個人的お気に入り度 3 / 5
四人体制になってからリリースされたKAT-TUNの通算7枚目アルバム。
ミニアルバムといいつつ7曲収録されてるのは、さすが天下のジャニーズというところか。
「これからはこういった方向性でいく」というコンセプト紹介のような円盤だと感じた。
好きな雰囲気ではあったが、突き抜けるほどハマる曲がなかったので評価としては3。
だが二人のグループ離脱者がでた2013年に、発売する必要があったアルバムだと思う。
アーティストとして活動していく彼らの今後を、十分に期待させる出来だった。
1.楔 -kusabi-
サブタイトルに「-kusabi-」ってつくのダサくない?と不安になったタイトルトラックだが
楽曲自体は大丈夫、ダサくなかった。
イントロの「MORE THAN SECRET」からのエフェクトボーカルがめちゃくちゃ格好いい。
もうタイトルは「MORE THAN SECRET」でよくない?と思うぐらい格好いい。
「愛すること 愛されること 演じてないで」というフレーズも格好いいなと思った。
アイドルの彼らがこう歌う、パラドックスめいた雰囲気が好きだ。
華やかさと重さが兼ねあったアレンジもいいし、今作のベストトラック。
2.GIMME LUV
どこかで聞いたことあるなと思ったら、スズキ「ソリオ バンディット」TVCMソングだったのか。
歌詞としては「飲み干したその苦味が 罪みたいに沁みていくから」が好み。
こういったオラついた曲でも、落ち着いた雰囲気がでてきているなと感じた。
3. ON & ON
最初のボイスパーカッションやアレンジのハンドクラップが示すように、どこか温かみのあるサウンド。
ドライブ中に流し聞きするのが似合う曲。SMAPあたりが歌ってそうと言ってもいい。
アルバム内のアクセントしては6曲目「BLESS」の方が機能しているし…箸休め的な一曲。
ただ脱退していた田中が担当していたであろう一番と二番間のラップを、4人で担当していたところにはぐっときた。
「そして YOU WILL UNDERSTAND HOW TO FLY HIGH」あたりを1フレーズずつ、一人ずつ歌っていくところがいい。
4. FIRE and ICE
アレンジが面白い!!
イントロから流れるピアノ、弦楽器のストリングス、間奏でスクラッチをはさんできたり
アウトロはエレキギターのメロディーが介入してきたりと音が遊びまくってる印象。
ロック系統のアレンジの中で優美な音が鳴っているのは、かなり好きな部類だ。
5. BLESS
KAT-TUNのスタンダードなラブソングは、なぜいつも題材が失恋なのだろう。
切ないながらも、雨上がりを感じさせるような仕上がりになっている。
6.4U
タイトルからして、彼らのグループ自身を歌った歌だと察せられる。
…とも思ったが、案外普通のラブソングかもしれない。
細かくリズムを刻んだメロディーがキャッチーで聞きやすいなと思う。
ただ「あの日は まだ六等星だった」は自虐なのか?
7.PHOENIX
軍歌を思わせる壮大なラストトラック。
文句なしに格好いいと思ったし、こういったゲームソングのようなアイドルソングというのも面白い。
ただバックの壮大さとボーカル陣の声の細さが、若干釣り合ってないような気もした。
「灼熱の夜明けへ」あたりが少し苦しい。まあ格好いいからいいのだけど。
おしゃれ感もだし、壮大さもだし、オラついた雰囲気も見せる。
バラエティに富んだミニアルバムになっているし、浮いている曲がないというのも何気にすごい。
それぞれの楽曲の根底に「KAT-TUN」らしさがきちんと流れている。
作詞家と作曲家と編曲家、それぞれに恵まれたグループだなと改めて思わせてくれるアルバムだった。