1998年に放映され、今でもカルト的な人気を誇る「serial experiments lain」シリーズ。
私も興味を持って4話ぐらいまで見たものの、あまりの意味不明さに脱落した一人だ。
2000年代から今に至るまで、インターネット全盛期に突入する直前の1998年という時代性が色濃くにじみ出ている作品だと思う。
あの強烈に打ち出されたインターネットに対する執拗的な憧れが、私には理解できなかった。
理系・ひいては哲学なんていう言葉とは程遠い人種なので仕方あるまい。
ただOPだけはずっと心に引っ掛かっていた。
というわけで、bôa「DUVET」をiTunesにて購入したので単曲感想でも。
・bôa「DUVET」
I am falling, I am fading, I am drowning Help me to breathe
(落ちていく、消えていく、溺れていく 助けて息が出来ない)
個人的お気に入り度 5 / 5
イギリスのロックバンド「bôa」による低血圧なオルタナティブロック。
3分23秒という短い楽曲であるのが不思議に思えるくらい、現実離れした浮遊感を持っている。
最初にフルを聞いた時は、6分ぐらいあると思ったぞ。
Aメロ→Bメロ→サビ→2番Aメロ→2番Bメロ→サビ→間奏→サビ→間奏→ラストサビ
とイントロもなしに2番までが一息に歌われ、後半に間奏が2回も入る構成だからだろうか。
個人的にこの楽曲の魅力は、2回の間奏にあると思っている。
1回めはアコースティック・ギターとエレキギターが伴奏を担当する明るめな雰囲気が漂う。
ただこの雰囲気が何とも言えず、奇妙なのがたまらない。
どことなく麻薬中毒者を思わせるような、蠱惑的でダウナーな光のような感じがするのだ。
その光は暖かく、とても気持ち良いものだからこそ、一度味わってしまえば人間でいられない…そんな類の光。
2回目はボーカルの深めで慟哭めいたボイスが魅力的であり、それでいて1回目の間奏よりは不自然さがない。
あちらが奇妙な光なら、こちらは自然な不穏…みたいな。上手く言えないのだけど。
実際OPに使用されているTVバージョンだと、間奏の順序が逆になっている。
ラストサビの前に2回目の間奏が用いられ、1回目の間奏がアウトロ代わりとなっているのだ。
フルを聞いてからTVバージョンを振り返ってみると、めちゃくちゃ編曲が上手かったなと思わされる。
それに映像とのシンクロ率&作画レベルも半端無く高かった。
特にラストカットに現れる玲音のあの目つき!!
殊更Mというわけでもない私だが、この表情にはぞくぞくするほど自分の被虐性欲を刺激されてやばかった。
アニメ本編はたぶん何回見ようが理解できないだろうが、OPだけはこれからもずっと聞いていくだろう。
厭世的でライトで合法的なドラッグをお探しの方になら全力でおすすめ出来る一曲。
iTunesなら一曲250円とお手軽なので是非。