I'll slip away  And fade away / 18禁BLゲー「sweet pool」【感想】

PSvitaで「sweet pool」が発売されると発表される3日前にPC版の方をクリアしたのでその感想。
sweet pool 初回生産版

sweet pool 初回生産版

プレイ動機はOP。
何回見ても、「I'll slip away  And fade away (僕は滑り落ちていく そして消えていくのさ)」でタイトルロゴが浮かぶシーンに泣ける。

【原画】オニツカセージ 【動画】月魚工房 / inagaki
アイム イン ブルー

アイム イン ブルー

  • ペイルグリーン
  • ロック
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes
Pale Green「I'm in blue
作詞:Yuzi 作曲:Yuzi 編曲:Yuzi
都会の風景のドライさと、そこを流れる人々が抱いている感情のウェットさ。
どうでもいい世界の中で、どうでもよくない事が確かにあって、その大切なものに手を伸ばすために、人は生きてる。
初見時に私はこのOPから、そういう人間臭い足掻きからの解放を感じ取った。
生きることからの解放は、即ち消滅への肯定でもある。
今曲を聴いていると、アニメ「Serial Experiments Lain」OP:Boa「duvet」に、よく似ていると思った。
DUVET

DUVET

  • BOA
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

I am falling, I am fading, I am drowing 
(落ちていく、消えていく、溺れていく)
Help me to breathe
(助けて、息が)

私がこの2曲を好きなのは、晴れやかで穏やかに進行する、消滅のニュアンスを感じるからなのかな。
 
そんなことをいいつつ本編は、まーーーー、合わなかったね!!!
合う合わないで分かれるの評判通り、全然合わなかった。
主人公と哲雄の自己中心的ぶりを好きになれなかったので、付随するおんぬし様関連もどうでもいい。
親からの愛に恵まれなかった、選ばれし存在である高校生2人が、命と引き換えに子ども(=神)を産むどうのこうの。
10年前の携帯小説かよと思った。発売年の2008年はちょうど「恋空」がドラマ化した年ですね。
 
終始「俺たちのことを分かり合えるのは、俺たちだけだ」みたいな雰囲気で進んでいったが、主人公には姉が、哲雄にはいくら引き取り手とはいえ養母が、ちゃんと愛を注いでくれてたように見える。
心配して、頻繁に電話をくれる姉。仕事の合間を縫って、夕飯をきちんと作ってくれる養母。
これ以上の何を望んでいたんだろう、あの2人は。
周囲から注がれる愛情を全部無視して、恋人の心しか理解しようとしないのは、ロマンではなく我儘としか思えない。
高校生の我儘に萌える趣味ないんだよなあ……。
ED2の行方不明アパートEDは「いますぐお姉ちゃんに連絡して!!絶対に超心配してるから!!」ってなったし
ED1では「ううっ……自分なりに愛情持って預かってた子が、逃げるように家を出たら辛いだろうなあ…」とモブである養母に感情移入して見てしまっていた。
メイン2人の好感度が、脇役以下な時点で、感動しようもない。
 
ただ、その反動からか睦だけはすっっっごい好き。大好き。
高校生らしい嫉妬と傲慢、そして反省と気遣いが出来る、きちんと愛されて育ってきた子ども。
年相応の振る舞いが出来るっていうのは、真っ当に愛されてきた証で、その健全さを私は愛したい。
主人公の<メス>によって狂わされて、自殺未遂を起こした直後に、彼はすぐ謝ってきたじゃないですか。
 
だから……すごい都合の良いこと言っちゃうかもしれないけど、
 俺、また蓉司と放課後に飯食ったり、CD見に行ったりとかさ。
 そういうの、したいよ。蓉司が、嫌じゃなければ……また……
 
って。哲雄と主人公、3人で食事にでも行こうって言ってくれたじゃないですか。
取り返しのつかない喪失を、それでも謝り次を願う
そういう素直さは、稀有で、尊いもので、私が一番重要視する性質だから。
正直このゲームの中で、尊敬の好意に値するのは彼以外いない。

また、狂気に飲まれた状態の言動も好きだ。
主人公を無理矢理襲って、やめろと言われた時の台詞。
 
やめたら、好きになってくれんの
 
は〜〜〜〜〜〜〜!!!切ねえーーーーーーーーーー!!
ならないんだよ、どのルートでも。
主人公が、三田睦を恋人的な意味で好きになることは一度たりともない。
それを踏まえた上での「やめたら、好きになってくれんの」の投げやりな愛の吐露はやばい。
睦だけはおんぬし様関連に関わらない、純粋な一般人で、完全な被害者かつ、部外者だ。
主人公への性欲すら被害の一部でしかない。
故にこの言葉は、どこにも辿り着かない不毛な告白で、だからこそ、ここまで萌える。
うーん、本当に素晴らしいなあ。
この言葉もOP「I'll slip away And fade away 」の一部、
世界の隙間に滑り落ちて消えていく、消滅を肯定されてしまった感情だと思う。
 
vita版は主題歌「I'm in blue」が日本語化された、新規OPだそうで。
……ちょっとその出来によっては買っちゃいそう。それぐらいOPは好きなんだよ。
dramatic createの移植(ガルティアとか)は、OPに手を加えてくれる事が多いから嬉しい。
何一つ手を加えない事が多いプロトタイプの移植(ラッキードッグ)も、いいっちゃいいけどさ。
 
sweet pool - PSVita

sweet pool - PSVita