Aimer「I beg you」を聴きました。
すごいおぞましい曲です。梶浦由記は天才。
耐えがたいほどの怒りが根底にあるのに、口先だけは上っ面の甘言を語る女。
そういう人って現実にもいますよね。
「なんで自分や世界のこと大嫌いなのに、それに愛されたがるの?」って違和感を覚えるような人。
それとおなじ、哀しくておぞましい女が、ここにはいて。
この醜さは、Aimerの歌声と梶浦由記の音楽でなければでなかったと思います。
被虐待児(=間桐桜)による、無垢で醜い愛の乞い方。
抑圧されすぎてしまった怒りを、ここまで音楽に昇華したこと自体にゾッとします。
私はただヘッドフォンをして、CDを再生しているだけ。
それなのに、こんな感情に触れてしまえて、なおかつその怒りに侵食されてしまうことが、怖い。
母音の「ai」で韻を踏んでいる箇所が多いですね。
間奏の歌詞だと特に分かりやすいかな。
「lie , lie , lie , you're to be with me
雷鳴の咲くところ
惨憺たる heavenly feeling
愛だけ残ればいい」
「らい らい らい ようあとーうぃずみー
らいめいのさくところ
さんたんたる へゔぃりーふぃーりんぐ
あいだけのこればいい」
愛を、Iを、会いを、
足裏で踏みにじっていくようなドラムとエレキ。
足裏で踏みにじっていくようなドラムとエレキ。
彼女はきっと、何もかもを許せない。
怒りたかったのに、嫌だったのに、そんな嘆きはずっと無視され続けてきたから。
2番のAメロからかかる「あ、あん あん」というコーラスが辛い。
子供じみた無垢さもあるそれは、性的虐待も受けてきた彼女の声のよう。
男の、無意味な欲望を受け止めるだけの喘ぎ声。
だからこそ間奏の、ストリングスが見せる光に泣いてしまうね。
「きずな結んだ遠い春の日の 傷跡さえも消えてしまうの」
「やがてキラキラ夢の中
朽ちていく光は貴方に届くはずだから」
今曲は劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」2章の主題歌。
3章がどのような曲になるのか楽しみすぎるし、
この曲の解釈をしたくて原作も買いました。
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