サイバーコネクトツーが4180円でDL販売している『戦場のフーガ』というSRPGにドはまりしていたのでその感想。
戦禍に巻き込まれた子達が巨大戦車タラニスと出会い
戦車内で農作物を育てたり、料理したりと自給自足生活を営みながら
ひたすら敵陣地へ侵攻し
敵軍兵器をなぎ倒していくという流れ。
基本的にはこの生活→進行→戦闘というサイクルの繰り返しになります。
私は10月17日に今作の体験版(3章までプレイ可)をDLし、その日からちょうど1週間後の24日にプレイ時間28時間でクリア。
とにかく全ての要素が私に合ってて、超楽しかったです!
以下、ネタバレ感想注意!
個性豊かなケモキャラたち
まずはじめに主役となる12人の子供たちがみんな個性豊かで可愛くてたまらなくって。
キャラデザ:時津 祐介氏の仕事が最高過ぎる!
一人ひとりの体格や顔付きをしっかり描き分けている細やかさとか、土煙っぽさが感じられるくすんだ配色とか、全てが私のツボでした。
全員大好きなんだけど、特に私の推しは一番右で口を抑えてるメガネ理工学系男子のソックスと、手前にいる耳付きヘルメットを被った幼女のチック。
ソックスのお手々とチックのヘルメットに飾られてるお花が可愛すぎるのよね。
一人だけ青髪の女の子、シーナのゆるい三つ編みヘアも素敵だし、一人だけ丸々とデカいボロンの巨体っぷりも特定の層には性癖なんだろうなと思います。
敵軍総司令、シュヴァインの威厳ある風貌もたまらなかった!
軍帽を被って軍服ジャケットを肩がけするドーベルマン、敵ボスとして惚れ惚れするくらい格好いい。
ちょうどいい戦略性
戦闘パートは素早さ順で交互に撃ち合ってくターン制バトルなんだけど、私は何をさておいてもグレネード組で煙幕+炎上かけて、敵の自滅を待つという姑息スタイルでした。
敵が行動を起こすたびに結構な炎上ダメージが勝手に入るので、あとはキャノン組とマシンガン組を適度に入れてぼこすか叩いたり守ったり。
私がこのゲームで何が一番気持ちよかったって、煙幕状態に陥った敵が攻撃をmissる瞬間ですよ。
あの「ざっっまあ!!」って手を叩きたくなる感覚が快感過ぎる。
戦車内で完結する自給自足生活
生活パートことインターミッションパートでは畑を耕して農作物を育てたり、その収穫物で料理をしてご飯を食べたり、洗濯物を干したりお昼寝したり出来るんだけど、そういう日常生活を4階建ての戦車内で全部まかなっているところがすごく好きです。
移動する巨大戦車の中で子供たちだけで暮らすって、夢があって楽しそう。
農作業や料理といった作業ごとに一枚絵のカットインが入るんだけど、それがまた素晴らしくて!
土いじりなんて一番やりたくなさそうな都会っ子のカイルが鍬持って頑張ってるのもいいし
ぷにぷにのブリオッシュことプニオッシュを超楽しみにしてるメイ&ボロンも食いしん坊で可愛い。
道中でメンバーが加わるごとに登場キャラが変化するところも凝ってていいなあと思います。
たとえばお昼寝タイムのカットイン。
序盤はマルトが欠伸をしながら入ってきて、メイに絵本を読み聞かせしてるのはソックスなんだけど
後半ではジンが目を擦りながら入ってきて、メイと一緒にお人形を寝かしつけているのはシーナだったりする。
こういう細かいところにキャラ達への愛を感じられて大変に良き。
音楽は.hackシリーズのLieN!
今作の音楽を担当しているのは、ボーカル:三谷朋世と作詞編曲:福田考代の2人からなる音楽ユニットLieN(リアン)!
See-Saw(梶浦由記+石川智晶)やALIPROJECT(宝野アリカ+片倉三起也)と共に同会社制作『 .hack』シリーズを彩ってくれた方達です。
やっぱり最高なんよ!LieNは!
