私のApple Musicのプレイリストに「CV.豊永利行のお気に入り曲」というのがあるので、そのリストの紹介&感想。
CV.豊永利行による物憂げに吐かれる息と、高らかなファルセットと、雄っぽい唸り声でしか昂ぶらない心があるんですよね。
ピタゴラスプロダクション
星だけが知る、ふたりの涙
宇宙にかかるあの河で、流してみようよ
今でもまだ全然大好き!
この曲を知ったのってもう7年ぐらい前になるんだけど、今でも全然まだまだ大好き。
CV.豊永利行と出会わせてくれた始まりの曲なので思い入れがありすぎるんですよね……。
いつ聞いてもめちゃくちゃ綺麗だなって思うんですよ。
煌めく星々をまぶたに描く、そういう美しさが確かにある。
歌詞で言えば「独りで生きる様に、そのカラダは出来ていない」が断トツで好き。
「普通に下ネタでは?」という猜疑心を「いや、でもこれはこれで真理だろ!」で上書きするこの感じは、作詞:岩崎大介のRejetソングにしか持ちえない味ですよ。
結局のところ、命の本懐は生殖ですから。
生物学的に当たり前の事実を、こんなにもロマンチックな言い換えでぶっ込んでくるところに感動するものがありました。
CV.豊永利行のパートだと1番Aメロ「罪な言葉も信じてたよ? 悼んだ花も 」「愛は、苦しすぎる」と、サビ前「抱きしめたくて、抱きしめたくても、抱きしめられない」のところがめちゃくちゃ好き。
7年前の私にとっては衝撃的な美しさだったし、それは今でも何一つ変わっていない。
あとこれはCV.沢城千春なんだけど、2番Bメロ「赦し合えれば、赦しあうほどに、赦せなくなるよ」も最高!
「赦せなくなるよ」と徐々にヒートアップする彼の昂りとリンクするように編曲が盛り上がっていくところがすごく良いんですよ。本音なんだなあって感じで。
キミが紐解けない 奇っ怪な電波届ければ捻れた世の中の見え方、変わる!
今曲の1番サビ前「言ってみろ」で完全に落ちました!
こんな綺麗に落ちる?ってぐらいすこーーーんと落ちた瞬間を未だに覚えてるよ。
あの雄みにやられちまったんだよな。
2番「失態みせてくれ!」もダメ押しという感じでめちゃくちゃ良い。
この曲は「N.E.B.U.L.A.S \\(NEBULAS)//」コールが楽しすぎるんですよね。
もう今すぐペンライト振りたいもん。
ピタゴラスプロダクションの皆ってそう言えばアイドルだったんだなと思い出させてくれるようなテクノポップ・アイドルソングで大好き。
作詞だと「だって物事は多面体、だって How many mens 経験してきたの?」が天才のそれ。
面とmen(男)をかけて「オレ等Three面[MEN]こそ、世界を構成してるpolyhedron」とタイトル回収(PORYHEDRONの意味は”多面体”)に繋げてきた時には唸りました。
キミとボクを禁止する「すべて」を超えて
今、語るべき言葉
ラスサビ前「今、語るべき言葉」で一瞬だけがなるのがずるいんすよね。
2番サビ前「星に描いたよ、知らないLogic」で伸ばす語尾の綺麗さももちろん好きなんだけど、あのがなりを入れられちゃうと弱いよ。
今曲はメロディーも編曲も程よくロックで、程よくメロディアスで、実家の麦茶みたいに聞けるところがお気に入り。
譲れない台詞なら この魂が知ってる
アニメ『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』の4話ED。
この4話さえ見ていれば何で歌詞に「ジュリエット」が出てくるのかとか「崩壊れかけてる 校舎の針を 巻き戻すDaze」はかなりグッとくるフレーズだということも分かるんだけど、いかんせん観てない人には分かるわけないよね……。
という訳でここからマジ4アニメの4話ED映像感想!
