復元可能な灰壺

個人的な感想文ブログ

2023年2月マイベストミュージック【8曲】

2023年2月にハマっていた8曲の感想文。

・エビメタ・バンド『HIYASHI-TENCHA
・エビメタ・バンド『TORI-TENDON
・cadode『さかいめだらけ
・cadode『暁、星に
・君嶋スイ&カゼヒキ feat.v4 flower『悪魔の正体
・ゴールデンボンバー『断末魔
・ゴールデンボンバー『鈍色の臨終
・Snow Man『タペストリー

今月は自分の癖にぶっ刺さる曲が多くて幸せでした!

 

 

 

HIYASHI-TENCHA

HIYASHI-TENCHA

  • エビメタ・バンド
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

冷やせ!冷やせ!冷やせ!冷やせ!

冷たい出汁を 天ぷらにかけろ

天丼チェーン店『てんや』好きが結成し、てんやよりお墨付きをもらった生粋のてんやバンド。

勝手に結成し勝手にデモテープを送ったところ本社より直々の公認を受けて、社長からは「きみらこそ天丼界のフランシスコ・ザビエルだ!」との称賛をたまわったとのこと。


確かにこれは天丼界のフランシスコ・ザビエルかもしれない……。

メンバー名が修・リンプ(シュリンプ)、EVY(エビ)、高角塁(甲殻類)とふざけまくっているのにも関わらず楽曲が異様にハイクオリティ。

冷たい出汁を天ぷらにかけろ」や「さっぱりするぜ」のハイトーンボイスには目を見張るものがあるし、メロディーもキャッチー。

 

みんなが「牛丼(NO!)肉まん(NO!)焼肉(NO!)パエリア(NO!)」ってやるとことか絶対に楽しいよな。

サビで観客がプラスチックの出汁容器を掲げているけど、それもてんやの店舗から大量に持ち込んできてリハ前に皆に配っていたのかと思うと笑える。

あの場にいる全員が楽しそうで、本当に良いMVだなと思います。

 

 

 

TORI-TENDON

TORI-TENDON

  • エビメタ・バンド
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

飛べ 飛べ 絶望の外へ 満腹の園へ

『HIYASHI-TENCHA』に続くエビメタ・バンドの記念すべき第2弾曲。

そりゃボーカルも最初に「まさかの第2弾」って言うよな、この先第3弾まであるんだけど。

デスボイスパートがあったり羽根が舞っていたりと前曲よりもV系要素が強くなっていて更に面白くなってるのがいいところ。

 

特に「てんやァ」のデスボイスが私は好きです。

ただその後の「カリソメのシアワセセット 原価低そうなのにぼったくり価格」って……マクドナルドのハッピーセットにそんな真正面から言いがかりの喧嘩をふっかけていいのか!?

かき込め男なら 噛むなよ男なら」もどうかと思うね。

男でも女でもちゃんと食べ物は噛んだ方がいいだろ!

 

 

 

さかいめだらけ

さかいめだらけ

  • cadode
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

瞬いてる遠い花火が 影を作るよ

もがきながら生きていたいだけ

エモさ大爆発で素晴らしい……。

出だしの透き通ったシンセサイザーが夏の夜明け、その水面を描き出す。

こういうエモい男性の声で歌われるサマーソングって大好き!

自分の住んでいる所が夏季は連日30℃越えが当たり前の地域なので、もうこんな涼やかな夏はどこにも無いような気がして、夢のようで、遠い理想郷のようで。

 

私一人では見えない夏が、今曲を聞いてる時は見えて……とか何とか思っていたら、今曲はMAGES.制作のゲーム『サマータイムレンダ Another Horizon』のEDだそうで。

MAGES.系か~………そりゃ私が好きな訳だわ。

 

ゲームを未プレイな以上歌詞についてどうこう言っても的外れ感があるんだけど、個人的には「瞬いている 遠い花火が  影を作るよ」「まだ鳴いてる ひぐらしの音が  夜を迎える」とか夏の夜を切り取った場面が好き。

 