個人的なお気に入りはやっぱり『風伝哀歌 Breeze elegy』かな。
ゲームやアニメの戦闘BGMに合唱曲が用いられる事自体が私にとってはすごく性癖だし、それが物哀しい短調の調べなんだからさらに最高。
『轍に咲く花』も各章ボス戦闘で延々、それはもう延々と聞いたので好きかどうかも分からなくなってたんだけど、ちゃんと聞くとちゃんと良い曲ですね。
三谷朋世の声で歌われる造語コーラスはやっぱり良い。
各章ボス戦を切り抜けた時に流れる『友に捧げるアンサンブル』も彼らなりの凱旋曲でユニーク。
出だしの「アンサン~♪ アンサン~♪ 進もう~♫」の中毒性が半端ないし、この牧歌的で朗らかな雰囲気にまだ皆が12歳以下の子供であることが感じられて好き。
『戦場のフーガ』のサウンドトラックはサブスクでも聞けるので、LieNのみならずSee-SawやALIPROJECTのファンも是非聞いてほしい。
音楽の方向性は各ユニットとも全部違うんだけど、ファン層がかぶってるのは確か。
ソウルキャノンという悪魔のシステム
本作の目玉として公式サイトでも大々的に宣伝されてる「ソウルキャノン」システム。
搭乗員の誰か一人を戦車内部のコアに送り込むと
生体エネルギーが砲弾に変換・発射されて
その命と引き換えに、確実に敵を殲滅出来る生贄砲弾が打てますよ、っていうね。
……エグいっちゃあエグいのだけど、そういう悲劇的な選択が「出来る」というだけで「しなくてはならない」訳ではないので、こんなの使わなくてもクリア出来る設定にはなってます。
ただこれを撃ったか撃たなかったかでプレイヤーのゲーム体験は180度変わるはず。
そういうスパイス的な扱いで撃ってみるのも面白いのかなと思います。いや、私は撃たなかったけどね!?
推しの絆イベントが尊い
戦闘パートで敵の自滅待ち姑息戦闘スタイルを取っていると、どうしてもグレネード組(ソックス、チック、ハンナ、ジン)の出番が多くなってくるんですね。
特にチックの支援スキルが「スキルに必要なSPを減らす」というものなので、毎ターン状態異常スキルを使うソックスと組ませる事が多くて。
で、このゲームは各ペアごとに絆イベントと呼ばれる全3回の友好イベントがあって、勿論この2人にもあるんだけどやばい。やばいぐらい萌える。
まず第1回目。
「うーん、もっとボクでも改良できそうなのです
ブツブツ……」
「何が改良できそうなのー?」「えっひ!?ん、な、なんでもナイのです」
「どうしたのソックス?大丈夫?」
「あう、も、もちろんダイジョウブなのですよ」
「あんまり大丈夫そうじゃなさそうなの
しゃべり方も動きもカチンコチンだよ?」「ええぇと、あの……」
「なになに?」
「な、な、なんでもないのです……」
「変なの~?」
この1回目では女の子と喋るのが苦手なソックスが、チックに無邪気に接近されて戸惑ってるだけなんだろうなという印象でした。
ただ2回目!2回目の仲良しイベントからやばい。
「実はボク、あまり知らない女の子と
話すのがとっても、に、苦手なのです」「でも、この前よりは普通に話せるようになったよね?」
「メイと同じくらいの女の子だから慣れるのはそんなに
難しくなかったかもしれないのです」
「えー?なかよくなったからじゃないのー?」「あ、い、いや、もちろんなかよくなったのも
理由のひとつだと思うのですよ!?」
「アハハ、あわてるとまた普通にしゃべれなく
なっちゃうみたいね?」「面目ないのです」
「もっとなかよくなれば、きっと大丈夫だと思うの!
もっとわたしとたくさんお話したり遊んだりしようねー!」「うん、お手柔らかになのです」
か、かっわええ~~~!!
予想以上に6歳の幼女の方からがんがん距離詰めてくるし、それにおどおどしながら応える10歳理工学系オタク男子のやり取りが可愛すぎる。
自分より年上の男の子に対して押したり引いたり、可愛くからかえるこの小悪魔っぷり はどういうことなの……。
で、さらに衝撃的な3回目イベ。
「今なにしてるのー?」
「ちょっと新しい機械のアイデアを考えているのですよ
なかなか思いつけなくて苦労してるのです」「そうなんだー、本当に機械が好きなのね」
「機械というよりも機械工学や科学的なことが
みんな好きなのですよ、へへへ」
「そういえばわたしとはもう普通にお話できてるね!」「あっそういえば、いつの間にかぜんぜん
緊張しなくなったのです!」
「やったー!これでなかよしね!」「これもチックのおかげなのです!」
「じゃあ次は私をレディとしてエスコートしてくれる
紳士になってもらわなきゃねー!」
「エ、エスコート!?
そ、それはまた高い目標なのですでもチックのことは、ちゃんとひとりのレディと
思っているので難しくはない気がするのですよ」
「うふふ、うれしいな
楽しみに待ってるね、ソックス!」
今、恋愛フラグ立ったよね!?
