本日消費したのはスガシカオ「SUGA SHIKAO ALL SINGLES BEST」
2枚組のベストアルバムだ。
SMAP「夜空ノムコウ」KAT-TUN「Real Face」の作詞提供者だと名前は知っていたので興味を持った。
よく言えば安定、悪く言えば似たり寄ったり。
合う人には合うアーティストなんだと思う。ただ個人的には「かったりい曲だな」と思うところが多かった。
1「午後のパレード」:能天気なアレンジなのにスガシカオの歌声のせいでどこか妙な混じりがある曲。
奇妙な明るさの裏に仄かな不穏をはらんだ様な…どこか落ち着かない気分にさせられる
2「真夏の夜のユメ」:2番から入ってくるストリングスが程よくメロディー盛り上げてくれてよいい。
徐々に音が少なくなり、最後はボーカルの歌声で締めるというアウトロは好きだ。
3「19才」:アコースティックギターの細かく刻んだ伴奏と韻を踏んだ歌詞があいまって奇妙な中毒性がある曲。
イントロの、うねってのたくるような電子音が一気に引き込んでくれる。
「汚れてる魂だけを 取り除くのが無理なら どちらに歩けばそれを未来と呼べるのでしょう?」というフレーズが魅力的
この曲の心地よさのピークはアウトロだと思う。
4「奇跡」:1曲目と違い混じりけなしに明るく爽やかな曲。
それでもAメロで持ち前の気だるげな雰囲気をきちっと出してるのが流石。
間奏のコーラスも少し妖艶な感じで好きだ。
「無限の未来と自由って なんか薄っぺらくって…」という歌詞も青くていい。
5「夏陰~なつかげ~」:この曲は気だるげな雰囲気もさっぱり消えて、ただ爽やかな夕暮れバラード。歌声もいたって普通。
6「サナギ~theme from xxxHOLIC the movie~」:3曲目の流れを汲んだ…というよりはこっちの方がベースにあるのか。
「19才」ほど独特ではないが「家畜に名前がないように あなたの名前を忘れてしまうの」あたりの歌詞は上手い。
7「光の川」:エモショーナルな楽曲。エレクトリックギターのねっとり感が独特でいい。
「途切れた願いは消えてしまうのではなくて ぼくらはその痛みで明日を知るのかもしれない
すべての祈りが輝きはしないけれど…」と、輝かなかった祈りでも意味があると言う強さが、ぼくが彼女と離れてから手に入れたものなのだろうと思った。
8「クライマックス」:トランペットとサックスの音がどこかジャズ風味を醸し出す一曲。
タイトル通りにアウトロでサックスが盛り上がるのがよい。
9「秘密」:「廊下」とあるからやり取りしているのは学生なんだろう。もしかしたら教師と生徒の恋かもしれない。
歌詞全体から漂ってくるダメ男の雰囲気がたまらない。くらくらする。
こういうちょっと危ない妖しい感じが持ち味なんだろうと思う。
10「サヨナラ」:メロディーはキャッチーだと思うんだが、ずっと一定しているので正直眠くなる。
11「アシンメントリー」:前曲よりメリハリが効いていて飽きない。タンバリンの軽やかな音色がアクセントになっていて好きだ。
リズムが割りとキツめに刻まれているのもいい感じだ。
「半分に割ったリンゴの イビツな方をぼくがもらうよ 二人はそれでたいがいうまくいく」
「手に入れたものは自由じゃなく 自由のまがいものばかり」というフレーズが好み。
12「青空」:睡眠導入曲。
13「Cloudy」:同上
<Disc 2>
1「夜空ノムコウ」:「あるある、こういう気持ち」とじんわり思える曲。
「歩き出すことさえも いちいちためらうくせに つまらない常識など つぶせると思ってた」はすごく良いフレーズだと思った。
心地よくも起伏のあるメロディーでやはり売れただけのことはある
2「8月のセレナーデ」:またダメ男風の歌詞である。間奏のピアノがロマンティックで雰囲気がある。
「※セレナーデ:(恋人の部屋の窓下でかなでる)恋愛の歌曲」
3「AFFAIR」:ハーモニカと時折入るコーラスがお洒落。
「※affair:日々の事務、業務、仕事」
もうここら辺で勘弁してください。
「19才」が持つトリッキーな雰囲気は「おっ!いいな!」と思ったものの他は大体失恋ソングで肌に合わなかった。
音にこだわりがあるのは伝わってくるし、これがたまらない人もいるのだと思う。
個人的にはメロディーの起伏のなさが聞いていて辛い1枚だった。
「ファンク」というジャンルがそもそも自分に合わないのかもしれない。
たぶん聞き返すことはないだろうなあというのが率直な感想