物語の〜最初と最後はいらない〜…特に最後 アニメ・ノイタミナ「C」後半感想(6話~最終話)

 
2011年、ノイタミナ枠で放送されたアニメ「C」を最終話まで見終わった。
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前半感想は以下の通り。

6話〜10話まで見終わった私「おお、熱かった!!ここからどうまとめるんだろう!!」
11話を見終わった私「物語の〜最初と最後はいらない〜……特に最後

物語の最初と最後は誰かに覚えていてもらいたいだけの 石に刻むものを探してるだけ

私が「C」の最終話に期待したのは、社会の変容まで含めた答えだった。
ミダスマネーを大量に刷り、市場崩壊を食い止めた9話で、ようやくミダスマネーは「国債」だと気付いた。
未来を喰い潰して、今を維持させる。
三國壮一郎がしたことは、今、現実社会の日本がしていることそのままだろう。
現在、1300兆円の赤字国債を抱える日本を題材に掲げたのなら、それなりの答えが欲しかった。
今に費やされ続けている、未来の金をどう扱っていくのか。
現実社会で赤字国債を即座に解決出来る手段が存在しない以上、創作物たる「C」が答えを出すのは容易じゃないと思う。
けれど、10話までの「C」にはその「答え」を期待させてくれるポテンシャルがあった。
10話で、余賀公麿は三國の行動とミダスマネーを否定し、未来を買い戻すと決めた。
それなら、どれほど夢物語であろうと、ミダスマネー無しで回る社会や政府を私は最終話で見たかった。
国債を借りずに、どうやったら今の日本はまわるのか。
「C」なりの答えを期待したんだけど……論点すり替えて終わりやがったな、という印象。
 
それならまだ、アニメ最終話で更地の街を前に1からやってこーぜENDの「ヒーローバンク」の方が私は好きです!!
50
(全51話かあ……見返すには長いんだよな)
 
ではでは以下、各話感想。
と言っても、9話からは上記の通りなんで、8話までだけど。
主人公である余賀公麿への愚痴が酷い。
 

 

6話 conflict 葛藤
 
(ここの設定良かったな。自分が救ったはずの子どもの未来が、塗りつぶされている構図)
 
宣野座登場&敗退回
たった一話きりの登場だけではもったいないよなー、ボランティア王子の彼。
三國と対になり、主人公が自身のスタンスを確立するきっかけとなった人物なのだから。
ミダスマネーを投資し今の現実を維持する三國と、子どもたちの未来を第一に考える宣野座。
可能性の失われた未来しか残らないなら、現在がある意味も無い」ってね。
振り返ってみると、何故主人公は宣野座を「感じ悪ぃ〜」と言ったのだろう。
胡散臭かった……と言えば確かにそうだけど、三國も大概だぞ。
この戦闘で、主人公は「身近なものを失うのが怖い」と吐露した。
個人的には、それってなんか傲慢じゃない?と思えてしまって、やっぱり主人公に好感が持てないままだ。
余賀公麿の言う身近って誰?大学生活で好感を寄せる羽奈日?それとも金融街で共に闘う真朱?アルバイト先のおっさん?
その全てを失うのが怖い、っていうのは自分の居場所がなくなるのが怖いっていう事だろう。
宣野座と同じ土俵に立つには、少し幼稚というか……子供っぽく感じる。
不特定多数に重きをおいた宣野座が、自身の近辺に比重を置く主人公に負けるっていうのがなーーーー。
気に食わない。
演出で気に入っているのは、ラスト、ホームベースを踏まずに退出した宣野座。
どれほど正しかろうが、3塁まで出ようが、ホームに戻ってこなければ点にはならない。
「敗者」を強く印象づけるカットだと思った。
 
 
7話 composition 組成
 
(ここの真朱、めっちゃ可愛いんだよな)
 
三國過去回&真朱とのイチャイチャ回
金は信用を、ネットワークを作るためのものだと言い切る三國の父親
自身の娘すら会社のために切り捨てる父親を三國は嫌悪して、それでも似てくるのだ、親子だから。
ただ「あられもなく振る舞うほど未来がなくなるぞ」と言った三國父は好きです。
その言葉は、ある意味、病室で寝たきりの娘、孝子に対する彼の心情にもなりうるような。
なくなるはずの未来さえない子どもは、狼狽えることさえ出来ず、気丈に振る舞うしかない。
今、この瞬間が全てなの」と妹がこぼした言葉を軸に、三國は立っていると分かるAパート。
Bパートは、真朱がナレーションを務める日常(?)回。
可愛いよな〜〜〜、ここの真朱は。恋する乙女、って感じですんごく可愛い。
……その相手がなぜ余賀公麿なんだろう……。いや、彼のアセットだから当たり前なんだけど。
 
