個人的お気に入り度 3.5 / 5
スチームパンク全開の、迫力ある曲だと思う。
しかし、どうしてもアニメ「進撃の巨人」OP、Linked Horizon「紅蓮の弓矢」がチラつく。
城壁の其の彼方 獲物を屠る《狩人》
宗教音楽めいたコーラスや、サビ前のフリ、そしてサビの開放感まで、そっくりとは言わないが……やっぱりどうにもノリきれない。
間奏で光が差し込むかのようなアレンジと、声が揺れるボーカルは好きだ。
でもそこ以外が、どうにも「紅蓮の弓矢」を彷彿とさせる。
だったら最初から「紅蓮の弓矢聞くよ」っていう話になるじゃんね。
いくら同じ製作スタジオ、同じスタッフと言えど、進撃の巨人とOPの差別化ぐらいは、はかって欲しかった。
CP曲「It's all about you」は、表題曲とは真反対のサブカル女子全開曲。
ランランララーン?ザクトハチガウノダヨ?って アツく語るのあなた
こっちの曲に対しても「これ系統なら大森靖子聞くし……」としか思えなかった。
君が通ってきた全部の自動ドアは 私がぜーんぶ手動で開けてきたんだよ
あ、でもサビの「もう食べちゃってもいい?いいよね?」で音階が上がっていくところは、心地よかったな。
高音で殴りかかってくる感じが、気に入っている。
と、ここまでボーカル入り2曲を聞いた時点での、シングルのお気に入り度は3.3くらいだった。
楽曲そのもののクオリティがハイレベルなのは分かるが、どうにも2番煎じ感が拭えなくて。
が「KABANERI OF THE IRON FORTRESS -Instrumental-」を聞き終わった瞬間、
「うわ、めっちゃ好きだわこれ。+0.2ぐらいしちゃうわ」とすぐさま訂正した。
ボーカルが入っていない代わりに、男女混声コーラスの迫力がすさまじい。
メロディーも荘厳なストリングスが担ってくれるので、物足りなさは一切なく。
暴力的なまでの音の雰囲気がさっと変わり、光が指す2分52秒の神々しさは何だ。
そこにコーラスがはっきりとした言葉で
「恐れることはない 見よ そこにあるのは希望だ 両の目に映るもの 強く願え それは叶う」
と高らかに歌い上げてくれるのだから、たまらんでしょ!!!!そりゃあ、ねぇ!!!!
その上で更に私が「最高だ」と思ったのが3分50秒からのピアノソロ。
サビメロディーを奏でているだけなのだが、ここであんなにもサビのマイナー調が生きてくるのか!??と驚嘆した。
ピアノ単体の音は優しくて、どこか懐かしくて、それでもメロディーは悲劇的で。
何だろう、あそこだけはあのメロディーでなければならなかった、そんな気がする。
そして、そのピアノソロから、また派手なラストサビへ雪崩れ込むところは感涙モノだった。
東京混声合唱団による「鋼鉄のカバネリよ」が、余りにも胸に沁みる。
普段はあまり聞かずに済ましてしまうインストを再生して良かった、本当に良かった。
血沸き肉踊る音楽体験というのは、いつ感じても幸せなものだ。
ryo(supercell)のことを、ゲーム「ブレイブリーセカンド」のこともあり、体のいいRevoの後釜と見ていたのが申し訳ないな。