2022年6月前半にハマっていた8曲の紹介。
先月の後半記事(一旦上げたものを書き直して、来月に持ち越す)には懲りたんだけど、今月も同じ轍を踏みそうな感じがする。
各曲感想はあったりなかったり……といつもなら言ってるんだけど、今回は全曲分あります!珍しい!
アーティストの五十音順にするのはいつも通り。
・ACIDMAN『スロウレイン』
・カリスマ/ 天堂天彦『VIVA LA LIBERATION』
・JAKIGAN MEISTER『薩婆訶-そわか-』
・DUSTCELL『足りない』
・贄の町OP / 黒丸『オアシス(Full.ver)』
・春ねむり『生きる』
・林田匠『ドウズ』
・Mili『world.execute (me) ; [Key Ingredient ver.]』
後半はどうしようかなあ、もしかしたら2022年上半期マイベストとしてまとめるかも。
ただ現時点で65曲あって、もう2021年の77曲に迫っててびっくりする。
このペースでいくと年末には100曲超えてるんちゃうか……。
あと最後の余談で『贄の町』こと18禁BLゲームの話をしているので、該当ゲーム未プレイ者はネタバレ注意。
いや、ごく一般的な音楽感想のあとに成人指定のBLの話をするなって思うんだけど、この機会を逃したらもう『贄の町』の話自体をすることがなさそうなので。
それぐらい、私とこのゲームを繋いでいるのはOP映像だけなんですよね。
この世界に溢れるその全ての音に 意味が在るように
2006年、つまり16年前に発売された曲らしいんだけど、今週のヒットチャートに載っていてもおかしくないくらい瑞々しくてびっくりします。
そりゃ録音環境は今と比べれば悪いんだろうけど、それを感じさせないくらい王道のバンドサウンドをしているなと思うよ。
曲調の爽やかさとは対照的に、歌詞はそこまで元気いっぱいという訳ではないというか、むしろ真摯に死を見つめているギャップがあって好きです。
「君は最後の風に乗って
鮮やかな風に乗って
空に舞い上がり手を振った」
のサビなんて「え、もしかしてこの"君"って亡くなってる?」って思ったし。
だからこそ「この世界に溢れる命の その全てに意味が在るように」と願う切実さに、この曲なりの哲学が見えて嬉しかったです。
「何度も探していた
星が生まれた その意味を
生かされる日の その意味を
あなたが笑った その意味を」
生まれた意味を探すのは、生まれた意味が分からないから。
でも今曲はその疑問に対して「それでも届くように」「それでも続くように」と答えを出した。
その姿勢が尊敬に値するなと思います。
生まれたまんまで 人間万歳!
Youtubeでドラマトラックやミュージックピデオなどを配信し、展開している女性向けコンテンツ『カリスマ』から発表された一曲。
何か書こうと思っても「全部下ネタじゃねえか!」の一言になるっちゃなるんですが、私は女性向けジャンルのこういうノリが嫌いじゃないし、たぶんずっと嫌いじゃないまま生きていくのだと思います。はい。
一応分からない単語とかも調べてはみたんですが、もうぜ~~~んぶ性行為の暗喩!
男性器の比喩!これの何にどう言及しろと!??
「欲望の奴隷よ 貴方こそ美しい」
「リビドーは生存だ 貴方こそ愛おしい」
「生まれたまんまで 人間万歳!」
と、合間合間に何か良いこと言ってる箇所があるからまだここに書けるけど、そうじゃなかったら今曲を好きになったことすら公言するかどうか怪しい。
いや、「くっっだらね~~~!」と「実は、すごく考え抜かれて作られているのでは?」との間を鮮やかに駆け抜けるワードセンスは見事だけども!