正直この機会を逃したら次にいつマジ4アニメの話出来るか分からないし、私は今曲のノンクレジットED映像目当てに第3巻のDVDまで買っていたので有効活用したいんですよ。
ストーリー的には、こう……後輩アイドルグループの学祭に来ていたら、その後輩の演劇舞台袖でトラブルが発生し、急遽先輩アイドルユニットである自分達がステージに立って場を繋ぐという流れ。
(かくかくしかじか説明中)
↓
観客「キャーーーッッッ!!!」
↓
急に何!??
観客の歓声シーンから次の瞬間、暗転も何もなくこの晴天砂漠ピラミッドだったんだけど!?
こちらの戸惑いなんてどこ吹く風で、パリの凱旋門前でキメ気味に立ったり
自由の女神像を見上げたりと
ワールドワイドに世界を駆け巡る2人。
ソロのダンスもローマ神殿みたいなところで踊ってるし!
gifだと動きがぎこちなく見えるけど実際はもっとスムーズだし、 1回限りの特殊EDとは思えないほど作画に気合入っていて痺れました。
♫ 君と~
♫ 旗を~
♫ 掲げ迷うことはない〜
私「自己主張の強い旗だな……」
♫運命の愛に立ち向かう~
今は 誇り 高く X────!!
かっけえ~~~!!!
後輩の学祭に来て、後輩達のフォローのために即席ライブしてくれるの、マジで誇り高い男達で完璧。
ライブ前、後輩たちと交わす会話に
「俺とキラはもう高校の頃から仕事で忙しくてな。
文化祭なんかの学校の行事には全然参加出来なかったんだ。
その事に悔いはないが、それでもやっぱり高校生活でしか、
今しか経験出来ないことは必ずある」(シャイ)
「だからお前達には可能な限り、ちゃんとやってほしいんだよ。
高校生ってやつをな。」(キラ)
っていうのがあるんだけど、それを踏まえての「崩壊れかけてる 校舎の針を 巻き戻すDaze」がたまらなく良い。
”校舎の針を巻き戻す”のは後輩達へのフォローであり、自分たち2人が味わい損ねた青春を今ここで再び掴むためでもある。
2人が学園祭を心底楽しんでくれているようで良かったです。
ED以外の本編も良かったですよ、特に作画!
ここのシャイさんめちゃくちゃ美人じゃない!?
作監が監修した!?
射的の景品として、キラにRejetのマスコットキャラクター:クマDのぬいぐるみを持たせているところも可愛い。
こういうおふざけは愛がないと出来ないことだし、スタッフからの愛はびしばし感じるアニメ化で私は嬉しかったです。
……いや、まあ2人の変装のセンスはどうかと思うけども!
SM倶楽部ですか、ここは?
ふたりが知り過ぎた理想が
凍てついた氷の先で、 光る諦めを見つめる
2番サビのこのフレーズが私はもう本当に好きで好きでたまらないです。
作詞:岩崎大介ソングの中でもトップクラスに好きな歌詞かもしれない。
メロディーもボーカルも勿論良いんだけど、「光る諦めを見つめる」っていう言い回しの美しさの方に息を呑む。
タイトルが長すぎる(長いタイトルの代表格、B'zの『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』より長い)のも、古き良きV系感があって好きです。
間奏でエセ神聖風のバックコーラスが入るのもV系みたいだな。
名も無き愛の絵を、あなたへ
ボーカルの息の揺らぎ、その残響を存分に味わえるしっとりバラード。
バラードと言ってもウィンドチャイムにエレキと音が華やかなので聞いていて楽しい。
それにやっぱり豊永利行の声がいい!
曲中の彼がどれほど「あなた」を大切にしていたのか、その体温がリスナーに伝わるよう大事に歌ってくれているのが分かるよ。
私は彼の寂しくて温かい声が好きなんだと思う。
1番Bメロ「溢れ出したぁ↑あ↓ぁ」の「a」の音は、どういう風に声帯を揺らしたらあんな哀切な響きを出せるんですか?ってくらい、息に感情をのせてくる。
その感情がたまらないんですよ、私の声からは決して出ない恋の音。
ジャケット画像もめちゃくちゃ綺麗なんだな、これまた!
