飛翔の瞬間、膨らむ時間 やなぎなぎ「カザキリ」(アニメ「ノルン+ノネット」OP)感想

カザキリ(通常盤)TVアニメ(ノルン+ノネット)オープニングテーマ

 
個人的お気に入り度 4 / 5
アニメ「ノルン+ノネット」OPである、やなぎなぎカザキリ」を聞いた。
発表当時から気にしてはいたが、フルバージョンは期待以上に良かった。
特に出羽良彰が担当した編曲によって「飛翔感」が直感的に伝わってきて、素晴らしい仕上がりだと思う。
間奏にごったまぜの音をありったけ詰め込んだ上で、ふっと消えるようなあのアウトロの差!!
鳥が羽ばたこうとした瞬間のエネルギーを膨らませたような、流動性を感じさせる一曲だった。
ジャケットも聞き終わってから見返すと、今曲のイメージにとてもよく合っている。
 
早速、出羽良彰さんを検索してみたところ、amazarashiの編曲をよく手掛けてる方だった。
amazarashiは作詞作曲:秋田ひろむなので編曲もそうだと思い込んでいた。
担当しているのは「ヒガシズム」や「スピードと摩擦
ヒガシズム

ヒガシズム

  • amazarashi
  • ロック
  • ¥250

ヒューマニズム レイシズム 陽が沈む 今日も沈む
生々、最小単位の死として ただ身代わりに陽が沈む 

スピードと摩擦

スピードと摩擦

  • amazarashi
  • ロック
  • ¥250

血を吐くまでは歌え 放射状北の山背 そこに咲いた花でさえ冒涜は許されて

私の好きな楽曲ばっかだ…。
 
もちろん作詞作曲編曲まで全てやなぎなぎが手がけたCP曲「in flight」も彼女らしい世界観で気に入っている。
ちなみに、先に発売されていた同アニメED 織田かおりゼロトケイ」も、かなり良い出来だったのでおすすめ。

OPとEDだけ聞くと「ノルン+ノネット」は神アニメのように思えるが、いまだに未視聴。
唐突に歌い踊り出す系の女性向けアニメにしか興味がわかないのは、どうにかしたいな。どうにもならないか。
 

 

1.カザキリ
カザキリ

カザキリ

花から滴る毒 根の乾きを癒していく 籠に染み出す本能の飛沫

2番のサビはなく、そのまま間奏からラストサビへと流れるので疾走感のある今曲。
ストリングス、ピアノ、ドラムにギターに電子音と多彩な音が詰め込まれている印象を受ける。
それがそのまま、上品だけどざわめくような空気間を感じさせる所がいい。
鳥が飛び立つための羽ばたき。その真っ只中にいるような空気。
私の好きな、やなぎなぎのコーラスも空気の中に混じり合っているように響くのもまた心地良し。
歌詞も「君」と「あなた」、2人の感情を伝え合った告白ソングで乙女ゲー的にキュンと来た。
ねえ もしも君が天使じゃなくっても bird in the hand 温め続けていたいよ」と
ねえ もしも自由に飛べると分かっても bird in your hand 傍で歌い続けてるよ」の対比はときめく。
出だしの「守るかわりに風切羽を折った」や「檻を開け放ったなら 君もそこへ行くだろう」から感じるヤンデレ成分を
上手くラストサビで昇華させているように感じた。
男は「君」を籠に閉じ込めておきたくて、女は「あなた」に触れて欲しかった。
これまですれ違い続けた2人の目的が、ラストはちゃんと正しい形で噛み合ってくれたというか。
2人が分かり合えたからこそ、空の空間をイメージさせるあのアウトロなんだろう。
風切羽を折られた彼女は、籠ではなくて彼の掌の中に。
割合で言うなら、明るさ3:寂しさ7のような雰囲気を感じさせる点が最高にキュンとくる。
歌詞のフレーズで言えば「肌を伝って馴染む雨」「正しく流れる 生きている証の色」「孤独の数だけある 鍵の扉」あたりが個人的ヒット。
 
 
2.in flight
(iTunesでの発売はなし?)
いま 浮き上がる脚 もう地表は遥か 風を捉えてるモノコックのからだ
AメロBメロまでは、同人時代の作風を思い浮かばせる、打ち込みヒーリングっぽい系統だが
サビはキャッチーさをしっかり持ったメロディーなのがいいと思う。
それでもサビのラスト一音、そこからの間奏は繊細な彼女らしい作風だ。
歌詞はタイトル通り、飛行機のフライトを歌った曲。
モノコック」や「ジュラルミン」等の航空学用語を用いるところも、彼女らしい。
雰囲気は同人時代のベストアルバム「雨の海」

内容はどことなく2ndアルバム「ポリオミノ」収録「ファラウェイ・ハイウェイ」を彷彿させる出来だ。

遠ざかる住み慣れた街の人工灯 暗がりに点々と滲むテールライト

 

 
以上、やなぎなぎ12thシングル「カザキリ」の感想だった。
2016年4月20日には3rdアルバム「Follow My Tracks」が発売されるようで、楽しみに待ちたい。
ワンマンツアーに関しては、私が行ける範囲の会場がオールスタンディングだったので断念。
オールスタンディングとか開場から開演までの間に疲れてしまって、曲を楽しむどころではないのだ。
何とも複雑だが…今度行われる時は近隣会場が全席指定or全席自由でありますように…!!