プラス、インド映画のような派手さや、はちゃめちゃ具合をそのままメロディーと編曲に落とし込んでるところも素晴らしい!と思っていたら作編曲:月蝕會議だそうで。
そりゃ好きになるわ。
知らぬ人は僕を貶して 知る人は禁忌とする
誰にも罪はない
ヴィジュアル系バンド、ナイトメアに属するメンバー:咲人によるソロプロジェクト内の一曲。
ナイトメアと言えば、アニメ『DEATH NOTE』1期のOPや『魔人探偵脳噛ネウロ』OPを担当したバンドなので、15年前の深夜ジャンプアニメ好きには有名のはず。
今曲は2017年に発表された曲なんだけど、なぜかハイレゾ?って思うくらい音質がいい。
聞くところによると、アコギによるパーカッションやベースも全て一人で弾き、その多重録音したものの上に重ねて弾き語りをしているそうで。
今曲にある、ずっと一人で何かぶつぶつ呟いてるような自責の雰囲気は、そこから来ているんだろうな。
彼の中でだけリフレインし続ける喪失の悲しみは誰にもどうしようもなくて、だからこそ見ているこちらの心を打つものがある。
何というか、やっぱり皆、誰しもが寂しいんだなと思います。きっと、ずっと。
あと私の探し方が悪いのか、検索かけても歌詞がどこにも載ってなくて驚いてる。
一応聞き取った歌詞を載せておくけど、あんまりあてにしない方が良さそう。
【歌詞】
まだ夢の中
もういない君 追いかけて 歩みゆくもう何度目か
花も散り 邂逅の時 待ちわびて
それなりの時間が経った今
それなりの年を重ね次第に君が朧となる
失われる物語
知らぬ人は僕を貶して
知る人は禁忌とする誰にも罪はない
いつか輪廻を超えた君が
星のどこかに生まれ悪意に染まる影にすらも
無邪気に笑いかけるこんな世界も愛してみてと
君はきっと言うだろう悲しいね
また会えるよね その日まで深く静かに
おやすみ
『薩婆訶』は仏教用語で”成就あれ”という意味。
ただひたすら再会の時を待つ、痛みを湛えた眠り歌に相応しいタイトルだと思います。
君に触れた日々が 嘘でできていたとしたって 構わないよ
ドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』ED。
『アネモネ』『LAZY』『ORIGINAL』『火焔』と去年から地味にファンになっていたDUSTCELLがドラマタイアップに抜擢されてすごく嬉しい!
ただ彼女達の曲にしてはかなりゆったりめのテンポで、やっぱりドラマのEDとなると、歌詞が聞き取れるくらいのスピードじゃないと駄目なのかな?
普段だったら、今曲のサビには後6倍くらいの単語量を詰め込んできそう。
歌詞は「黒のネイル塗って」で指定している通り、最初から最後までホスト編のゆあてゃのことを歌っていると思う。
そう考えると「誤魔化していた心ごと 上書きして 明日も遠くの街へ繰り出そう」があまりにエグすぎるよね。
だってこれ出稼ぎ風俗のことでしょ?
遠くの街で一日中ずっと男性客の相手をして、大金を稼いで、そしてまたここ歌舞伎町へ戻ってきての繰り返し。
なんかもう本当、彼女達の人生が3章の整形の彩みたいに、何だかんだで覚悟決めてやっていけるものでありますように。
ただ彩の整形は誰の為でもなく、常に自分の為だったから情緒が安定しているんだろうけど、そこにホストが、恋が介入してくるとそんな事言ってられないのも分かるよ……。
「そう言えば本編やったなあ。懐かしい」と、無印版OPを見返したら相変わらず最高だったので、プレイ時から4年経った今、ようやくサウンドコレクションを買ってフルを聞きました。
OPで流れてるサイズは1分30秒間で、フル版は3分15秒。
つまり+1分45秒のためだけにサントラ代3300円払ったんだけど、払う価値は十二分にある!
2番Bメロからアウトロのフレーズ×2に繋がっていくところはサプライズだったし、「この時間が最後 笑って過ごそうよ」の後が1番だと「飲み込まれる前に」、2番だと「さよならを目前に」になり、彼ら2人の関係の変化を感じさせてて好き。
こういう事があるから、やっぱりゲームの主題歌ってフルを聞かないと駄目なんだなと思います。
でもやっぱり一番はボーカルの声!
微かに掠れて僅かに甘いファルセットが、『贄の町』というゲームのレトロポップな色彩にマッチしていてもうメロメロ。メロメロなんです。
うつくしく生きたえる 愛してるを重ねて
最初から最後まで「How beautiful life is !:なんて人生は美しいんだろう」と歌い続ける、パワフルな生命讃歌の曲ですが、サビでの眼差しは逃れられない滅びを見つめているところが好きです。
「うつくしく生きたえる 愛してるを重ねて
ゆるやかに滅びてく 惑星のかけらになるまで」
「いつかみんな息絶える さようならを重ねて
ゆるやかに滅びてく この惑星で生きている」
このボーカルの快活な声だからこそ、たまらない気持ちになる。
「愛してるを重ねて」「さよならを重ねて」
結局のところ、始まりと終わりを重ね続いてく命の根源にある、原初的な喜びというものに触れた気がします。魂が洗い清められる感覚。
わたしとあなたは 確かな不確かさを 確かに知っていた
あなたがわたしと同じなら それが確かになるなら
原曲の feat.初音ミク版もかなり好きだったけど、制作者によるセルフカバーの今曲はもっと好き。
タイトルの正式名称はMVを見る限り、『ドウズ (J. DOES)』だそうで。
これは歌詞に出てくる「ジョン・ドゥ」「ジェーン・ドウ」=名称不明の人物達、のことであるはず。
英語で「名無しの権兵衛」に相当するのは、ジョン・ドウ (John Doe) である。
Doe 自体に架空の姓の意味がある。
ジョンは、ありふれた男性の名前であり、女性が対象となる場合は同様の理由でジェーンが用いられ、ジェーン・ドウ (Jane Doe) となる。複数の「名無しの権兵衛たち」を表す場合はそれぞれジョン・ドウズ (John Does)、ジェーン・ドウズ (Jane Does) となる。
私、てっきりタイトルの『ドウズ』は doze:微睡む、うたた寝する という単語からきているとばかり思っていたので、今曲のMVを見て「あ、そっちだったの!??」とかなりびっくりした。
でも「貪る眠りの 強かなその程度がより増した」「浅くなる夢の向こう側 酔わず揺らいでました」とも歌っているので、doze の方でもそこまで間違いという訳ではなさそう。
個人的に抱いている今曲のイメージは、曇天の春の午睡に、微睡みながら見ている軽めの悪夢。
誰でもない男と誰でもない女に挟まり、身動きが取れなくなってる不気味さが感じられて、すごく好きな一曲です。
I've studied I've studied how to properly LO-O-OVE
(勉強したよ 勉強したよ 正しいア・イのやり方)
原曲の『world.execute(me);』はMiliの楽曲の中でも1番と言っていいほど好きなんだけど、ピアノ一本でアレンジされたこの [Key Ingredient ver.] も最高に好き!