穏やかな逆光の中で微笑む彼の表情はひどく優しくて、でもその体にかかる影は寂しい別れの色をしていて。
今曲の音をそのまま絵にしたらこの一枚になるんだろうし、この絵以外にはなり得ないと思うぐらい素晴らしい出来。
イラストレーター:キリシマソウの描き下ろしジャケットはどれも好きだけど、その中でも今曲のは特別だなあ。
ファビュラスナイト
まるでフルコース 君をエスコート
CV.豊永利行のフルコースじゃん!
初心者におすすめするなら絶対にこの曲!
1番サビ前「夏のせいにして」や2番サビ前「世界のどこへだって」を初めて耳にした瞬間、もう本当に時が止まった。
私は7年前『星だけが知る』で彼の歌声に即惚れ込んだけど、もしそこで出会ってなかったとしても、去年の夏にこの曲に出会えば一緒だったと思う。
好きにならないなんて無理な声なんですよ!
Bメロでのメインボーカルや、サビの「やけにセクシーな日焼け痕」で聞かせる低音も色気があってたまらないし、ラスサビ「重ねあいたい」では私の大好きな雄みのある唸りまで出してくれる。
この1曲だけで3種の彼の歌声が堪能出来て素晴らしいです。
されど あなたを乞うては咲き狂う
CV.豊永利行×遊郭ソング、最高過ぎる。
男目線なのか女目線なのか、どちらでも取れる歌詞が和ロックの激しいメロディーに乗せられてて、問答無用で「くぅ~~~!最高!」ってなります。
男の声でここまで見事に愛欲の激情まで歌いこなせられるとね、もう本当に言う事無いです。
特に2番Aメロ「寝物語 あなたが教えてくれた夜」からBメロ「切れぬ糸ならば どうして結んで行ったのか」に至るまでの、ほんの少しの声音の変化がやばい。やばすぎ!
あれだけ幸せで愛しかった夜が憎しみに転じ始める、彼or彼女のそういう瞬間がドラマでも見ているかのように鮮明に浮かぶ。
聞いてるのは音だけなのに、脳ではちゃんと景色が描かれるのって、何回経験しても奇跡にしか思えない。
私一人では決して見えない恋が今見える、その事実に毎回毎回感動してしまうよ。
B-PROJECT
「愛したい」だけど「奪いたい」だけど
触れられないんだ その肌を
作詞&作曲&編曲:Yugo Ichikawaによる製作者コメントでは「哀愁+SEXYなアシッドジャズ」とのことで。
へー、こういうお洒落な曲をアシッドジャズって言うんだ。勉強になります。
透明で美しい琥珀色を連想させるベースも、つむじ風のような小粋なストリングスも、そこに煌きを添えているピアノも、全てがお洒落に光っている。
秋風のような橙、光沢を放つ革。
そんな連想をさせるのは、メロディーと編曲が素晴らしいというのもあるけど、3人のボーカルもめちゃめちゃ強いからだよ。
豊永利行の低音、花江夏樹の高音、加藤和樹の中音。
3人の歌声が交互に連なり重なって織られていくハーモニーが、ベースとドラムのリズムときっちり噛み合う瞬間の美しさには涙がこぼれるかと思った。
特にサビ中盤、1番「それだけじゃ No No No」と2番「このカラダ Cold on」の一瞬だけ上がる旋律がたまらない。
メロディーが一歩先をエスコートし、手を引かれて翻弄されるこの感覚がすごく好き。
ここではない何処かへ 遠くまでそう
駆け出して行け
今曲の何が良いかって言ったらもう全部ですよ。
イントロのエレキが駆け出した瞬間「あっ、今から凄いものが聞けるのでは?」という予感は一瞬たりとも裏切られず、その事実がひたすらに嬉しい。
青くて強い風、台風のど真ん中にいるように錯覚させてくれるギターサウンドと、そこに伴うストリングスが非常に好き。
とにかく風と光を感じるんですよね、私はイヤホンをしながら座っているだけなのに。
曇天を裂いて全てを吹き流してくれるような強風と、そこに差す冷ややかで美しい光が本当に綺麗でたまらないです。
CV.豊永利行の担当箇所で言えば、間奏の「ここではない何処かへ」がひたすらに良い!
