子音がだからこそ、心躍る何かがある……っていうか、ガンダムSEEDっぽい。
歌詞については、ReTracks ver.についての記事*2でも書いたので割愛。
『黄昏の海』同様、「あんなに一緒だったのに 夕暮れはもう違う色」が全てかな。
見えている世界が違っていくことの、根源的な寂しさ。
そんなものが、一文で言語化されている上、
『君は僕に似ている』に続いていくんだよ!すごい!素晴らしい!奇蹟!
すっごく個人的なイメージだけど、この曲は塔を思わせるんだよ。
ピアノの和音がスタッカートで続くところが、塔の階段を昇っている感じ。
入ってくる弦楽器も、遥か彼方、上空に漂う長い雲をイメージさせる。
ラストサビの直後、盛り上がるアウトロにのせて崩れていく、そんな塔。
タイアップ先アニメの舞台は知らないんだけど、共感してくれる人っているのかな?
歌詞を別離、という点から見れば「千の夜を消せないで まだここを立てない」から
「千の夜を消せないで 一人の道に席を立つ」への流れがいい。
歩き出さなければならない、そんな緩やかな運命に流されていく感じ。
そう考えると、アレンジのピアノは、どことなく人の歩く足音を表しているようにも。
ただ文章だけで言うなら、
「誰の心も動かせない ただの無口なシエラザード 幾つの夜を重ねても一つの恋さえ語れない」が理屈抜きに好き。
シエラザードという単語を聞くたび、真っ先にここが脳内で流れ出す程度には大好き。
石川千亜紀が「ザード」と発するその声が大大大好き。
10.
記憶
今曲のイメージは深海。
濃藍の地に、群青色の水面が映り揺らいでるような、深い水の底。
イントロが、チェロと低音のパーカッションで始まるから、その影響が強い。
ボーカル&メロディーも、全体的に抑揚のない低温度な歌声だし。
ただ低いだけでなく、青の深みを想起させる音作りには、本当プロってすごいと思う。
言葉だけ見れば、一時的な別離であってそこまで深刻さはないのだけど、編曲が不穏。
「君を離れて行く時にも 私はここに 君の中に」って大丈夫?死んでない?
あと、1番「空っぽの身体に 降り積もってゆく記憶 私を少しずつ作って 満たして
そんな風に人は人の形になるの 忘れたくない想い 心に重ねて」は名言。
12.
優しい夜明け
『記憶』が深海なら、こっちは朝焼けに染まる熱帯雨林というイメージ。
パーカッションのリズムが熱帯めいてるし、視界を開くフルートの使い方が、すごく梶浦由記。
そう、こういう壮大な景色を目にしたかったと、気付かされるような。
ただ歌詞は割りとドロドロっぽい匂いがするよね。
「二人 瞳に秘密失くしても 重ねた腕をほどきはしないわ」とか結構怖い。
いや、最後はちゃんと「終わるはずのない恋に優しい夜明け」と綺麗に締めているけど。
雄大な自然を感じさせる若干ドロドロ系失恋ソング、って中々無いし面白いんで好きです
以上!! 」
「いいの!!幻の新作を、信じているからいいの!!
『あんなに一緒だったのに』から『君は僕に似ている』への流れを汲む3曲目。
今作の空気を継ぐ次のアルバム。存在し得たかもしれない楽曲に、未だに夢を見ている。
これって、まさにアルバム名『Dream Field』通りの夢なの。
どこかの夢の領域に、彼女たちが揺り起こさなかった曲があり、
それは十数年経った今もまだ、眠り続けているだけなのかもしれない、っていうそんな夢」
ただG.U.のゲームなら、
see-sawよりも、三谷朋世(LieN)が主だよね」