僕らは水の中で生きるだろう / アニメ「オカルティック・ナイン」【1話~4話 感想】

オカルティック・ナイン 1(完全生産限定版) [Blu-ray] オカルティック・ナイン 2(完全生産限定版) [Blu-ray]

アニメ「オカルティック・ナイン」を見返したので、まずは4話分の感想。
予約してまで買ったゲームの限定版がマジのクソゲーで、コンプする気も起きずに放置しつつ、それでもやっぱり私はオカ9(こう略すのが一番しっくりくる)が大好きだという感情を思い出したくて。
せっかくの再視聴なので、話数ごとに使用されているサウンドトラックや、コンテ・演出、サブタイトルに引用されている洋楽タイトルについても調べてはみた。
ただ観ればみるほど、このアニメの好きだった部分が分かるんだけど、同時に全部が好きな訳じゃなかったんだなと思う。

個人的にアニメっていうのは、連続する12個のサンドイッチだと思っていて。
OP&EDが食バンで、本編が具で、音楽はなんというかドリンク。
食パンと飲み物さえ美味しければ、サンドイッチなんて何を挟んでも食べられる、そんなイメージ。
だけど今回の再視聴で、ようやくちゃんとそのサンドイッチごとの具の味が分かるようになった。
「同じ脚本家だけど、回ごとに好き・微妙があるのはコンテ・演出が別人だからか。
 だったら私は、こっちの人の方が好きだなー」と、自分なりの噛み方、アニメの楽しみ方がようやく掴めた気がする。
 
そういう意味では、オカルティックナインはべらぼうに噛んでて楽しいサンドイッチだった。
志倉千代丸による主題歌と、科学的知識に基づいたオカルティックなストーリー
横山克によるガキガキとして派手でハイテンションな音楽に合わせた、
監督:イシグロキョウヘイや副監督:黒木美幸等、コンテ・演出によるこれまたハイテンポな映像画面。
pako&高瀬智章の絵や、声優陣の熱演、背景をはじめとしたアートワークスに至るまで、どこを噛んでも美味しい。脳にガツンとくる、二郎系科学調味料ラーメンの味がするサンドイッチ。
まあ、その分くどいし飽きがきちゃったりもする訳だけど、それでもやっぱり、私は全部好きだよ。オカルティック・ナインの全部が好きだ。

 

 

Site 01  たくさんの人  Underwater

シナリオ:高木 登 コンテ・演出:イシグロキョウヘイ 作画監督高瀬智章
サブタイトル:MIKA「Underwater」
Underwater

Underwater

  • MIKA
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 <アバン>

1-2.2016年2月29日

<Aパート>
1-3.倍ヲRHYTHM→2-1.我聞悠太のイメージ→2-3.りょーたすのりょーたす→
1-21.829→2-5.橋上サライの解読→2-13.澄風桐子の存在→1-8.回避力

<Bパート>
2-9.紅ノ亞里亞の代わり→2-11.日下部吉柳の幻影→1-19.捜査操作→
1-4.未知導→1-5.世紀末思想→1.6.熱℃→1-2.2016年2月29日
 
タイトルの台詞は我聞悠太。
256事件の発生&9人の立場紹介&みゅうぽむとの出会い&橋上教授殺人事件を25分程度に詰め込んだ超高密度回。
こんなボリューミーな内容を詰め込んでコンテきれるのが、さすが監督のイシグロキョウヘイ氏。
作画監督がキャラクターデザインの高瀬智章なだけあって、キャラクターもみんな美人すぎるくらい美人。
 
この話で一番好きなのは、MIKA「Underwater」をサブタイトルに持ってきたとこ。
この曲はアニメの「2016年2月29日」とは真逆でありつつも、256事件を完璧に想起させる力がある。
2曲セットで256事件なんだと、初めて「Underwater」を聴いた時は震えた。
存在しない2016年2月29日、リフレインして重なり合う水の底で、未だ息をしている彼ら。


Underwater, we could live underwater」 (水の中で、僕らは水の中で生きるだろう)
Flying through a bright blue sky   with a space boy high
 From the world  I've left behind
 It's enough to lose my head  Disappear and not return again
(鮮やかな青空を飛んでゆく 高く、宇宙少年と一緒に
 僕が後に残す世界から 驚き慌てた僕が姿を消して  二度と目撃されなかったとしても不思議じゃない)
など、オカ9のラストに繋がるようなフレーズも多く見られるし、雰囲気も最高だし素晴らしすぎて震える。
今曲が収録されているアルバム「The Origin Of Live」も名盤。
 
