復元可能な灰壺

個人的な感想文ブログ

アニメ「ノラガミ ARAGOTO」OP ・ THE ORAL CIGARETTES 「狂乱Hey Kids!! ~レンタルキラーチューン祭~」感想

 

狂乱 Hey Kids!!

 

個人的お気に入り度 3.5 / 5

2015年秋アニメ「ノラガミ ARAGOTO」OP の THE ORAL CIGARETTES狂乱Hey Kids!!」 
私が手に取ったのは、TSUTAYAレンタル限定盤「狂乱Hey Kids!! ~レンタルキラーチューン祭~」と銘打たれたものだ。
「狂乱Hey Kids!!」を先頭に、彼らの代表曲であろう7曲が収録されているミニアルバムである。
最近はこういうプロモーションの仕方もあるのかあ…と思ったり。
一通り聞いてみたのだが、アニメのOPが気に入った方ならその他の曲も満足できる出来だ。
ただ言い換えれば似たり寄ったりの曲調ばっかりなのだが、キラーチューン祭なのでそうなるのは必然的か。

 

 

1.狂乱 Hey Kids!!

アニメOPを見た瞬間から、一瞬で「格好いいな!!」と好きになった曲。
確かに、キラーチューンの名に恥じない訴求力を持った楽曲だと思う。
ダンスナンバーのような軽やかな旋律を響かされるエレキギターの音が特徴的。
Bメロはなく、Aメロの流れがそのままサビへと流れ込む構成が、くどくなくていいと思う。
サビの「狂ってHey Kids!!」のファルセットが、Aメロの低めでエフェクトがかった
ボーカルと上手く中和して聞いていて心地いい感じ。
フレーズで言えば「狂って平気?私の名前を吐かないか?」の箇所が特にグッときた。
絡むような低音のボーカルが蠱惑的。
そんな声で歌詞の一人称を「私」で歌われると、そりゃあ好きになる。
同じ理由で「鳴らさないの?滑稽なディストーション」も気に入っている。

狂乱 Hey Kids!!

狂乱 Hey Kids!!

 


2.  起死回生STORY

曲単体で見れば悪くないのだが、前半があまりにも前曲と構成・アレンジ・歌唱がかぶりすぎ。
こちらの方がリリースは先なのだから、この曲があってこその「狂乱Hey Kids!!」だと分かってはいるのだが。
しかも後半はまさかのポエトリーリーディング
いきなり「世界というものに一切の価値を生み出せない人間に誰が希望を与えるべきか?
なんてつらつら語りだされたら笑うに決まっている。
メロディーは勢いもあって、アウトロの潔さも好きなのだが
やはり唐突な詩の朗読を受け入れられるかどうかで好き嫌いが決まる曲だろう。
私はダメだった。笑ってしまうよ、あんなの。

起死回生STORY

起死回生STORY

 


3.Mr.ファントム

2013年発売のアルバム「オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証」収録。
全くこのアルバムは知らない(というかTHE ORAL CIGARETTESを知ったのがつい最近だ)
のだが、アルバムタイトルのセンスはいいなあと思った。
オレンジの抜け殻…っていうのが純文学的でロマンティック。
前2曲とまあ似たような曲調なのだが、ドラムをメインに据えているイメージ。
Aメロのロックらしいアレンジから一転、Bメロではナイーブさを漂わせているところが
緩急効いていて「おっ!いいな!」と思った。
Bメロでまたポエトリーリーディングをぶっこんできたので、たぶんこのバンドはそれが持ち味なのだろう。
ただそこのフレーズが「見えないAITSUは君の世界を真っ二つする」なのはどうかいと。
初めて見たぞ、あいつをAITSUと書いてある歌詞カードなんて。
何か意味がある…のか…?

Mr.ファントム

Mr.ファントム

 


4.mist…

3曲目と同アルバムより。個人的にはそこまで好きではなかった。
ギミックを凝らしたつくりになっているのは分かるが、特に伝わってくるものはない。
ただ間奏のギターソロがとても、とても心地よい響きをしていると思う。

mist…

mist…

 


5.大魔王参上

ここまで歌詞に中身がないと、逆に楽しんで聞ける。
メロディーもキャッチーでノりやすいし、個人的には「狂乱Hey Kids!!」の次に好きな曲。
歌詞については、賽の河原を題材に何を伝えたいのか、さっぱり分からないが
積み石をする子供たちを「君ができる最後の愛を」と例えるセンスは好きだったり。
…全く関係がないが、「つみいし」で変換すると「罪意思」になる予測機能に少しぞっとした。
民間伝承をモチーフとしているせいか、ギターアレンジにもどことなく和風の匂いがする。
ただずっと聞いていると「参上」が「せんじょう」にしか聞こえなくなってくるな。

大魔王参上

大魔王参上

 


6.STARGET

エフェクトやギミックもほぼなく、限りなくシンプルなロックバンドサウンド
バンドメンバー4人でこの音楽を作って、歌っているんだということが伝わってきて好印象。
派手さはないものの、芯の強さみたいなものが感じられてそれだけで「結構好き」と言えてしまう。
歌詞も月をメインにそれなりに詩的で素敵に書いてあるのところがいい。
特にラストの「君を想い うつむき唄うの 『ただいまおかえり』と記憶に帰して」というフレーズが好み。
安易な失恋曲となっていない上品さが出ているなあと思ったりした。

STARGET

STARGET

 


7. エイミー

 

真っ当な恋愛ナンバー。
それ以上でもないし、それ以下でもない。
どんなバンドでも1曲ぐらい、こんな曲を作ってそうな、そんな感じの楽曲である。
この曲に比べたらまだ前に出た6曲のほうが独自性があって、私はいいと思う。
バンド内で似たり寄ったりな曲になるのは全然いい。
どのバンドか分からないような没個性の曲を歌うよりはずっと。
ただボーカルの歌唱力のおかげで安心して聞ける定番曲と言えなくもなかったりするのだろうか。

エイミー

エイミー

 

 

 

2016年1月5日にメジャー2ndアルバム「FIXION」が発売されるそうで。
この一枚は、そのためのプロモーション活動の一環なのだろう。
ボーカルの声も好みだし、アレンジや曲調もおしゃれで格好よく、個人的には大分気に入った。
機会があれば「FIXION」の感想も書けたらいいなあと思いつつ。