アセットを侮蔑するアントレを殴りに、店内へ帰った主人公を見た時の私。
せめて、店の中にいるときにやれや……。
間違いたくない。傷つきたくないんだ」なんてポエムった結果があの行動?
殴られた方も「なぜ俺今殴られた???そもそも誰だこいつ???」ってなるだろ、それが普通。
そもそも飲み屋で隣にすらなっていない男に、いきなり殴りかかる主人公とは……。
分からない。そこが魅力と言われても首を傾げるしかないぞ、こんな奴。
 
 
8話 confidence 信用
 
(すんごい楽しそうで何より)
 
いきなり世界変わりすぎ!!!!
前話のほのぼのとした雰囲気から一転、東南アジア金融街の破綻危機により、書き換えられる日本。
羽奈日ちゃんは病み、先生は自殺するという、緊迫とした日常が描かれている。
江原先生の死は、避けられなかったこととはいえ気が沈むな。
一回目の自殺未遂で「じっとしていちゃ、奇人も凡人も分からん」と名言を残してくれただけに。
で、私が心底苛ついたのは先生に対する主人公の行動。
いや、先生の子どもを買い戻そうと金歯男に交渉するところまではいいんだ。すごくいい。
でもアセットの真朱ですら、金歯男の金で補償しろという提案に「むしろヤな気分…じゃない?」と理解している。
なのに、お前が持っていった紙袋2つは何だぁぁぁぁーーーー!!!
しかも詰まっているものがミダスマネーだというところに、がっくりきた。
アセットである真朱にすら理解できたことが、主人公には理解できないのか。
この札束が普通の、かつての主流通貨だった一万円札だったら私も見直したと思う。
先生が本来、講師業だけで得ていたはずの1万円札だったら、それで彼の人生を補償しようとしたならば多少は好感が持てた。
ディールの敗者が失ったものを、黒い金で補償しようとするデリカシーのなさが信じられない。
もうこれ、金融街でミダスマネーを燃やしたかった演出の都合と言われたほうがマシだよ。
今話は、三國と主人公の道が違えたことを表明して終わる。
こんなものより未来が欲しいと主人公と、来る「C」に備える三國。
俺の邪魔をするな。黙って見ていろ」と言い捨てた三國に、彼の父親像が被る。
 
 
ここからはもう、三國vs主人公+ジェニファー・サトウの流れになって主人公側の勝利。
なんか色々あったんだけどね。
アメリカが資金に物を言わせて「C」を弾き返したとことか、
三國の所持している円の価値を下げる=ハイパーインフレを引き起こすことにより、弱体化させた事とか。
個々のアイデアは面白いと思ったけど、別に好きな展開ではなかったので各話感想は省略。
う〜〜〜ん、やっぱりこう、主人公をここまで嫌いになってしまうと駄目だな。
彼の言動全てにイラつくもんだから、精神的に疲れる。
 
だって、個人的には三國壮一郎を支持、今のままでいい派だもの。
未来より、今の方が大事。
だから三國の「今を守る」スタンスが、彼のトラウマを理由に否定されたのにも納得はしていない。
主人公の言い分「妹さん、本当は違うって言って欲しかったんじゃないの!?自分が言ったことを!!」が通用するのは三國だけだろう。
彼が行ってきた行為そのものを、跳ね除ける説得力には欠ける。
 
それと最終話でいきなり、真坂木に似た上位者が出てきたのにもな〜。
しかもそいつが「意味のないことはない」っていう綺麗事で締めにかかったもんだからさあ…。
CV.石田彰のキャラだけだからな、そんなことが受け容れられるのは。
ダークネスカードにあしらわれているデザインは蛸。ディールの時間は666秒。
どう見たってあんた悪魔だったじゃん……いきなり出てきて、善良な神様ヅラされましても。
 
以上!!
序盤は面白かったし、中盤も良かった。ただ終盤が私好みではないアニメだった。
終わりよければすべてよしの反対は、そりゃあ終わり悪ければすべて台無し。
とにかく「主人公が合わない」はアニメ視聴に致命的なんだな、って一つ学んだ。
私にとっては1話アバンの、オサレ戦闘がアニメ「C」のピークだった。
ん?そう考えると物語の最初はいるか。最初だけは。