 
Site 02  運命を変える力なんて無いから  My Cold Dimension


シナリオ:高木 登  コンテ・演出:黒木美幸 作画監督:道下康太
White Heaven「My Cold Dimension」/ 1991年・日本のロックバンド

<アバン>
2-7.相川実優羽のビジョン→1-9.陰鬱

<Aパート>
2-18.森塚駿の探索→1-12.口切る→2-18.森塚駿のテクニック

<Bパート>

2-5.橋上サライの解読→2-5.橋上サライの確認→1-20.考察交差点→
2-3.りょーたすのりょーたす→1-15.味気不→2-11.日下部吉柳の幻影→1-21,829

タイトルの台詞は、みゅうぽむ。
コンテ・演出はEDも担当している副監督:黒木美幸。
演出のセンスとして、個人的に一番合うのは、この黒木美幸副監督。
電磁波過敏症の男やぞん子、サライの反撃など、暴力的な怒声の音声とは対照的に、刹那に美しい画面。
そのギャップで生じるセンシティブこそがオカ9だという気もする。

 

キャラクターの吐く息が白くたなびくのも、この2話の大きな特徴。
温かい缶コーヒーにミルクティー、マフラー等、冬の冷たさを伝えようとする演出が凝らされている。
舞台は、2016年2月なんだよね。
ただBGMに季節感皆無なので、そこまで冬という感じもしないけど。

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この話を見る度に、いつも泣けるのが
わたしには、運命を変える力なんて無いから……あなたがさ、自分で動かなくちゃ
というみゅうぽむの声。

声優さんの演技がいいのは勿論のこと、この台詞がサライの事件解明の原動力になっているんだと思うとグッとくる。
ぶっちゃけサライと澄風さんが謎解き係みたいなものだし……。
 
White Heaven「My Cold Dimension」については、収録アルバムに歌詞カードも付属してないらしいので詳細不明。
サイケデリックなロック・ミュージックで、初聞時は米ロックバンドのThe Doors に似てると感じた。


 

 
Site 03  妄想だったのだろうか  She Cracked
シナリオ:高木 登 コンテ・演出:矢嶋 武 作画監督:山口 智
<アバン>なし

<Aパート>

2-15.西園梨々花の本当→1-20.考察交差点

<Bパート>

1-15.味気不→1-11.非心しみ→1-10.旧→2-13.澄風桐子の存在→1-12.口切る→1-9,陰鬱→1-17.∞混乱→1-2.2016年2月29日
 
サブタイトルの台詞は、亞里亞
森塚&西園の会話と、亞里亞の過去エピソード回。
森塚の魅せ方がとても上手い。

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だって僕こう見えても、あなたの漫画に出てくる刑事ですから
森塚への好印象は、ほぼこの回の矢嶋 武演出によるものだと思うよ。
 
サブタイトルはthe MODERN LOERS「She Cracked」より。1970年代の洋楽。


 

 
Site 04  犯人は我聞悠太だ Psycho Daisies

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シナリオ:イシグロキョウヘイ コンテ:原田孝宏・イシグロキョウヘイ 演出:原田孝宏 作画監督:高田 晃

<アバン>
1-2.2016年2月29日→1-16.鬼気危機

<Aパート>

2-1.我聞悠太のイメージ→1-3.倍ヲRHYTHM→2-3.りょーたすのりょーたす

<Bパート>

2-12.日下部吉影の中→2-11.日下部吉影の幻影→1-10.旧→1-5.世紀末思想→
1-6.熱℃→2-2.我聞悠太の周波数→2-5.橋上サライの解読

サブタイトルの台詞は我聞悠太。
3月2日、256事件発覚&日下部吉影と亞里亞の邂逅&サライとの邂逅などなど。
コンテ・演出が原田孝宏。1話と似たような雰囲気だけど、アップと引きのメリハリがより効いてる画面。
なんか割とぬるぬる動く回。がもたんがPCの前に座るシーンとか、そんな動かす必要なくないですか。
 
亞里亞の狂気に満ちた瞳と声が、日下部の声によって我に返るところには鳥肌が立つ。
ぱっと放した遮断器の影が境界線で、ふっと光が宿るあの尊さ。

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それで、別にマトモに戻るわけじゃないのが、亞里亞のいいところだよね。
 
Aパートのがもたんは半端ないウザさだったけど、Bパートの
はぁ……今日は疲れたな。
 いつもの通り振る舞ったつもりだけど、怪しまれてないかな。」とベッドに寝転びながら、父親とのラジオを掲げてるシーンで全部許した。
なかなかにセンセシティブな高校生じゃん!!!!!良い!!!!最高!!!!
ファザコンだし!!!!!!
 
サブタイトルは、THE YARDBIRDS「Psycho Daisies」より。