病んだ愛、そういう暴力に羨望していた チリヌルヲワカ「イロハ」簡易感想

イロハ

 
個人的お気に入り度 3.8 / 5
 
2005年に発売された、チリヌルヲワカの1stアルバム「イロハ」を聞いた。
手に取ったきっかけはエスロジボーカルアルバム収録の「ミルク色の峠」と「甘いご褒美」がかなり好きだったからだ。

なのでチリヌルヲワカとしてのフルアルバムを聞くのはこれが初めてだが、個人的にはまあまあのヒット。
正直、どれがどの曲なのか見分けがつかないぐらいどれも似ているし、バラエティーに富んだ一枚ではない。
が、全体に貫通している中島優美の歌声に病み付きになれる人なら、今作はかなり気に入るはず。
ず〜〜〜っと耳に流し込んでいたくなる音だし、実際にそうしていた。
2時間半連続で同じアーティストの一枚を再生し続けたのは、自分にとってはかなり珍しい現象だったり。
GO!GO!7188時代からの独特なファルセットに、歌唱力が加わったチリヌルヲワカとしてのボーカルが好きだ。
普段、押し隠すことに、目を背けることに慣れきってしまった自分の攻撃心を代弁してくれるような、そんな声をしている。
私は誰かを傷つけたくて、傷つけることによって特別な存在だと認識したかった。
そういう暴力に羨望していたと、思い起こさせてくれる楽曲達だった。
ギターもドラムも全て合わせて、肌に合う人にとっては耳から摂る麻薬めいた一枚。
と言ってもやはり楽曲群が似通いすぎているので、フレーズの引用だけに留め、各曲感想はなし。

 

 

1.カスガイ

キミならボクの命さえも奪えるだろう

 

2.はなむけ

行方知れずのあの胸の音 待てど暮らせどもう戻らない

 

3.タルト

身も尽きるまで泳いでいた魚も、色づいて間もない鮮やかな果物も。
香ばしい匂いの旗や地図は、分かち合うために存在したはずだった。

 

4.苔の生したこんな代は

人という名の生き物に人気の高いこの星は 今となりゃ宇宙のあくた

 

5.シガー

願わくは・・・育て、奮い立て、僅か君の中のあたし

 

6.灰と朗

不甲斐ないこの心がすぐに不安の雨を呼んでくる・・・

 

7.蜻蛉

イカレタ話だと笑うでしょう?  それでもみずから朝を積む。

 

8.ノイロニテイル

「ネエ、昨日は何度思い出してくれた?」

 

9.紫紺ノイズ

すべからくひれ伏し 自滅していくポーズ
あからさまに心まで沈む、まるで夕陽の色褪せ

 

10.ヨスガ

例えば全ての神経を操るやわらかな その器具をはずしてもまだあたしを求めるのかな

 

11.コノハギス

向日葵の黄金に憧れた体は命の紐をほどいた

 

12.なずき

あたしの「今」はすでに記憶された 愛しい貴方の存在の中に
あたしがもしもここで 生きることをやめても