少女の罪と地獄の輪廻 Switch「返校-Detention-」【感想】

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返校 -Detention-|オンラインコード版

返校 -Detention-|オンラインコード版

 

1960年代の台湾を舞台にしたホラーゲーム「返校」をSwitch版でクリアした。 
興味をもったきっかけは、「VA-11 Hall-A」のPLAYISM繋がり。

VA-11 Hall-A (ヴァルハラ) - PSVita

VA-11 Hall-A (ヴァルハラ) - PSVita

 

PVを見終わった瞬間に「やる!!!!」とsteam版を買ったのだけど、結局クリアせずに放置していた。
が、先日Switch Liteを購入したのをきっかけにSwitch版を購入。
携帯機での手軽なプレイもあり、3時間程度でクリア。

ゲームの雰囲気は、PVが全てだと思う。絶対に見て欲しい。

100点満点中100点のホラーADVだった。
台湾でかつて行われていた思想弾圧に、学校という閉鎖された空間、そしてそこで発生する教師と生徒の人間関係が上手く絡み合って、もんのすごい深みが出ている。

以下、ネタバレ感想。


ゲーム本編のネタバレは以下のような感じ。

舞台は、思想弾圧が行われていた時代の学校。
が、その中で政府の目をかいくぐって、学問を教える教師と、その教えを請う生徒がいた。

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少年(ウェイ)はその生徒の一員。
一方、レイは父親の不倫からくる家庭内の不和に苦しむ少女。
相談に乗ってくれたカウンセラー兼、政府に反し自由を教えてくれた男教師(チャン先生)に惹かれ、次第に恋仲になる。
が、ある日、この関係性を解消しようとした男教師の裏切りに絶望。
教師陣を政府に密告し、男教師は死刑、ウェイ達一部の学生も10数年に亘る拘留措置を受けることに。

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自分のしでかした罪の重さから、レイは自殺。
自ら命を断った魂はどこにも行けず、ひたすら学校という場所で、過去の再現を繰り返すのだった……。

結末は、そういった過去のことを探索時に「自分の手で運命を掴み取る」選択肢を選ぶか否かで分岐。

運命に流されるままのノーマルEDだと、レイは首を吊って自殺。
賽の河原のように、贖いのループをまた一から始め続ける。
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運命に抗うトゥルーEDだと、視点が、時を経て中年になったウェイに切り替わる。
現在の廃屋となった学校を訪問し(ここでタイトル、返校を思うと泣けて泣けてしょうがない)かつての学び舎で、魂となったレイと向き合ってエンドロール。

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プレイを終えて思ったのが、このゲームの主人公はやはり2人だ。
ウェイとレイの2人。
少女の地獄と、少年の地獄。
2人が出会って迎えるトゥルーEDに私はダダ泣きしてしまった。

死に続ける少女と、生き続けた少年。
そのどちらもが学校という地獄に囚われ続けた歳月を思うと、どうしても泣けてきてしまう。

作品のキーワードは、輪廻、というか繰り返し
サントラの曲にも輪廻転生という意味の「Cycle of Samsara」が(Ending Theme 1)としてあるのが一点。

Cycle of Samsara (Ending Theme 1)

Cycle of Samsara (Ending Theme 1)

  • provided courtesy of iTunes

もう一点、レイが、恋人だった教師を密告した手口は、不倫された母親が父親に対して行った報復と全く同じ。
ここでも輪廻、というか血縁関係による再現がなされている。

レイが行った密告の罪は、幾人もの未来を奪ったあまりに大きいものだ。
でもそれを知る頃、プレイヤーは、レイを簡単に非難できなくなっている。
そこがこのゲームの偉大な点だと思う。
レイの過去、そして罰をプレイさせることで、彼女の苦しみ、嘆き、チャン先生への思いを肌で感じているからだ。
あれだけ世界が極彩色に見えた恋を、知っている。

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私がプレイ後に思い浮かんだ曲の歌詞が2つある。
PCゲーム「さよならを教えて」の主題歌と、少女革命ウテナの挿入歌、J.A.シーザー「肉体の中の古生代」だ。

そして無にもなれずに無明をさまよう 歪んだ肉細工

肉体の中の古生代 生き続ける 死に続ける 語りかける古生代

 魂が囚われるという考えをすると、自殺って怖いなと思いました。