来年の夏が来ることも 覚えていないことも
 許しておくれ 僕らは行くね
 
途切れないさよならを 呼び声に引かれて」や

互いにとけあうように 時を繰り返して」「知らなかった 明日が来るなんて

と言うように、ループもの感がある言葉はタイアップ先の作品に寄り添い捧げられているのだと思うと、アニソン・ゲーソン好きとしてはたまらない気持ちになる。

 

 

 

暁、星に

暁、星に

  • cadode
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

あなたが残したものは傷のようで

タイトルから連想される「暁星」は「夜明けの空に消えずに残っている星」とのことで。

星って常に光っている訳じゃないですか。

日中は太陽の光に負けて見えなくなっているだけで、常にそこにある。

変わらない存在を見上げる度に抱く思いが変わるのは、いつだって自分の方が変わったから。

 

今曲を聞いていると「君を失った僕の心」が君との思い出を傷ごと呑み込みながら移り変わる姿、そしてそれを縁取る星の銀光が見て取れて、その健やかさに感動します。

要するに受容の曲なんですよね。

今なら 君のことを思い出せる 今なら」と繰り返す言葉に泣けてくるよ。

 

編曲で言えばサビの部分がめちゃめちゃ好き!

ジャーンジャーンジャーンと段階的に上がるピアノの和音は空へと上がる眼差しを追い、一呼吸置いて目立ち始めるドラムは鼓動のように胸を打つ。

そこに入ってくる「あなたが残したものは傷のようで」はちゃんと言葉を発しているんだけど、同時に息切れみたいな印象を受けるのも良い!マジで良い!

息急き切ったままそれでも星を、消えゆく君の欠片を追いかけているんだなと分かる、そういう息。

 

 

 

僕らは悪魔を連れて、契約の檻で意思を交わす。
鳥たちのように群れを成してはただ、首振るだけ。

メロディーと歌詞もさることながら、植物で人体を模すアーティスティックな映像が綺麗でグロくてすごく好き。

 

ネガ反転された植物の枝はX線検査された骨のようだし

花の断面図で展開される曼荼羅模様は小脳活樹っぽい。

(引用:小脳 - 構造と機能

蝶が多数飛び交っているのも延髄の暗示か何かですか……って思うし

引用(延髄 - Wikipedia

単に上下に花をあしらっただけのデザインも食道や腸の消化管にすら見える。

こういう風に植物でカモフラージュして描かれる人体の内部構造、それこそが「悪魔の正体」という感じでめちゃくちゃぐっときます。

 

今曲の歌詞も「不義的な悪魔は僕たちだ。僕たちだ」と2回言い切っておいて、でも最後は疑問形とも取れる「僕たちか」で終わってる。

悪魔は僕たち……なのか、本当に?というニュアンスに取れなくもないし、その答えを示すのがMVの映像なんだろうなと私は思います。

 

僕たちの内部に巣食う何か。
体内の血肉を植物の枝葉に置き換え、脳死状態の植物人間に歪めた何か。
それこそが悪魔の正体。

 

メロディーで言えばラストサビ前「欠落だらけの真実を逸らし」からブーストがかっていくテンションの高さが好き。

うだうだ言葉を連ねるのを「馬鹿みたいだ!」「キリがないな!」と一言で吐き捨てる感じも!

 

 

 

断末魔

断末魔

  • ゴールデンボンバー
  • J-Pop
  • ¥255
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孤独な人生を 生きながら 泣きながら
私の存在を 刻ませて

ゴールデンボンバーってこんなにも病み闇ソング得意だったの!?って衝撃を受けていたら、編曲:鬼龍院翔、tatsuo、中川幸太郎となっていて納得しました。

中川幸太郎は強いわ、アニメ『コードギアス』の劇伴を手掛けた人だもん。
そりゃオタク心に刺さる編曲をします。

 

特にストリングスの強さが凄まじくて圧倒される。
こんなに惚れ惚れする弦のメロディーには久々に出会えたって思うぐらい。
間奏のエレキソロも超格好いいし、もうこんなん絶対に好き、好きに決まってる。

 

ただ一番すごいのはやっぱり鬼龍院翔の才能

この曲を歌いこなせるだけの歌唱力があって、こんなにも素晴らしいV系王道メンヘラメロディーを産み出せて、何より歌詞の世界観が私の好みど直球過ぎる!

