2023年3月にハマっていた6曲の感想文で、アーティストの五十音順にするとこんな感じ。
・オーイシマサヨシ『uni-verse』
・鈴木このみ『THERE IS A REASON』
・10-FEET『第ゼロ感』
・Mili『Between Two Worlds』
・Yamaji feat.可不『Poryapex』
・ReoNa『VITA』
6曲中3曲が劇場版アニメの主題歌であり、『グリッドマンユニバース』については明確なネタバレがあるのでご注意を。
余談で劇場版『selector destructed WIXOSS』と『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』とアニメ『takt op.Destiny』OPについても少し語ってます。
ワンバース ツーバース スリーバース ユニバース
繋ぎ合わせて この歌になるよ
劇場版『グリッドマンユニバース』観てきましたよ〜!
ユニバース(宇宙)の形を取ったグリッドマンが主人公:裕太を待っているというストーリーで「あっ、割と文字通りのユニバースなんだ!?」って驚いたな。
観る前は『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』の世界が繋がるという意味でのユニバースだとばかり思っていたので(もちろんそっちもメインなんだけど!)映画というのはちゃんと観に行くものですね。
オーイシマサヨシの曲もアニメOPの2曲と今曲の計3曲が戦闘場面で一気に流れてきて良かった!
「独りじゃない いつの日もどこまでも 重なり合うよ ユニバース」というフレーズがこの物語を貫く根幹で、その主張に2時間かけて説得力を持たせたのがこの映画だと思います。
裕太の世界と新庄アカネの世界、ダイナゼノン組の世界とグリッドマンの世界。
ラストではそれぞれ居るべき世界に戻るけども「絶対にまた会える」という確信が誰の胸中にもあって、その友情の力強さに感涙するものがありました。
今曲の雰囲気がゴスペル調(大勢で歌うハーモニーが特徴)なのも爽やかに涙を誘うね。
愛のために進むのは 君とここにいるから
僕だけが君を守るから
劇場版『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』主題歌。
4分54秒、約5分かけて少しずつ楽器を追加して盛り上げていくやり方は、観客が最初から最後まで通しで聞いてくれるのが確定している劇場版主題歌と相性ばっちりだなあと思います。
1番サビ終わりで抱かせた「これは今からすごいものが聞けるのでは?」という期待を、後半でしっかり超えてくるのが見事!
ボーカルで言えば、間奏「僕らは超えてゆく すべての憎しみを」のところがお気に入り。
あまりに壮大なことを今ここで言い切ってしまえる強さが、鈴木このみの決意を宿した歌声によく映えていてアツい。
あとラストの「We'll always be together」も単純に好き!
”僕たちはいつまでも一緒”という約束を違うことなく生きていける光があの子達にありますように。
獣は砂を一握り撒いた
それが最後になる気がしたんだ
格好良すぎる!!!
映画『THE FIRST SLUM DUNK』を鑑賞済みの女なので、今曲を聞くだけで興奮するし涙がでる。
ネタバレを含む詳しい事は個別感想に書き尽くしたからもうこっちでは書くことがそんなに無いんだけど、聞く度に「ううっ、宮城兄弟、湘北のみんな……!」となるばかり。
特に「遠い星の少年は その腕に約束の飾り」と「まだ旅路の最中さ あの場所に加速する さらに」がやばいんすよ。
ただもし私が映画を観に行っていなかったら、今曲のことはただただ格好いいの一言で終わっていたかも。
物語に味方し、物語に味方にされた主題歌だけが持つ力というのがあって、その相思相愛っぷりににやにやしちゃうよ。
If only we could be forever naive and pure
(ずっと馬鹿で単純なままで居られたら どれほど良かったのだろう)
これがMiliの、2023年の聖歌なのかと思うと痺れる。
だってめちゃくちゃ格好いいじゃん!
親切にも前半の(Realm of Light)と後半の(Realm of Darkness)に分けられた音源も配信されてるんだけど、やっぱりこの2つを繋げて聞いての「Between Two Worlds」だなあなんて思ったりします。
毎度Miliのリリースする楽曲のクオリティの高さには唸らされてばかりなんだけど、特に今曲の格調高さの凄まじさは言葉を失うものがあります。
2023年になっても尚音楽の世界には常に新しい世界が広がっていて、私には全く見もせず聞こえもしないその天上世界の片鱗に、Miliはいつも触れさせてくれるね。
Miliの音楽によってのみ顕然される世界の美しさには驚嘆するばかりです。
あとこの曲でなりきり指揮者ごっこするの、めちゃくちゃ楽しい!
