復元可能な灰壺

個人的な感想文ブログ

音楽×卓球=ピンポントリップ(?)『Lofi Ping Pong』(switch)感想&攻略アドバイス

『Lofi Ping Pong (ローファイ・ピンポン)』という音楽×卓球ゲームをプレイしました。

f:id:yugurekou:20210807125435p:plain

プレイ時間は1時間半ほど。
steam→iosAndroid→switchという順で展開していて、私がプレイしたのはswitch版。
価格はセール価格で購入して380円、通常時だと550円と(ほぼ)ワンコインゲーになっています。

内容としては、音楽に合わせてピンポンをする。するだけ。
画像

操作キャラのせいでボールが見にくいプレイ画面、嫌がらせかよと叫びたくなる変化球、間髪おかず再プレイを要求してくる超スパルタ方式のプレイスタイル。
そうした要素によって生まれる、単なるボールをここまで打ち返せない自分の反射神経に対する失望

人には全くおすすめしません。
しないけれど、私にとって、忘れ去るには惜しく、妙な愛着が持てるゲームでした。
爽快感や快適さは無い代わりに、というか無いからこそ、生まれる中毒性がこの世にはあるんだなと思わされます。

f:id:yugurekou:20210807125756p:plain

ドット絵で紡ぎ続けられるロングラリーは、昔懐かしいガラケー時代のミニゲームを思い出させ、タイトルで打ち出しているローファイ(”打ち込みのブレイクビーツにメロウでメランコリックなギターやピアノが乗っている”ような音楽のことらしい)BGMは聴き心地が良い。

初見では歯が立たなかったステージを何度も繰り返し、ゲームオーバー寸前で切り抜けられた時の興奮は中々のものがあって「フロムソフトウェアのゲームが好きな人とかもこんな快感を求めてるんだろうな……」と思わせる瞬間もありました。

ストーリーの終盤で明かされるタイトル回収も、結構好きです。
Lofi =Lone Fighterでもあったってところが、小粒だけどいい種明かしだと思うよ。

そんな感じで、プラスとマイナス要素が、ちょうどよく打ち消しあっているのが、このゲームに味わい深い愛嬌を持たせているのかもしれません。
好きなゲームとも嫌いなゲームとも言い切れず、ただ「ダメな子ほど可愛いんだよなあ」とフォローを入れたくなるいじらしさが、このゲームの魅力だと思います。

【攻略】

ピンポン玉を打って返すゲームに攻略も何もないんですが、『Lofi Ping Pong  攻略』でこのページに辿り着いた方のために言っておきます。

『Lofi Ping Pong』をクリアするには、相手選手の動きを見ず、ピンポン玉の軌道を信じず、音楽すら聴かず、天の声だけを頼りにしてください。

画像

steam版やiosAndroid版にあるのかは分かりませんが、swtich版ではオプションで「voice」の音量を上げると、天の声が「レッ!!(Left)」「スェンター(Center)」「ラァ-ィッ↓(Right)」と玉がくる位置を教えてくれます。
特に玉がウインドのステージにはほぼ必須
スェ…ラァーィッ」とか「スェ…レッ!!」とか、引っかけの玉を途中でキャンセルしてまで教えてくれます。

プレイキャラの姿も邪魔なので消したほうがいいですし、軽快なラリー音を鳴らしてくれるSFXも、ミスした時の空振り音がイラつくので0に。
カメラ移動、カメラズーム、振動も、ミスを誘発する要因になるので切りましょう。
ラストステージに至っては、私はBGMすら切っていました。

f:id:yugurekou:20210807130224p:plain

無音のステージで、自分の姿すら見えず、ただ天の声に従ってボールを打ち返す。
私は、一体、何を……」と脳裏をよぎりますが、このゲームの持つ魅力を全て剝ぎ取らないとクリアは難しいかと思います。
このゲームの本来の姿を楽しみたいなら、ストーリーモードではなく、ひたすらプレイモードに時間を費やすのがおすすめかな。


ゲーム体験における中毒性とは、自分の能力に対する失望と期待を繰り返す事によって引き起こされる「この」感覚なんだなあと、プレイしながら思いました。
普段ADVやノベルゲーぐらいしかやらない私にとって、”中毒”を与えてくれたこのゲーム体験はかなり貴重だったのかもしれません。
そんな気もするし、しないような気もするのが『Lofi Ping Pong 』の持つ曖昧な良さなんだろうと思います。