どちらも、いい意味で懐メロ感漂う楽曲だった。
王道の安定感というものがあるのだ、活動歴20年のGLAYが担当したOPだけでなく、EDの方にも。
タイアップ先は、P.A.WORKS初となるロボットアニメ。
ざっとあらすじを見たところ、450年前―…戦国時代からの眠りから目覚めた主人公が、2016年の日本でロボを操縦し闘うSFものらしい。
そのロボットは、主人公と今作のヒロイン2人が搭乗しないと動かないという設定は、EDの歌詞に実によく表れていると思う。
両曲ともあまりメロディーとアレンジに派手さはないが、こういう地味ながらも堅実な雰囲気、私はかなり好きだ。
何だかとても落ち着くし、いつまでもループ再生していられる味がある。
びっっっくりするぐらい懐かしかった。2000年代のヒット曲だと言われてもおかしくない。
アレンジが、あくまでボーカル、ベース、ギター、ドラム、ピアノというバンドサウンド主体だろうか。
それでも、この2016年にあのメロディーの懐メロ感を狙って出しているんだったら凄い。
歌詞もメロディー同様、率直で王道。
上記のサビや「記憶の隅に宿る傷が 終わり告げる 遠く声が囁いた 新たな始まりの予感」
など、目新しい文脈では一切ないのに、それでもじ〜んとクるのが王道が王道たる所以だと思う。
「愛は時を越え」なんていう、手垢に塗れた言葉でも、本編の主人公と重ねると心に響く。
もちろんそんな王道フレーズだけでなく、「あの日風が止まった街に 奇妙な果実は熟れる」という不吉な暗示を入れるさじ加減も絶妙。
個人的にはすっごい好きなんだよね、ここのワンフレーズ。
デストピア=人工的な統制と相対する、奇妙=規格外の果実。
それが「熟れる」なんて、なんと官能的でグロテスクな言い回しだろう。惚れる。
ただ惜しむらくはジャケット。
タイアップ先のアニメを知っているオタクなら「あぁ、タイトルロゴをパロってるんだな」と分かるが、これ一般のファンだったら絶対手抜きだと思うよね……。
タイアップ先のアニメを知っているオタクなら「あぁ、タイトルロゴをパロってるんだな」と分かるが、これ一般のファンだったら絶対手抜きだと思うよね……。
1.MICHI「リアリ・スティック」
あさきゆめ 巡ったChronicle 螺旋状 昇るのか堕ちてくのか 現在(いま)は知らない
沖縄出身女性シンガーMICHIによる、3rdシングル。
作詞作曲は藤田淳平(Elements Garden)である、またか!!相変わらず仕事量すげぇな!!
こちらも2005~2009年あたりの深夜アニメEDにありそうな、オーソドックスなED曲。
でもいいんだよ、こういうのが私は好きなんだよ。
沖縄出身ということで少しミステリアチックな声質のボーカルも、マイナー調のテクノアレンジも、どれ一つ取っても好き。
ボーカルだと、特に英単語の発音がクセになる艶やかさがある。
「Stray cat」や「Missing Links」のとことか。コーラスを入れているというのもあるのだろうけど。
メロディーはサビで「私のREAL 曲げないで」と上がるところが、ド定番のサビ構成だからこそ大好き。
歌詞も「授かったその名前 片切符に時を渡るの」や「Don't Freeze!」が、
460年前の冷凍保存から目覚めた主人公を想う、ヒロインの目線っぽくて良い。
ただ単に感覚で言うなら「存在の哀しみへと 囚われ続けた季節は」がお気に入り。
2.真夏のオーケストラ
もっと[ギュット]空の果汁味わって
リア充御用達感がする、サマーナンバー。
全体的には特に印象に残らなかったが、Bメロ出だしのワンフレーズだけはかなり好き。
「赤道の直下で 熱を帯びるこのキモチは」の箇所。
何だろう、何でこんなに懐かしい気がするんだろう……と記憶をまさぐってみたところ、あれだ。
天野月「パブロフ」に似ているんだ。
「おはよう おやすみの声を あたしはまだ探し続ける」のところだ。あー、すっきりした。
確かにMICHIと彼女の歌声は、似ているような気もしなくはない……ような?
EDのMICHIに関して、初見で「お、いいな」と思ったのは、天野月と被るところがあったからだ、というのは嬉しい発見。
アニメ本編の方はどうやら24話、2クールあるらしく。
この2曲と同様に王道路線で行くのか、それともまた違った方向の曲を出して来るのか、後期の主題歌も楽しみに待ちたい。