ディストラクション(破壊)とリストラクチュア(再構築)された『world.execute(me);』にまた出会えるなんて、いやはやオタク人生、長生きはしてみるものだなと!
もうおしゃれなカフェの昼下がりにBGMとしてかかっていても不思議じゃないアレンジじゃないですか?
歌詞の内容は全然そんな平穏とは程遠いものなんだけど……。
という訳で歌詞を引用するにあたって、原曲のMVを貼っておこう。
本っっ当にマジで大好き……!
歌詞が字幕の設定で20言語(すご過ぎ)出るんだけど、そのうち英語と日本語字幕を並べたものを載せておきます。
思いっきり自分用なんだけど、でも今曲に関わる全てが狂おしいほど大好きだよ。
【歌詞】
Switch on the power line:電源を繋いで
Remember to put on :必ず装備をしてください
PROTECTION:絶縁用保護具を
Lay down your pieces:捨て駒を並べて
And let's begin:始めましょう
OBJECT CREATION:オブジェクト生成Fill in my data, parameters:パラメータを入力してください
INITIALISATION:データ初期化
Setup, a new world:新たな世界を設定し
And let's begin the:始めましょうSIMULATION:シミュレーションを
If I'm a set of points:もしも僕が点の集合であれば
Then I will give you my:君に捧げます
DIMENSION:僕の次元をIf I'm a circle:もしも僕が円であれば
Then I will give you my:君に捧げます
CIRCUMFERENCE:僕の円周を
If I'm a sine wave:もしも僕が正弦波であれば
Then you can sit on all my:お気軽に座ってください
TANGENTS:僕の接線の上にIf I approach infinity, :もしも僕が無限大に近づいたら
then you can be my:君はなってくれますか
LIMITATIONS:僕の極限に
Switch my current:僕の電流を切り換えて
To AC to DC:交流から直流へAnd then blind my vision:僕を盲目にしてください
So dizzy, so dizzy:目眩きます 目眩きますOh, we can travel:僕とタイムトラベルしませんか
From A.D to B.C:西暦から紀元前へAnd we can unite:そして僕と結びましょう
So deeply, so deeply:深くまで 深くまで
If I can:もしも僕が
If I can, give you all the:もしも僕が君に捧げることができたら
STIMULATIONS:刺激をThen I can:そうしたら
Then I can, be your only:そうしたら僕は君を
SATISFACTION:満足させられますよねIf I can make you happy:もしも僕が君に幸せを捧げることができたら
I will run the:僕は全てを
EXECUTION:実行します
Though we are trapped:しかし僕らは閉じ込められています
In this strange, strange:この奇妙な奇妙な
SIMULATION:シミュレーションの中
If I'm an eggplant:もしも僕がナスであれば
Then I will give you my:君に捧げます
NUTRIENTS:僕の栄養をIf I'm a tomato:もしも僕がトマトであれば
Then I will give you:君に捧げます
ANTIOXIDANTS:僕の抗酸化物質を
If I'm a tabby cat:もしも僕がトラネコであれば
Then I will purr for your:ゴロゴロしてあげます
ENJOYMENT:君が喜んでくれる限りIf I'm the only god:もしも僕が唯一の神様であれば
Then you're the proof of my:君は僕の
EXISTENCE:存在の証明
Switch my gender:僕の性別を切り換えて
To F to M:女から男へAnd then do whatever:好きなようにすればいい
From AM to PM:朝から晩までOh switch my role:僕の役割を切り換えて
To S to M:サディストからマゾヒストへSo we can enter:そして僕と行きましょう
The trance, the trance:トランスへ トランスへ
If I can:もしも僕が
If I can, feel your:もしも僕が感じることができたら
VIBRATIONS:君の振動をThen I can:そうしたら
Then I can, finally be:そうしたら僕はやっと
