消されるな、この想い 「ゼーガペイン」 感想 <前半>

ゼーガペイン FILE.01 [DVD]

 

 

幼少期の頃に夕方流れていた記憶があるので、この際全部見ようと思い立ち見た。
DVD全8巻、26話。長くなったので前半と後半に感想を分けた。
それでも飽きずに2週間ちょっとで見終えたのは、この作品に力があるからだと思う。
個人的には満足のいくアニメだった。
追記からはネタバレなので注意。

 

 

内容的にはSFロボットものに少し学園物語が絡んでくる感じか。

 

ちなみに「6話まで見ると面白い」と巷でよく言われがちなこの作品だが
2話:「進まない秒針」でループの可能性が提示され
4話:荒廃した舞浜を見させられ「これが現実なのよ」と告げられる等序盤も結構面白い。
5話:「現実なのよ」と言われた世界でその世界のモノに触れられないという描写もあった。

 

6話が面白いと言われる所以は何よりもEDへの入り方にあるだろう。
ROCKY CHACK「リトルグッバイ」のイントロはかなり独特だ。どこか温かみを感じさせる電子音の不思議系サウンド。
これまで視聴者がうすうす感づいていた事実がはっきりと静乃の口から告げられる。

舞浜市は量子コンピューターに記録されたデータであり、
現実ではガルズオルム(敵)によって人間は滅亡している。
私達は滅亡した人類の記憶。私達は今とここを受け入れるしかないのよ

と、ここでEDのイントロが流れ出すのが、非常にその不思議系サウンドが合う。
残酷な事実に寄り添うだけの優しいメロディではなくて、重々しいだけの暗いメロディでもなくて。
この奇妙な明るさを持ったイントロは、ゼーガペインという作品を担う大きな要素の一つだと思う。

まいったな、カミナギ。俺もお前も幻だってさ」と泣きそうな声で笑う主人公が切ない。
動かせない事実の重さが沁みる。何をどう足掻こうが、今のこの現実はデータでしかないのだ。
この回のEDは5話までのとは違うラストのサビの歌詞が使われた。
もう眠らない」「time goes by」というフレーズが後戻りの出来ないどうしようもなさを端的に表していてよい。

 

7話:絵コンテ担当は監督である「下田正美」、水族館デートの話である。
ここら辺でキョウとリョーコが相思相愛の関係であることがはっきりする。

8話:ゼーガペインが「実体構成装置」であることが判明する。
ゼーガペインはリアルなもの。でもパイロットは幻想、ただのデータ。ここら辺の落差に頭がくらっと来た。
ただ主人公は結構立ち直りが早い正確なので6話で生まれた悩みに対し
お前がいて俺がいる つまり生きてる 幻体であれなんであれみんな生きてる」と答えを出す。
この回の戦闘場所は海の上。
現実の海の上であり「魚がいて鳥がいる (敵に対し)漁礁にでもなれ!!」と撃墜させるところが好きだ。
海は万物の生まれ故郷。少し希望が見えるような戦闘回だった。

 

9話:ここで「量子テレポートの度に肉体は何らかの損失を受ける」ことが判明。
思わず「うーん…エグいな…」とうなった。
同時に以前キョウが一度戦闘に破れデータ破損し、今のキョウはその復元した姿であることも判明。
ただかつての自分を否定し、今の自分を肯定する姿は見ていて好感が持てる。

 

10話と11話は恋愛メイン。そういった回は下田正美が絵コンテをしきることが多い印象。
セレブラントとは、世界の歪みを引き受けるもの」という言葉が印象的。

 

13話:これまた6話同様EDへの入り方が強烈な重要回。
前回の12話でセレブラントとして覚醒したカミナギ・リョーコ
彼女が優秀なこと、社交性の高さを発揮してセレブラントの重要な一員になっていく…と見せかけてこの回。
敵の最新兵器、アンチ・ゼーガによりカミナギキョーコ、ロスト。
血を流しながらコックピットにうつ伏せになっているキョウの背後には誰もいない。何もない。
11話のクリス&アーク回により「消滅すること」の哀しさを存分に描いた直後のロストである。
衝撃展開といっても差し支えないと思う。

 

ここまでが前半13話の内容だ。

ここから次回予告の締めセリフが「消されるな、この想い」から「忘れるな、我が痛み」となっていく。ここから象徴されるように前半は「データ」である人類についてがテーマだったと思う。節々で「デカルト」などの哲学者の名前も出てきた。

データは生き物と言えるのか、自分たちは生きているのか。

主人公は「みんな生きてる」と答えを出したが、自分ならどう答えるか。

それを考えてみるのも、また楽しいアニメ鑑賞だと思う。

 

 

 

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