初めてこの会話を目にした時は、switchを取り落としそうになるくらい萌えました。
これまでおっかなびっくりチックに接してたソックスが急に漢らしさを見せてくるのがいい、めちゃくちゃいいに決まってる。
会話の内容を見る限り、単に幼い男女の明確な友情成立のように取れる気がしなくもないけど、どうにかこうにか恋愛関係として成立してくれないかな~!?
私はチックをレディとしてエスコートするソックスが見たいよ。
他のペアだと、シーナとブリッツの2人は確実にこの後付き合うってことでいいんだよね?
「私もあなたみたいに優しくて強いひとになりたい」
「ボクはそんなに強くはないよ
でも、不思議なんだ君といると、闘う勇気が湧いてくる
君を守りたいっていう勇気が」
「それは私も同じよ、ブリッツ……闘いが終わっても、あなたと一緒にいられたら
すごく……すごく嬉しいわ」
「一緒にいるよ、シッポにかけて約束する」
結婚式には是非呼んでください。
これね~~~、大人しくて気弱なシーナの方から告白した形になるのがたまらなく良い。
そもそも他の皆は暖色系のカラーリングなのに、この2人だけ寒色系の色設定がされていることから、何か特別な関係になるんだろうなっていうのは予想ついてたんだけどね。
この2人だけは公式が決めた公式カプという感じがして安心します。
あと個人的にかなり意外だったのは、共に両親を亡くしているという共通点があるメイとジンの絆イベ。
「メイ、今日もがんばってるな」
「うん!
パパとママに、ちゃんとがんばってるっていうんだ!」「いい心がけだが、あまりそれを考えすぎるな
親父さんたちがお前に会いたくなられても困る」
「こまるの?」「ああ、お前を連れて行かれちゃ困る
それに親父さんより先にじぃじとばぁばに会って
村に帰らなきゃいけないんだろ?」
「へへへ、そうだった!
がんばるっていうのを、いっぱいためておくね!」
「ああ、そうしろ俺もお前が頑張っていられるように
ずっと守ってやる」
「えへへ、ありがとう!ジンにいちゃんも、パパとママに
がんばったっていうんだもんね!」「ああ、いつか……ずっと後でな」
ジン×メイちゃん、ありでは!?
通常パートではそんな素振り欠片も見せなかったくせに、絆イベに入った途端にジンがメイちゃんへの好感度を表に出してきてびっくりしました。
1回目の絆イベ時点で、両親の死を受け止めているメイに対し「お前えらいな」「お前にくらべりゃ俺はまだまだガキってことだよ」と伝えていたので、「ほ~~~~ん、ええ感じやん」と思っていたら!いたら!
そんなにあなたメイちゃんのことが好きだったの!?
ジンが最後に見せた穏やかな笑顔について考えると、きっと彼はメイの幼くて元気一杯な振る舞いに、勝手に勇気を貰っていたんだと思います。
両親の死を受け入れて、これからを生きていくという勇気。
「お前を連れて行かれちゃ困る」っていう発言も特に良い。
両親という死の幻想が彼女を迎えに来たら、その時自分に打つ手なんてないと分かっているから「困る」という表現になるんだよね。
こんなの「せめて今は俺の側にいて欲しい」って言ってるのと同じじゃん!
どれだけ幼い時に交わされた約束でも、「ずっと守ってやる」って約束したんだから、マジでこの先ずっと一生一緒にいてよ……。
家族との再会シーンにダダ泣き
10章でやっと家族達と念願の再会が叶ったシーンには泣きました。ダダ泣き。
皆、まだ、こんな、こんなにも小さかったの……。
ボロンがふくよかなお母さんにぎゅーっと抱きついている感じとか、カイルのお父さんが背を屈めて必死に息子を抱き寄せてる感じとか、もう全てに泣けて泣けて仕方なかった。
あんなに頼りにしてたソックスの背は、お母さんの肩にも届かないほど小さかった事にもびっくりしちゃって。
各自、親と面影が似通ってる部分があるのにもキャラデザの妙を感じたり。
12歳組はともかく8歳とか6歳とか、2桁の年にも満たなかったこんな小さな子達が自分達だけで戦い、自分達だけで暮らしていたのかと考えると胸が張り裂けそう。
ただただお互いがお互いの無事だけを祈り続けていたこと、再会に打ち震える揺るぎない愛が瞬時に見て取れて、本当に素晴らしい一枚絵だなと思います。
そしてここにジンの姿がないのがひたすら切ない。
シーナとブリッツにはそれぞれ家族に再会出来てる一枚絵があるし、ワッパは別に家族というものに対するコンプレックスなんてなさそうだけど、でもジンは違うでしょ?
