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個人的に兄弟へのコンプレックスネタには弱い Rejet(非)日常系CD「オオカミ君ち。」VOL.4 ソナタ (CV.KENN) 感想

(非)日常系CD「オオカミ君ち。」VOL.4 ソナタ CV.KENN

 
スタミュ」と「明治東亰恋伽」の影響で好きになった KENN演じる Rejet「(非)日常系CD「オオカミ君ち。」VOL.4」を聞いた。
女性向けシチュエーションCDなんて単なる音声ポルノだろ、との偏見を持っていたのを謝罪したい。
確かにCDを聴き始めて6分後には甘い言葉と共に押し倒してくるのだから、そう思うのも仕方ないのだが
後半に向かうにつれ彼―大神家4男のソナタが抱えている問題が見えてきて良かった。
兄弟へのコンプレックス、って中々向き合えないよね。分かる。
だからこそラストトラックできちんとそれを認め、一歩進もうとしたソナタの行動にはグッときた。
キャラの成長が感じられる、いい一枚だったと思う。

CD本編を聞き終わってからこちらのPVを見たのだが、「えっ、本当はこんなストーリーだったですか…」と驚いた。


【Rejet】オオカミ君ち。 PV

1億円の借金要素どこだって感じだったし、兄弟を護るために君を狙うってそんな雰囲気もどこにあった!??
何よりイメージソングの作詞作曲担当がR・O・Nだったのにもびっくりしたわ。
 

 

1.オオカミ君ちの子猫ちゃん
 
自己紹介&兄弟間の喧嘩話&夜這い話。
初めて会ってから体感時間約6分後に襲われると、さすがに笑うのでやめて欲しい。
あと「目ぇぱっちりだねー」やら「かぁわいー↑」と褒めてくれるところは嬉しいのだが、容姿に言及されると戸惑う。
「すみません、聞いているこちらは目ぱっちりでも何でもないんですよ…」とわけもなく卑屈な気分に陥ったのは私だけか?
ここでお菓子作りが好きというエピソードが披露されたが、後に生きてくることはない。
ただ「よかったら今度君のために作ってあげるよ 何が好き?ケーキ?」という台詞にはキュンときた。
こういう、好きなものを尋ね合う会話って初対面のドキドキ感が感じられて好きだ。
ボイスで言えば2分56秒の「ふふん、たのしみー」がやばかった。すんごい萌えた。
わざとらしくない、抑揚のなさにキュンときた。
ふっと鼻で笑うまでには至らない、興味の無さげな感じが素晴らしい。
 
 
2.落としてみせる
 
貸し切りカフェデート話&空き教室押し倒しin学校 話
個人的には、BGMだけが流れる店内に二人きりだけのケーキ屋って気まずそうで遠慮したい。
ソナタの倫理観には別に嫌悪感を抱くようなものでもなかったので、前半について特に思うこともなし。
指ぱっちんの音は妙にツボにきたが。
 
 
3.オオカミのライバル
 
兄弟喧嘩&押し倒しin My Room話。
この回は確かにヒィトの方と付き合いたい!!と思った。
いいな、音楽の趣味が合って、好きなCDのCP曲とかを語り合える人が身近にいるって…
だからその後の「なんなんだよ、なんでいつもヒィトばっかり…」というソナタの呟きには胸が傷んだ。
知らず知らずのうちに、ソナタを傷つけてしまった罪悪感というか、何というか。
直後にごめん、と謝ざるを得なかった彼の心境を思うと、どうにも心苦しい。
 
 
4.とっておきのデート
 
50秒あたりの「君を一番楽しませられるのは 僕 君を一番笑顔に出来るのも 僕」という台詞に何だか痛さを感じていたら
ふふん、見てて」→指パッチン→ヒヒーン!!ガラガラ…
ヒヒーン!!ガラガラ?
 
駅馬車, コーチ, 馬
 
やっぱりここは馬車くらい呼ばないとね!!
私「( ゚д゚)ポカーン」

馬車…世の中の乙女はデートで馬車とか乗りたいですかね…。
女の子は好きでしょ、こういうの?」って聞かれても「あなたの頭のほうがお姫様だよ」としか言えない。
その後の逆ギレシーンも面倒くさいヒステリー女かよ…と思いつつ、だがそこが可愛い。
何なんだよ、ヒィト、ヒィトって!!」と、涙声寸前で怒鳴る彼が可愛く思えてくるのだ。
ただ「頭んなか空っぽのあいつのほうが人から好かれるんだ…!!」と続けたせいで
ドラゴンボールOPの「頭空っぽのほうが夢詰め込める」を思い出し笑った。

笑ったけども、ここの心情吐露シーンはとても良かったと思う。
出来の悪い兄弟のほうが、人気者で。それが悔しくて。でもどうしようも出来なくて。
私にも兄弟がおり、確かにこのソナタのような気持ちを抱いたことは幾度もあった。
だからこそ、ここで泣きはしないまでもウルッときたのだ。
兄弟に対してのコンプレックスって本当にどうすればいいのか、分からないよね。
 
と共感していたら「今日は先に帰る。…ちょっと一人になりたいんだ」と言い出した。別にそれはいい。
その後に続いたのがギィ…バタンという扉の開閉音だったのが問題。
……もしや私、馬車の中に置き去りにされた?
 
 
5.やめてあげない
 
精神的カウンセリングin保健室&カラオケデート話にての、ラストトラック。
あいつのこと見てると…なんか、負けたような気がして」という言葉をソナタから聞けて、良かった。
同じ兄弟を持つ身として、そんな風に思った。

全ては自分が「負けた気がした」と感じ続けているのが原因なのだ。
それに気付けるのは、小中学生では難しいだろう。高校生、ひいては大人になってようやく分かることの気がする。
兄弟間において、勝ち負けなんてものを設定しているのは自分の思い込みなのだと。
僕も薄々、気付いてはいたんだ。でも何がいけないのか、どうしたらいいのか。全然…分からなかった
分からないよね。私もそうだった。
だからソナタが、ヒィトと自分は違うけど、でも君が好きだと伝えられたことが嬉しかった。
伝えてくれた…のではなく、伝えられたことが嬉しいのだからシチュエーションCDとしては趣向が違う気がするが。
兄弟へのコンプレックスを乗り越えるとまでは行かないけど、それでも前へ進んだソナタ。その一歩に感動した。
 
ボイス的に一番萌えたのは10分34秒あたりの「彼女がそう言ったんだから ねー」の「ねー」!!
可愛すぎかよ!!
その後にヒィトが「幸せそうにへらへらしやがって。一生やってろっつーの」と言ってくれるところも最高だったな。
 
 
6。キャストトーク
 
キャストトークって夢が壊れる気がして聞くのが怖かったのだが、別にごく普通のトークだった。
ダミーヘッドマイクには身長設定まで含まれるんだなあと新発見。
 
 
以上。
最初はイメージカラー緑&ハット帽持ち&三つ子設定ということで、同じRejet作品であるディアラバのライトが頭をよぎった。
が、彼ほどの変態ではなかったので一安心。
というか比べるのも失礼なくらい、まともな精神構造だった。 
ただフルネーム:大神空奈多はその…ちょっと…。読めないだろ、空奈多でソナタなんて。