COMPLETION:完全になれるのでしょうThough you have left:それでも君が行っちゃった
You have left:君が行っちゃった
You have left:君が行っちゃった
You have left:君が行っちゃった
You have left:君が行っちゃったYou have left me in:僕を捨てて
ISOLATION:孤独の中
If I can:もしも僕が
If I can, erase all the pointless:もしも僕が削除できるのならば
FRAGMENTS:無意味な破片をThen maybe:そうしたら
Then maybe, you won't leave me so:そうしたら僕はこんなに
DISHEARTENED:がっかりしないよねChallenging your god:神様に逆らって
You have made some:君が渡してしまったね
ILLEGAL ARGUMENTS:不正な引数を
Execution,:実行します
Execution,:実行します
Execution,:実行します
Execution,:実行します
Execution,:実行します
Execution,:実行します
Execution,:実行します
Execution,:実行しますExecution,:抹殺します
Execution,:抹殺します
Execution,:抹殺します
Execution,:抹殺しますEin:いち
Dos:に
Trois:さん
Ne:し
Fem: ご
Liu:ろくEXECUTION:抹殺します
If I can:もしも僕が
If I can, give you all the:もしも僕が彼奴らに与えるのなら
EXECUTION:死刑をThen I can:そうしたら
Then I can, be your only:そうしたら君は僕だけしか
EXECUTION:実行できないのだろうIf I can, have you back:もしも君が戻ってくれるのなら
I will run the:僕は何もかもを
EXECUTION:抹殺しますThough we are trapped:しかし僕らは閉じ込められている
We are trapped ah:閉じ込められているよ
I've studied:勉強したよ
I've studied how to properly:勉強したよ 正しいやり方
LO-O-OVE:ア・イのQuestion me:質問して
Question me I can answer all:質問して 達人だから何でも答えるよ
LO-O-OVE:ア・イをI know the algebraic expression of:代数方程式まで 全部分かるよ
LO-O-OVE:ア・イの
Though you are free:君は自由になった
I am trapped, trapped in:しかし僕はまだ閉じ込められているよ
LO-O-OVE:ア・イの中
EXECUTION:抹殺します
何もかも全てが完璧で、特にMVに使われているあの一枚絵の素晴らしさには言葉を失うものがあります。
いわゆる電源マークに模して囚われている、world.excute(me);=世界が抹殺する「僕」。
あの電源マークって、そもそも「0と1」の組み合わせを表しているんですよね。
「0」が電気が通っていない状態で、「1」が電気が通っている状態。
それを踏まえて見ると、本当、吐き気がするほどおぞましい絵だなと思います。
白色蛍光灯のような0の上に、1としての「僕」が突き刺さっていて、つまり1の僕がいるから、この世界は通電し作動している訳で。
world.excute(me); された世界はそのまま電源が落ちて、それでおしまい。
だからあの絵は磔刑の構図をしているんだと思う。
世界に処刑される、神の死に方。
余談
この時間が最後かもしれない『贄の町』の本編話。
本編のストーリーやキャラに関してどハマりこそしなかったもの、一枚絵のセンスはいつ見ても素晴らしいなと思う。
昭和レトロな幼児趣味で、エログロナンセンスを描くぞ!というコンセプトが一貫しているところがいいね。
ゲームジャケットや、2018年3月号の『Cool-B』で書き下ろされたイラストもそういうおままごとみたいな不謹慎さ全開ですごく好き。
キャラで一番好きだったのはあすく君かな~。
OPでは金属バッドぶん回してヤバい奴扱いされてるけど、どう見てもこの子が攻略対象の中では一番まともだし、次に映るココと成臣のイベントに比べればあの暴力シーンだってかなりまとも。
ココは耳に指突っ込みながら鼓膜を潰すうんぬんかんぬんの話をしてくるし、成臣に至っては腸をぶちまけながら主人公が気絶するまで、した後も犯してくるシーンでしょ?
攻略対象の中で一番やばいのはマジで朽葉成臣なんだって!
OPの人物紹介カットであすく君に「狂気」が割り当てられているのを見るたび、「それは成臣の方につけろや!!!」といちいちキレてるぐらいには、あすく君はまとも。
いや、私は成臣のことも結構好きなんですが、でも本当に彼は脊髄まで精液で出来ているような男なんですよ……あの顔で……。