個人的お気に入り度 3/5
今期ではアニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace 」OP「スピードと摩擦」を歌っているamazarashi。
前に2ndアルバム「夕日信仰ヒガシズム」を聴いたことがあり、今期の曲も良かったので1stアルバムである今作を聴いてみた。
1stだからなのか、割とストレートに希望を歌った曲が多い。
ダーク系やアングラ系統を期待して聞いたので、肩透かしをくらった。
ただあの独特な歌声と歌詞はたっぷり堪能できる一枚。ボーカルの声が好きなら、聴いてみてもいいと思う。
1「デスゲーム」:オルガンが鳴り響き、ゲームのラスボス曲みたいな雰囲気を感じさせる一曲。
個人的にamazarashiはこういったダーク系よりの曲が好きだ。不穏さがいい。
「テレビラジオの向こう側 フルHDの光沢でも 悲劇は鮮明に映らず」
「ああ 一滴の涙が 海に勝るとは知らなかったな」というフレーズがいい。
2「空っぽの空に潰される」:Bメロのギターのアレンジがいい。
サビで一気に高くなるアレンジとメロディーが前曲との対比を感じさせる。
「恒久的な欠落を愛してこその幸福だ」というのは真理だと思う。
3「古いSF映画」奇妙な温かさを感じさせるイントロ。スネアドラムの軽すぎる音が、どこか不安にさせる。
「人が人である理由が 人の中にしかないのなら 明け渡してはいけない場所 それを心と呼ぶんでしょ」はいいこと言うなあと思った。
1番と2番のAメロ歌詞の対比もいい。人工と自然。
「草木に宿る安堵の情念 昔の人は神様と呼んだ ほら触れて想像してみなよ この温もりを君は何と呼ぶ?」には唸らされた。
ラストの叙述小説めいた終わり方もいい。
まるで一本の短編映画のような、歌詞の才能が冴え渡った一曲。よって今作のベストトラック。
4「渋谷の果てに地平線」:短いメッセージソング…というものなのか?
5「夜の歌」:タイトルとは裏腹に、だいぶ明るめな一曲。
6「逃避行」:アレンジのピアノが綺麗。
7「千年幸福論」:こういったひたむきに愛を言い含めるような、ラブソングは好きだ。このアルバム内では珍しい。
「馬鹿げた事かもしれないけれど あなたよ どうか生きていて」はストレートでいい。
ラストトラックのような壮大さ。
8「遺書」:短いメッセージソング
9「美しき思い出」:アレンジに繊細さが感じられる。他は特になし
10「14歳」:特になし
11「冬が来る前に」:短いメッセージソング
「二度と来ないものを待っている 昨日が来るのを待っている」というフレーズは好き
12「未来づくり」:前向きな歌。特に好きでも嫌いでもない。
…4曲目から飽きてきたのがよく分かる文章量だな…。
「夕日信仰ヒガシズム」では表題作の「ヒガシズム」がものすごく好みだったのだが、今作にはそこまで惹かれる曲が特になかった。
文学的で中二病をこじらせきった楽曲が好きなんだと思う。
今作は割と現実寄りの、希望を歌った歌詞が多く、そこにハマれるかどうかが鍵となるアルバム。
メロディーもそこまでびびっとくるのがなかったので、個人的にはハマれなかった。
と、アルバムはあまり良くなかったのだが2015年8月19日発売のシングル「スピードと摩擦」は買うと思う。
ああいったアングラ系全開の楽曲はかなり好きである。