自分にはもう迎えてくれる家族がいない事を痛感してすごく寂しかっただろうし、笑顔で談笑出来る皆に対してやっかむ気持ちも多少はあったはず。
でもそういう負の感情を全部抑えつけて、笑ってくれたと思うんだよ。
だから私は彼に幸せになって欲しいし、それを実現する最たる手段が「新しい家族を持つ」ということなら、私はその相手がメイちゃんだったらいいなと思ってます。
真っ当だから続く復讐劇
このゲームは家族愛というものをすごい真っ当に描いてるんだけど、それは敵キャラに対してもそうなんですよね。
例えば敵軍のフラム・キッシュ中佐。
しぶとくて執念深い女中佐というキャラ付けなんだけど、ライブラリーで読める手記を読むと、敵として対峙した時に見せていた激情が彼女の全てじゃなかったと分かるんですね。
敬愛する父をマルト達に殺された怒りで、変貌してゆく自分の有り様に狼狽えてすらいる。
「以前の私なら父上の教えの通り、命を奪うような真似は避けたはずなのに。私はどうすればいいのでしょう……」という弱りきった一言があまりに痛い。
彼女の敬愛する父上ことプレッツェル大佐を木端微塵に爆殺したのは、第1章のマルト達の方なんですね。
その死が彼女の理性のタガを外し、巡り巡って「工場の責任者」ことジンの父親の死へと繋がってくる。
ジンが「お前らが俺の父親を殺さなかったら、俺だって……!」と思っているように、フラムの方も「お前らが私の父上を殺したから、私だって……!」と思っている。
双方ともが全く同じ言葉を語る、被害者であり加害者。その平行線が哀しい。
平和的エンドロール
それはそうとして勝てば官軍!
無事敵軍総司令官をぶっ倒した主人公達には穏やかな日常に戻れるように。
エンドロールとして各々の後日談一枚絵が流れるんですが、私はどうにもボロン一家ののほほんとした感じが好きで好きでたまらないです。
添えられた「タラニスでみんなと食べた食事も楽しかったが、やはり母の料理は格別だった」の一言に、良かったね~~~!ボロン~~~~!と泣きそうになってしまう。
ボロンママ&パパの満面の笑みもたまらなく素敵。
2023年『戦場のフーガ2』発売決定!
とまあ、物語は幸せな結末を迎えたはずなんですが、何と2023年に『戦場のフーガ2』が出ます。
(以下画像引用先:『戦場のフーガ2』公式サイト | サイバーコネクトツー)
絶対に予約して買います。
公開されている開発途中情報を見るに、どうやら自分たちが苦楽を共にしてきたタラニスをぶっ叩く流れになるそうで。
……つまり今度はこっちがソウルキャノンを撃たれる側ってこと!?
そ、そんなの……絶対に面白いじゃん!!!
自分たちが使わないよう必死にこらえてきたあの生贄砲弾を、今度はばんばん使われる側になるかもというだけで今から楽しいね。
チック&ハックの出番も確定してて一安心。
チックの「むん!」って感じの新ポーズかわええ~。
髪の量が増えてくるくる毛先になってるところも更にかわええ~。
他画像を見るにシーナの出番も確定してるので、たぶんブリッツとジンも流れで出るはず。出てくれないと困るよ!
設定資料集の話とか
ゲームクリア後、kindleにて発売されている完全設定資料集も分冊分まとめて購入しました。
ゲームの舞台となるガスコは、かつて「フランス」と呼ばれた地域が浮き上がって出来た浮島という裏設定は新発見。
言われてみればフランスの地形そのもの!
だから首都戦の背景にはエッフェル塔らしきものが映り込み
フィールドBGMのタイトルも『花の都、燃えて』だったんだな。
花の都と言えばもちろんパリ。
確かに味方軍の軍服はフランスっぽかったし
敵軍はドイツっぽかったな。
ただ敵軍であるガスコ軍のほうが兵器のデザインは優れてるよね。
兵器である戦車にまで、ちゃんと犬耳ヘルメットつけちゃうところがすっごく可愛い。
ついついお耳のところをぴかぴかに磨いちゃう敵軍兵士とか、それをからかう先輩兵だとか、そういう和やかな手入れの時間だってあったんだろうなと思うとやり切れないな。