ぱっきりとした青の円盤 amazarashi「スピードと摩擦」感想


スピードと摩擦

 
個人的お気に入り度 4 / 5
 
amazarashiの2ndシングル「スピードと摩擦」が2015年8月19日に発売されたので
近所にあるタワーレコードに向かい通常版を購入した。
シングルCD自体、買うのは久しぶりである。数年ぶりぐらいかもしれない。
強く印象づけられたのが、円盤の青だ。硬質かつクリアな、スカイブルー。
そのCDをパキッと外した箇所には、数行の詩が書いてあった。
速度が増すごとに磨り減った
生きたいんじゃない。燃え尽きたいんだ
きっとこのシングルのテーマだろう。
それをCDのパッケージ裏に潜ませる、サービス精神と遊び心が好きだ。
 

 

 
1.スピードと摩擦
 
 
抑揚のないボーカルと、閉塞感が漂うアレンジ。こういったアングラテイスト全開の曲が、私は好きだ。
アニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」のopで聞いた時は、念仏かよと若干驚いたけども。
 
序盤は文学的要素の濃い歌詞だが、2番から「都会にでてきた若者」が主人公だと見えてくる。
 
2番のサビは1番と比べて、字余りな印象を受けた。 
国道沿いのラブホテル」「トワイライト純潔で」とあるように単語ひとつひとつが長めであり、カタカナが使われている。
これはきっと、若者が都会で覚えた単語なのだろう。冗長で曖昧な言葉達に囲まれて、若者は感覚が鈍っていく恐怖を感じたのではないか。
そこから「スピードと摩擦 火花を散らして」に繋がると、私は思った。
 
個人的なこの曲のテーマは「無駄なものを削ぎ落としていく行為」。
 
フレーズで言えば「そこに咲いた花でさえ 冒涜は許されて」にしびれた。超格好いい。
 
 
2.風邪
 
1分程度のポエトリーソング。
この曲があるだけで、ぐっと雰囲気をもったシングルになっている。
 
 
3.名前
 
作詞家である「秋田ひろむ」は優しいのだと思った。
アルバムを2作品聞いたが
自分がこうで辛かった、君も今辛いんだろ?
俺はこうして生きているから、大丈夫だから、君も生きたいように生きろ…という応援ソングがわりと多い。
私は彼のような経験に共感できないので、この曲は好きでも嫌いでもない。
でも彼と同じような感情を持った人にはたまらない歌詞だろう。
amazarashiが支持を受けている要因は、こういった優しい曲にあるのだと思った。
 
4.スピードと摩擦(acoustic Version)
 
アコースティックギターが奏でる歯切れのよさがたまらない。
原曲よりも乾燥しているイメージだ。音が削ぎ落とされているのに対し、物足りなさは感じない。
むしろ摩擦のシビアさが強調されているアレンジ。
 
 
最初はitunesでダウンロードしようと思ったが、CD媒体を買ってよかったと思う。
通常盤は4曲で税込1296円なので、そうたいした値段の違いはない。
私は青の円盤が印象的だったが、初回生産盤や特別限定版を購入した人はどうなのだろう。
その方々達の感想も聞いてみたいと思った。