 

今日はなんだか精神が過敏で」で始まり「今日はなんだか精神が不安定」で終わる。

そこの部分はぽつりぽつりと大人しくて、まるで「私」はベッドで一人うずくまっている間、ずっと何も無かったみたい。

あの破壊行動も自傷行為も自死願望も全ては彼女の内面でのみ猛っている炎だから、他の誰にも見えず誰の手も借りられない。

ただただ自分を炙る火に悶え苦しみ、それが一旦は落ち着いたとしても、また数時間か数日後に繰り返されるのは目に見えていて。

自分の「断末魔」を幾度も幾度も口にして耳にするのは本当にキツい事でしょうよ……。

 

でも、でもその慟哭が音となり曲となって立ち昇ってくれたから、私にもその火が見えるよ。

人間を焼く業火、そこで爆ぜるものが私にも見える。

 

今日も人たちは暗いよ怖いよと泣く
 今日も鳥たちは喜びの歌を歌う

 誰かが言った「正気じゃない」
 私は言った「こんな世界で正気でいられない」

のところなんてもう言葉にならないほど大好き。

ねえ、こんな世界で正気でいられないよね、ねえ……。

 

 

 

鈍色の臨終

鈍色の臨終

  • ゴールデンボンバー
  • J-Pop
  • ¥255
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空は鈍色 世界がもう終わろうとしてるみたい

『断末魔』同様、編曲は編曲:鬼龍院翔、tatsuo、中川幸太郎。

今曲が収録されているアルバム『コンパクトディスク』の中で、この2曲だけに中川幸太郎は参加しているんだよね。

私が好きなのもドンピシャでその2曲だから、私がいかにこういう大袈裟で壮大な病みソングが好きか分かる。

 

ただ今回はボーカルが一番良かった!

特にサビで「いつも2人があ↑ぁあ↓ぁあ↑~→」と母音だけが伸びるところ。

上下する単音の揺らぎに歌い手と聞き手の感情がリンクし、エモーショナルな心の動きがダイレクトに伝わってくる感じが気に入ってます。

 

フレーズで言えば

いつも2人が 寂しさを分け合った小さな暮らし

いつも2人が 何気ないやり取りで埋めていた時間

の2つがお気に入り。

これから先に生きていく人生の可処分時間を全部1人で埋めるのは、途方もなく大変な事でしょう。自由で気楽で、時折ひどく寂しくて。

2人で身を寄せ合っていれば過ぎた時間が、今はこんなにも長く太く自分を待ち構えていること。

その鈍い視界にやり込められてしまう気持ちも分かるよ。

 

 

 

轍照らす  月明り 今 何処へ行こう

目黒蓮主演映画『わたしの幸せな結婚』主題歌。

少女向け小説が原作ということで、二次元女オタクに刺さる曲なんだこれまた。

メロディーは切なく美しく、編曲はどこまでも軽やかに。

春の光と歓びに満ちたこの曲を、冬が解け始めたこの時期に聞けて幸せです。

 

特に1番サビ、深澤辰哉の「今 何処へ行こう」がやばかった!

視聴音源の解禁時から「ふっかのパート、声がめっちゃ良くない!?」と興奮してたら、マジで良かったです。

MV版も良かったけど、個人的にはダンスプラクティス版の1分24~25秒の2秒間が癖!

どうしてそんなに格好いい訳?

1回クッと沈むじゃないですか、その動きがもう本当に格好よくて参っちゃうね。

 

この「今 何処へ行こう」がラストサビでは阿部ちゃんになるのも嬉しかったし、2番岩本照の「切なさや運命を 越える為 名前を叫んだ」や目黒蓮の「繋いだ手は解かない」のところにも興奮しました。

今曲は全員がソロ歌唱なので、推しの歌声の良さをじっくり堪能出来るのが良き!

 

あとこの前のMステ出演を見て思ったんだけど、今回の衣装の配色って桜の枝をイメージしているのかな?

灰色をベースにピンクを差し色としたカラーコーディネート、花をつけ始めた枝のようで惚れ惚れしちゃう。