「キミも お前も たった一人のヒロインなんだよ」と3人全員で歌い繋げてくれるところも大好き。
この3人が夢を握り締めたまま駆け出していく先の風と光を思うよ。
そこに私を一緒に連れて行ってくれるということも。
こんなにも君だけを愛してるよ
間奏「こんなにも君だけを愛してるよ」がやばくないですか??
水気を含んだ艶っぽい声がひたすらにエロいんだけど!
今曲に関しては、上記のフレーズの一点突破で好きだなあ、もうあのエロさ以外に言う事無いです。
強いて言うならアウトロが思ったより長めかつ、バチバチのEDMで格好いいんですよ。
3人の声がいる間は生身の人肌、その体温を感じるのでそこまで無機質な印象はなかったんだけど、最後の最後でちらっと印象が変わる感じ、不思議だし面白いなと思います。
僕の虜になって 狂いなさい
いい子でなんか いられないだろ
出だしから彼の雄っぽい声全開でこられると、もう何でもいい、何でも好きですとなるしかないんだよな~!
1番サビの「いられないだろ」の「れない」ってところ、単語の途中からがなって語尾を上げるところに彼の歌唱の真骨頂があると思う。
あの唸りだけは豊永利行の喉からしか得られないんですよ。
だから私にとっては唯一で、ずっと特別。
曲の雰囲気も暗黒童話テイストと激しめロックが混ざり合って、ゴシックだけどそれだけじゃない空間になっているのも好き。
シンデレラをウィッチ(魔女)の目線で描くコンセプトって音楽に限らずよくあるけど、暴れまわるエレキと底でどんどこ鳴るドラムが今曲を「ありがち」なレベルから一段上に引き上げてくれているように思う。
それでいて定番のピアノもちゃんと強いし、やっぱりBプロの曲ってレベル高いよね?
A3!
浮かぶ二つの影法師
君が罪でいいのに
ジャズバーを思わせる空間の中で語られるのが、殺人という犯罪行為なのがこれまた良いんですよ!
フレーズで言うと「君が罪でいいのに」と「汚れきった楽園まで あなたを追い詰めたのに気付いてしまうよ」がロマンチックな退廃で大好き。
夢色キャスト
恋の咎を絵にしたら
この瞬間さえタペストリー
……「恋の咎を絵にしたら この瞬間さえタペストリー」ってマジでどういうことですか?
作詞家:畑亜貴が物語に関係ないフレーズを書くはずがないので、何かしらのストーリーが背後にあったのは察せられるんだけど、いかんせんサ終してしまったので全ては謎に包まれたままなんですよね。
でもそういう大人の事情もこの曲にはプラスに作用していると思う。
恋咎館(こいとがやかたって読むらしい)の門は霧の向こうに閉ざされたまま誰の訪問も受け付けず、中の人間をその内側に抱え込み続ける。
2人の執事と1人のお嬢様は誰の目に触れることもなく、永遠に3人でそこにいるんだと思うと萌えるやらぞっとするやら。
あの最後の高笑いを聞くに、彼らと一緒にいて本当に大丈夫なんでしょうか……と心配になるんだけど、まあ、今更どうしようもないね。
「時の流れさえも止めたい」と歌った願いがサ終という形で叶えられているのは、歪んだ祝福感があって良い。
あと「孤独なのは罰だろう」というフレーズが、私の好きな畑亜貴そのもので興奮しました。
そう、そうだよねえ。人間という命、心というバグに与えられた根源的な罰が寂しさだよねえ……。
THANATOS NiGTHT
祈りじゃ届かない何もかもが
今まで、塞いでいた瞼から 溢れ出していく
2016年にRejetが展開していた『THANATOS NiGHT Re:Vival』というドラマCDシリーズのキャラソン。
この時期のRejetのキャラソンって発売当時は配信すらなかったので、数年後とはいえそれが解禁されるのはすごく嬉しい!
Rejet×作編曲:白戸佑輔×CV.豊永利行の安定感も抜群で、二次元好き女オタクが好むキャラソンの及第点は確実に取ってくるような音がしてる。
「未だに仮説を唱えてる 君の弱みなら 知り尽くしてる」という言い回しも岩崎大介感ありありで良き。