特に(Realm of Darkness)の「Breaking breaking breaking the shell」からね。
自分がオーケストラの指揮者になりきれるゲームもVRにはあるらしいので(「Maestro:The Masterclass」というやつ)どうにかこうにか今曲でも出来るようにならないかな。
効いて回復して こんなクソみたいな日々がまた
効いて回復して 時間切れまで続くのかな
わかりみが深過ぎて死にそう。
いや~~~~分かる、分かるよ、うん…………。
こういう強く歪ませた低音を聞いてると頭痛がしてきて酔うタイプの人間なので、今曲を聞いてるだけでも結構キツイんだけど、でもその身体的不調を引き受けてまで聞かなきゃいけないような気がして聞いてしまう。
開始1秒「効いて回復して」のリフレインを初めて耳にした瞬間に、運命だと思えてしまって。
これは抗うつ薬でも精神刺激薬でもアルコールでもいいんだけど、日常生活で受ける苦痛に悶えて、自分の脳を誤魔化す「何か」を摂取しながら生き長らえるやるせなさが「こんなクソみたいな日々がまた 時間切れまで続くのかな」なんだと思うよ。
この世に生きる人全員が平等に「簡単に死体になっちゃう」のは事実なのに、自分の時間切れだけが遠くて遠くて仕方ない。
何もかもが惨めなまま続くね、生活ってやつは。
私が今曲でどうしようもない気持ちになるのは「相も変わらない孤独の中 もう一度触れられたのなら」のところ。
この触れたいものが一体何なのかは、この歌を歌う「俺」にしか分からない。
それと同時に私が今曲を聞いて想う「もう一度触れたいもの」も私にしか分からなくて、私ですら上手く言葉に出来ない以上この世の誰にも分かりはしないんだけどそれでも確かにある。
どこまで落ちぶれたとしても願う何かが、憧れる何かが人の胸中にはあって、そのどうしようもなさに泣いてしまうよ。
命はあなたと生きていく
必ずあなたと生きていくよ
ここまで一つのフレーズを繰り返し伝えていく曲って、アニソンの中でも珍しいかも。
「あ な た を忘れない」と一音一音ずつ区切って強調して歌われると、本当にその「あなた」を大事にしてるのが伝わってきてじーんとする。
光は同じ物質の中からどこまでも真っ直ぐ進む「光の直進」という性質があるのだけど、ReoNaの歌声はその現象そのものみたいに響く。
「あなたを忘れない」ただそれだけが言いたい。
今曲はゲーム『ソードアート・オンライン LAST RECOLLECTION』の主題歌で、MMORPGを舞台としたSAOだからこそここまで「忘れない」ということを強調しているのかも。
バーチャルの世界ではメモリーの上書きなんて簡単で、データの集合体はそれに抗えないのは当たり前なんだけど、それでも覚えておきたいものがあるんだよね、きっと。
余談
劇場で流れることを前提としたフルオーケストラのアニソンが私は大好きなんだけど、そのきっかけはやっぱり劇場版『selector destructed WIXOSS』主題歌、分島花音『Love your enemies』だったんだよね。
私にとっては衝撃的な格好良さだったんです!
TVアニメ版初代OP『killy killy JOKER』で上げた期待値を2期OP『world's end, girl's rondo』で超えて、その2曲で上がりきったハードルをもまだ超えてくるか!?って驚愕したのを今でもまだ覚えてる。
テレビ版の2曲だけでも十分過ぎる程だったのにね。
私が『Love your enemies』で特に愛してるのは、ラストはちゃんと長調で、ハッピーエンドで終わるところだよ。
闘いを終えた果てに彼女達に待っているのは光なのだと、希望なのだと信じさせてくれる優しさがあって良かったです。
最近の作品だと劇場版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』主題歌『再生賛美曲』、そのMVにもうるっとくるものがありました。
作詞:中村彼方、作編曲:佐藤純一、監督:古川知宏、脚本:樋口達人、副監督:小出卓史の手書き文字は泣いてしまうよ。
もちろん舞台少女達の声と文字にも泣けるんだけど、その舞台を何年もかけて創り上げてきたスタッフ達の知性がにじみ出た文字に泣いてしまう。
映画の公開時期が2020年3月とコロナ禍ともろ被りして、一旦は映画の延期が発表された翌月にこのリリックMVが公開されて、たぶんコロナ禍の中で急遽作ってくれたMVだと思うんだよね。
映画もこの再生総集編&完全新作の2本どちらとも名作だったし、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』というコンテンツそのものがスタッフに愛されまくっているのが伝わってくる。
あと本当にスタァライトのファンとスタッフはTVアニメ第7話『大場なな』の「眩しい?私は眩しいの。届かない。届かなくて、眩しい」が大好きだというのも分かるね。
この場面の大場ななの声、マジで神がかってて大好き。
逆に「えっ、このオーケストラ編曲で劇場版じゃないんだ!?」とびっくりした曲もあって、それがTVアニメ『takt op.Destiny』OP、ryo(supercell)&まふまふ&gaku『タクト』。
いつ聞いてもテンション上がるな~!!
ピッコロが入ると急激に本格感出るのが面白いし、この曲を1回でいいからドルビーシネマとか音響重視のスクリーンで浴びてみたかったかも。
アニメが2022年春に放映終了したのに対し、原作のソシャゲは2023年6月にリリース予定でまだ配信すらされていないし、ここから何とか劇場アニメに持ち込めたりしないですかね?