個人的お気に入り度 3.3 / 5
両者とも好きな歌手だったが、同人でユニットを組んでいるところまでは知らなかった。
デザイナーであるメンバー:xai担当のジャケットデザインも抜群に良かった。
グロテスクにも見えるザクロの裏側には、3匹の昆虫。
人によっては嫌悪感を催すモチーフを、色彩でポップに魅せる志向がまさにアニメのダンガンロンパOPならではという感じがする。
ダンガンロンパについては、PSPで無印と2をプレイ済。
ただ個人的には、面白かったけど別に好きではないという微妙な感じの作品だった。
枝葉だけ見ると楽しいが、世界観の根幹にある穴が多くて受け付けなかった。
(無印だと絕望サイドの資金源とか、皆を都合よく記憶喪失に出来る方法とか)
その直前に「428-運命の交差点-」をプレイしクリアしていたから、相対的に厳しく見てしまったのもある。
アニメの岸誠二監督&松根マサトのコンビネーションは大好きなんだけども。
※以下、ダンガンロンパ2についての軽いネタバレがあります。
やなぎなぎ作曲らしい、電子打ち込みから幕を開けるヒーリング・ポップ。
歌詞カードを見ないで、2人が交互に歌うサビを聞き分けられた人はいるのかというぐらいコーラスが何歌っているか分かりにくい。
そのズレている想いが味と言えばそうなのだけど。
ただラストサビはきっちりWボーカルで締めるところが、芯の強さを感じさせて好きだ。王道。
何回もコーラスで重ねてくる通り、言いたいことは「君の手を引いて」なんだろう。
OP映像で最後に映しだされるのは超高校級のゲーマーである七海千秋。
アニメを観てないので言い切れないが、彼女目線の歌だと私は感じた。
君の手を引いて、というフレーズもそうだし、「目の前 捲られていくの 触れられない未来 (触れられないならすり抜けていけ)」あたりも、実体を持たず単なるNPCでしかなかった七海っぽい。
タイアップ先のゲームと関連付けるならもう一つ。
間奏のノイズとラジオから流れるかのような音声が、荒廃し絕望に染まった世界を垣間見せているようでグッときた。
2.reino blanco
それは盤上で跳ね返るプロタゴニスト 革新的なトリックですべて取り込むさ
前曲にはあったキャッチーさがなくなり、これぞ同人!!という雰囲気のエレクトロリックなヒーリング。
純粋にただ心地よい。
binariaの感性爆発というか、こういう曲が好きで、こういう音楽を作っていきたいという姿勢がもろに伝わってきた。
それだけで、個人的にはかなり好感度が上がる。
いいよね、こういう密やかな寂しさ。私も好きと耳打ちしたくなるような一曲だ。
歌詞も文学的なポエミーさで、すごく好み。
「かつての名を刻む錆びた鉄のドアを 透明な人たちがうつむき潜る」
「積み上げた勲章と後悔では どちらが高いかな」
あたりもかなりツボだったが、特に「空白の王国は明日の約束を交わさない」がたまらないレベルで好きだ。
理由なんて説明せずとも、ただ2人の声で歌われたこのフレーズを、どこか心の隅に保管しておきたいと思う。
それぐらいヒット。
以上。
どうやらbinaria結成10周年を記念して、アニバーサリーアルバムも出るようで。
機会があったらそちらの方も聞きたいと思うが、同人ユニットCDでもAmazonでも買える…のか?
「reino blanco」みたいな曲があるなら、ぜひとも聞いておきたいので取り扱いをぜひ。